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うちのみえこさん(11)

土地柄

 みえこさんは19歳まで伊豆熱川で過ごした。私も7歳から19歳まで千葉だった。伊豆半島と房総半島。どちらも気候温暖で土地の気風としてはのんびりということがよく言われている。東北地方のように寒さに閉ざされて艱難辛苦といったイメージとは反対だ。このタイトル写真にもそんなところがうかがえる。まあ楽天家だな。

 名古屋を経て、ふたりプラス生まれたてひとりで奈良に来たのは1981年。もう40年を過ぎてしまった。関西で暮らすのは初めてだったので、めずらしく思うことがよくあった。

 たとえば近鉄の大和八木駅というのがある。長距離特急と通勤用郊外電車がともに同じホームに出入りするのは私鉄としてはあまりない。うな丼のごはんの中にうなぎが隠れているのにもびっくりした。

 選挙にかかわるようになって、街頭演説の様子も観察してみると少し違うように感じている。関東では足を止めて候補者の話に聞き入る人が比較的多いように思う。駅前などで座り込んで聞いている人もよく見かけた(サクラではないようだ)。奈良ではみえこさんの話にインパクトが足りないのか(本人は演説が下手だという自覚はある)、歩きながら聞いたり遠巻きにして様子を見ている人がよくいる。関西人はいそがしいのかなあ。シャイというわけでもないだろうに。なんだかよくわからない。

 奈良では演説中に聴衆ではなくて銃弾が飛んでくることもあります。


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