フィクション日記『雫』

雨だ。大雨だ。
前も見えないほどの大雨だ。
雨だ。大雨だ。
もう、頬を伝うのが涙なのか雨粒なのかもわからない。

思い切って書いた手紙。
教室のゴミ箱に捨ててあった。
投げっぱなしの気持ちが行き場を無くして靄となり、
靄が沢山集まって、雨雲を作った。

雨よ。大雨よ。
全部洗い流してくれないか。
雨よ。大雨よ。
私の心を踏んでいった、あいつごと全部、全部。

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