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ハイレゾで聴くならダウンロードがカタい

現在は音楽を聴く際、サブスクでストリーミング視聴、またはダウンロードしてオフライン再生をしてる人が多いのかもしれないが、サブスクの難点としてはある日突然、アーティストの不祥事や著作権の契約問題、その他アーティストの都合などで昨日まで聴けていた作品が引っ込められてしまい、聴きたくても聴けなくなってしまう日が突然やってくることだ。聴こうと思ったら聴けなくてガッカリしたという経験を持つ人は少なくないはず。そういう日に備えて、好きな作品は購入してダウンロードしておくのがいちばん安心だし、アーティストをサポートすることにもなる。そしてハイレゾ音源で聴きたい人たちにも、デジタル・ダウンロードでの購入をお薦めしたい。

ハイレゾ聴くならダウンロード


ハイレゾ音源をストリーミング再生、出来るけどネットのトラフィックがそれだけ多くなるから、サブスク音源でも気に入ったものはダウンロードしておく方がいいのは事実だが、あれもこれもとダウンロードしていると当然、デバイスの容量は圧迫される。「どうしても」と思うもの、頻繁に聴くものに絞るのであれば、アーティストのためにもなるべく購入を検討してほしいと思う。

サブスクが普及してからCDを買わない人が増えただけでなく、デジタル・ダウンロードでも、購入して聴く人は減っているんだろうという体感がある。「所有する」ということにさほどの意義を見出さなくなったのかもしれないし、サブスクはいつでも開いていつでも聴けて、アートワークも歌詞もついてくるので擬似的に所有していると錯覚できてしまうのもひとつの理由かと思う。ただ、ミュージシャンがミュージシャンとして、音楽で生計を立てていくためには音源を買ってもらい、ライブを観にきてもらい、物販を購入してもらう必要があるわけで、いいと思ったもの、好きなアーティストの作品はサブスクで簡単に聴けるにしてもなるべく購入するのが望ましい。なので私はとりあえず「音源は買う」が大前提にある。買って、ダウンロードして、HDDに入れて、聴くのはサブスクでとなりがちではあるものの、気に入ったものは必ず買っている。

アーティストをサポートするならBandcamp

購入元はiTunes Storeの日本版、米国版(日米でロスレスかハイレゾ・ロスレスかの違いがあったりするので必ず両方チェックする)、それとBandcampという、アーティストの直売所のようなサイト。インディー・ロックが好きならBandcampをおすすめする。私が聴くのは大概がインディーズのバンドなのでBandcampで売ってる確率は高い。メジャー3社のどれかとワールドワイド契約をしてるバンドはiTunes Storeでの購入になるが、レーベル契約があってもインディー・レーベルの場合、レーベルがBandcampにアカウントを持っていたりするし、各アーティストもBandcampにアカウントを持って、ストリーミングやデジタル・ダウンロードだけでなく限定ヴァイナルやカセットテープ、CDなどのフィジカルの販売も一緒に行っているので選びがいもある。そしてデジタル・ダウンロードも、一度購入すればmp3だけでなく、FLAC、ALAC(Appleロスレス)など同じ曲でも違うファイル形式で何度もダウンロード出来るので使い勝手が良い。

物理メディアでの所有が音楽離れを防ぐ最大の方法

不思議なもので「10年前ならCDでの販売にこだわっているのは日本だけ」と国内外から揶揄されていたものだが、サブスク隆盛で「そもそも買ってもらう」ことにハードルが高くなった現在は欧米のバンドもCDなどの物理メディアでの販売に力を入れるようになっている。たとえばアークティック・モンキーズが所属するドミノもBandcampで販売をしていてほとんどのバンドがCDなどのフィジカルとデジタル・ダウンロードの両方で販売しているのに対し、


アークティック・モンキーズはBandcampではCD、ヴァイナルなどのフィジカル・オンリーの販売。


欧米全体的に見ても10年前なら、家にいても気軽に買えるデジタル・ダウンロードを販売促進していたのに、今となっては猫も杓子もフィジカルで売りたがっている。揶揄されながらもCD販売にこだわり続けた日本の音楽業界が正しかったんじゃんと、今更ながら再確認をする日々となっている。

