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こんなときだから、「わたしと電子書籍の話」。

突然ですが、皆さん、電子書籍って買っていますか。

答えは「なにそれ美味しいの」から「存在は知ってるけど買ったことはない」から「ふざけんな本は紙に決まってんだろ」から「毎月十万円は貢いでます」まで多岐に渡るのではないかと思います。十人十色ですね。

読書の仕方ひとつとっても、いくつもの選択肢ができたことは本当にありがたいことだと思います。

本を読むという行為がそれなりに贅沢だったのは、そう遠くない昔のはずなのに、今日もわたし達は進化を続けているようです。

さて、電子書籍。

文字通り、デジタル媒体で書籍を購入できるシステムのことですが、意外と普及率が低いのかなーという気がして、世界の隅の末席の末席ながら、その存在について語りたいなぁと考えた次第です。

とはいえ。

わたしはここで、うるさく「電子書籍はいいゾ!」と騒ぎ立てるつもりはありません。「電子書籍を買うには、ココでコウして、コレを使ってコウやってコウ!」とか、「電子書籍と21世紀の展望について」などとウンチクを述べるつもりもありません。

安心してください。ここはそういう意識の高いnoteではないので。ただわたし個人の、電子書籍との甘酸っぱい思い出を語るだけです。はい。

わたしは電子書籍が好きです。

なぜか?

それは海外に住んでいるからです。はい、身も蓋もない話ですが、日本から離れて暮らしている身にとって、電子書籍とはまさしく、重い雨雲の間から差してきた眩しい光、天国から垂れてきた一本の糸だったのです。

とにかくありがたくて、生き方を一八〇度変えてくれた、救世主なのです。

世界がスシを知ったおかげで、わたしのような日本からの直行便さえない外国の僻地に住んでいる人間でも、キッコーマンとミツカンの調味料くらいは近所のスーパーで買えるご時世になりました。

しかし、わたしがはじめて海外の地を踏んだあの頃……それはベランダで日本米を自家栽培しているひとがいる時代でした。

当然、日本語の本など手に入るべくもありません。

我々、平たい顔の風呂好き民族サークルは、誰かが日本語の本や雑誌をゲットしたという情報を得ると、飢えた野獣のように群がって、それをボロボロになるまで交換で読み回していたものです。

4ページくらいの、薄っぺらい現地の日本語情報誌(月に二回発行される)が出回るのを、「あと三日で○○出るね!」「楽しみ!!」と、今考えればなにがどう楽しみだったのかよくわからないほど楽しみにしていたものです。あれは結構怪しいシロモノでした。

もしかしたら、わたしが文章出力中毒であるのは、この頃のトラウマが原因ではないかと思うこともあります。

一種のPTSD症候群ですかね。

まぁ、多分、ひとの頭脳は定期的に母国語を必要とするのだと思います。

とにかくそんな時代に現れた「なんだかよくわからないもの」電子書籍は、わたし達の(少なくともわたしの)希望の光でした。

だってクリックひとつで日本語の本が読めるようになるんですよ。信じられる? もう実家から船便で送ってもらった味噌の原材料名を読んで読書した気分になる必要がないのよ。ちょっとあんた聞いてる!?!?

……とはいえ、この電子書籍ちゃん。なかなかイケズで、焦らし屋で、最初は散々に我々を苦しめました。

なぜなら当初、いくつかあった電子書籍配信サイトは……

外 国 か ら は 買 え な い !

ことがデフォルトだったからです。実は今も結構あります、海外からは買えないサイト。

喉から手が出るほどブツを欲しがっている我々を尻目に「外国発行のクレジットカードはダメだっちょー」、「あなた外国からアクセスしてますね。閲覧させてあげませんよ。ブー」などという血も涙もない拒絶の数々。そもそも最初のうちは京極夏彦とハーレクインしかなかったのですが、そんなことはどうでもよかった。(この時期にハーレクインにはまったひとは多いでしょう)。

とにかく……我々の戦いは長かった。

(すでに続きを語る気力を失った)

(もしかしたらまた今度)

しかし、戦う価値のある女だった……電子書籍……。お前はいい女だ。もう離さない……。

というわけで、現在の外出自粛などにより、おうちにいることが多くなり、電子書籍に初挑戦してみる方も多いのではないかと思います。

こんなに……こんなに便利なものが、あなたの目と鼻の先にあるんです。ちょっとAmazon等の電子書籍サイトに登録して、スマフォにアプリダウンロードすれば読めちゃう時代なんです。すごいね。

もちろん紙のご本には紙のご本の、別の魅力があるのですが……。

それもまた今度。(多分)

駄文乱文、失礼しました。お読みくださり、ありがとうございます。


泉野ジュール

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