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レイワ荘というコンテンツの成長が誰かを救える可能性について考えてみた

だいぶ日があきましたが、久しぶりの記事です。
2024年もどうぞよろしくお願いします。


この記事は、推しYouTuberのおるたなchannelについて語るマガジンにまとめているものの一つです。
ご興味がありましたら、ほかの記事もご覧いただけると嬉しいです。


レイワ荘第4期という転換点

おるたなchannelのないとーさんが運営している「レイワ荘」が第4期の入居者オーディションを開始しました。
レイワ荘は駆け出しのYouTuberが登録者数10万人を目指すためのシェアハウスです。


レイワ荘はないとーさんがビルを借りてそこに後輩YouTuberたちを集めたところから始まって、その後オーディションで入居者を募るようになり、今までに3名の卒業生を輩出しました。
(とても恵まれた環境にもかかわらず途中で離れていくクリエイターのほうが多いのは、それだけYouTuberとしてモノになるのが難しいということでもあるのでしょうね)

ないとーさんがおるたなchannelでビルを借りる動画を出してから、実に5年近くが経ちます。
この5年間は決して平坦ではなく、いろいろな試行錯誤を繰り返してきたように見えますが、この4期オーディションが一つの大きな区切りになると思われます。

外から見てそうだというよりは、わりと明示的に意識的にそういう方向づけがなされているようです。

4期が一つの区切りになると思われるその要因は、明確にないとーさんが述べている部分もあります。
それ以外に個人的に思うこともあるので、まとめて以下に整理してみたいと思います。


① 3人目の10万人達成者の輩出

Pさん、オックンに続き、ののちゃんが10万人登録者を達成しました。

ののちゃんがこれまでの二人と違うのは、女性であること、ないとーさんともともとつながりのない、オーディションで入居した住民であるということです。

3人を通して見えるものは、2人までと質的に異なるように感じます。
3人あたりから、ようやく個々ではなく異なる経験のバリエーションが見えてくるということだと思います。

逆に言えば、10万人登録者という目標がある特別な人だけものではなく多様な人が目指し得るものだという、そういう見せ方ができるということでもあるでしょう。

ののちゃんがPさんやオックンとは異なり、女性でありオーディション組であることも、卒業生の多様性を担保していると感じます。

第4期のオーディション告知動画には3名のインタビューが含まれていましたね。
今までと違って、目標達成者のバリエーションを示すことができるようになったということでもあると思います。


② レイワ荘の登録者数10万人達成

レイワ荘自身のチャンネル登録者数も、2023年度末に10万人を達成しました。

レイワ荘の動画は基本的に、住人やレイワ荘担当の人たちが持ち回りでつくられています。
住人はひと月に一本、レイワ荘動画を作ることを義務付けられているようです。

かつてはこれが、住人にとって負担に感じられているように見受けられた時期もありました。
今ではこのシステムが学びに繋がっていると、第4期オーディション告知動画でも言及されていました。

この変化はいろいろな理由があると思うのですが、一つにはレイワ荘チャンネル自身の成長にもあるでしょう。
10万人登録者のチャンネルに露出することは大きなメリットであると、告知動画でも明言されていました。

レイワ荘が徐々に、ないとーさんという大きな看板を差し引いても魅力のある場所になってきていると言えます。


③ けんとぅーくんの卒業

第1期オーディションで加入したけんとぅーくんも、レイワ荘を去ることになりました。

このことをどうとらえたら良いのか個人的には難しいと感じているのですが、1期オーディションからの住人である彼が抜けることで、レイワ荘の雰囲気は大きく変わるのではないかと考えています。
彼がレイワ荘を出ることで、クリエイターの住人は3期生以降になるわけですから。


誰がレイワ荘に救われるのか

さて、まだまだ言いたいことはあるのですが、上に挙げた「今後のレイワ荘について。」でないとーさんが語っていた、「レイワ荘がみんなの大切な場所になってきている」という発言について、もう少し深堀りして考えてみたいと思います。

ないとーさんがレイワ荘をスタートした時には、普通の生き方ができないクリエイター気質の人を独り立ちさせることで救済する場という位置づけが、今より強かったように思います。
それはないとーさんがYouTubeに救われたという思いが強くあったからでしょう。

もちろん、レイワ荘には今でもそういう部分はあると思います。
けれどレイワ荘はこの数年間のあいだに、たとえクリエイターとして自立できなかったとしても仲間を作ることで救われてきた住人を送り出して来ました。
また、クリエイター気質だけではモノにならないということも、だんだん明らかになってきました。

(余談になりますが、レイワ荘に住んだことのあるクリエイターは10名を超えます。先ほど挙げた「1・4・9の法則」から言えば、駆け出しクリエイターを類型化できるところまでレイワ荘は経験値を得てきたとも言えます)

また、レイワ荘を応援する視聴者を勇気づけられる場だともないとーさんは語っています。
一人一人のクリエイターを応援したり、レイワ荘そのものを応援したり、たくさんの人が集って通り抜けていく場所だからこそ、レイワ荘にはいろいろな推し方があり得ます。


「大人」こそレイワ荘に救われるのかも知れない

話が大きく変わりますが、個人的には大人を推すことは難しいと感じています。
ここでの「大人」を定義することは結構難しいのですが、レイワ荘が打ち出している「大人の青春」とは少し違う意味合いです。

何かを守るために自身の人間性を潜ませる必要がある人、と言ったらいいでしょうか。

かつて私は、推しに「大人」の側面を見せられると徐々に冷めてしまうところがありました。
推しの人間性のあらわれの変化を追っていきたい人間にとっては、「大人」の仮面をかぶられると、推しのことを考える楽しみが減ってしまうからです。

けれど、自分がいい歳になってきて社会的な責任も増してくると、大人としてふるまわなければならない推しを見てかえって共感をおぼえるようにもなりました。

そんなわけで、レイワ荘は住人たちのドキュメンタリーという側面が大きいチャンネルではありますが、私自身はないとーさんの変化と成長を楽しんできたようにも思います。
少なくともここまでは、レイワ荘の物語はないとーさん自身の物語でもあったと思うのです。

レイワ荘を住人たちに「任せなければ」という発言は、これまでも何度かされてきました。
そのたびにないとーさんはレイワ荘チャンネルの運営や実働的な部分を、徐々に住人やレイワ荘担当者に預けてきたとは思います。
けれどそれは、ないとーさんがレイワ荘という場やシステムを作っていった道程であって、物語の主役を完全に譲ったようには見えませんでした。

責任がともなう仕事を何年もかけてないとーさんがやってきた過程に、特に昨今は個人的に勇気づけられてきました。

ここからは、物語の主役がようやく変わるのかも知れません。
寂しさもありますが、これからのレイワ荘の物語がさらに良いものになりますように。

ノウハウに救われる

第4期オーディションがこれまでと大きく違うのは、どういう人を求めているのかのメッセージが、今までより明確になったことが挙げられます。

前述したように、目標達成者のバリエーションが見えてきたことと、駆け出しクリエイターの類型化ができるようになったことがその理由だと思います。
レイワ荘は、ほかにはないノウハウを蓄積してきたと言えます。

あのメッセージには、レイワ荘のノウハウが詰まっていると思うのです。
このノウハウは、今度のオーディションの合格者以外にも波及する可能性があるし、多くの駆け出しクリエイターが(もしかしたらそれ以外の職業の人も)学ぶ価値のあるものなのではないかと思います。

このノウハウに救われる人が出てきたらいいな、と個人的には思っています。


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