物理メディアでの購入にハードルを感じるならデジタル・ダウンロード

とはいえ、Bandcampで物理メディアを購入すると海外からの送料がバカにならないので(日本に窓口があるバンドは別)、私は通常デジタル・アルバムを購入している。CD、ヴァイナルなどの物理メディアは日本のAmazonかタワーレコードのタワーオンラインで買えます。

フリマ感覚で買い物が出来てハイレゾで聴ける


Bandcampの良いところは大概のアーティストは最低購入価格が決まっているだけで、支払う金額をユーザー側が決められるところ。最低購入価格は大概iTunes Storeよりも安い。そして平均、売り上げの80%以上がアーティストに支払われる仕組みになっている。SpotifyやAppleMusic、AmazonMusicでのサブスクから支払われる割合と比較したら雲泥の差だ。購入後は複数の端末にダウンロードが出来る。つまり複数回のダウンロードが可能で、なおかつFLACなどのハイレゾ音源でダウンロードできるのが良い。Amazonデジタル・ミュージックストアだとmp3でしか販売はないし、iTunes Storeで購入するとALACというAppleロスレスの音源になるんだけれども、同じアルバムでもFLACでダウンロードするとビットレートが高いハイレゾ音源で聴ける。スマホの容量を圧迫したくなければmp3のファイルを入れ、Mac miniの外付けHDDにはFLACなどのハイレゾ再生できるファイルを入れるという形で使い分けられる。


24bit 96kHzのハイレゾ音源になってる

日本語にも対応したインターフェースのBandcamp

Bandcampは日本語表示もちゃんとしているので英語が苦手でも安心して買い物ができる。

通貨はアーティストによって変わる


購入希望価格を入力する。アーティストへのメッセージもこの時にも書ける


支払いはPaypalかクレジットカードの登録


購入完了

スマホにも直でダウンロード出来るし、Macのブラウザからだとこんな風にファイル形式を選べる。

ダウンロードできるファイルの種類はこんなにある

なので最近はなるべく、Bandcampで買うようにしている。しかしメジャーのレコード会社との契約があるアーティストの多くはBandcampでは売っていない。インディーズのアーティストでも、SNSを中心に活動してるアーティストはBandcampで売らずにYouTube、Tik Tokでのフォロワー数を増やしつつiTunes StoreやAmazonのデジタル・ミュージックストアで販売する戦略をとっているケースが増えている。そういう場合はiTunes Storeで購入することになるのだが。

SNSとしても機能している

Bandcampは音楽の直売所であると同時にSNSとしてのインターフェースも備えているのがひとつの魅力と言える。アカウントを作成して作品を購入すると「購入した人」のところに自分のサムネイルが表示され、自分のアカウントのホームには今までの購入タイトルが並ぶので、音楽の趣味が近い人を見つけたらフォローすることも可能。購入した作品の「どの曲が好き、どこが好き」などのコメントを書くことができるので本人や他のファンにも声が届く。

アカウントはアーティスト、レーベル、ファンなどアカウント作成時に選べて、実際アーティスト本人が売り手としてのアカウントで「アーティスト」を名乗り、自分がお薦めしたい作品を推す用に「ファン」のアカウントの2つを使い分けていたりもする。Amazonショッピングサイトと大きく違い、コメントはBandcampでの購入者しか書き込めない仕組みになっているのでどこのアーティストのページも平和です。

購入をしなくても、大概のアーティストの作品はストリーミング試聴が出来るようになってるし、中にはビョークのように全曲ストリーミング試聴可能だったりもするので

アーティスト・ホッピングするのもとても楽しい。

日本人アーティストでアカウントを作成してる人たちもいるし、

日本人アーティストの作品をリリースしてるレーベルのアカウントもある。普段Spotifyなどのメジャーな配信サービスを使ってるみなさんもこの機会にBandcampを覗いてみてほしい。


今日の1曲
Can't Stop Me From Dying  
Ada Lea






今日のパンが食べられます。