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アクロス・ザ・スパイダーバース

 レイトショーでユナイテッド・シネマ幕張で観てきた。


特典でくれたQRコードでもらった画像のひとつ。



 ただ、スパイダーバースの続編としか知らないままに見に行ったので、前後編とは知らなかった。二時間超の長い映画なのに話が終わらないなーと思ったら、そういうことだったのか、って感じ。
 前作が好きだったので、前作のいい感じをぶち壊しにするのはあまり好きな続編の作り方ではないのだが……説得力はある。
 ただ、真面目で深いテーマをこれでもかとぶつけて疲れてくる感じは、「あー。このスパイダーマンもそっちへ持っていくのね~」と、少し残念な気持ちもある。
 さまざまなスパイダーマンの描き用が素晴らしいだけに、もったいないというか。

 前作の「どんなスパイダーマンがいたっていいんだよ!」というメッセージから感じた開放感が、スケールは大きなったくせに「どんなスパイダーマンがいたっていいけど、スパイダーマンである以上はかくあるべし」みたいな設定の上塗り(あえてこう言うよ。もし前作から決まっていた設定だったとしても、観客にとってはこの感覚でしかないから)によって消し飛んで、かえって閉塞感が高まったように思う。
 もちろん、これは前編なので、ここからまた解放へとひっくり返す前フリなんだろう……と、期待してはいる。
 ただねえ、「スパイダーマンがいない世界」が、特異なことになってしまうマルチバースって、なんかすっごく狭く感じるんだけどな。
 可能性の問題なら、「スパイダーマンがいない世界」だって、いくらでもあっていいんじゃないの? って感じ。そこに無理を感じる。
 あと、ラストの15分くらいの展開へもっていくための仕掛けが、あまりにわかりやすくて、ちょっと「うーん」となった。「ちがうよね? わざとらしいこの演出はなに? 俺たちバカにされてる?」と、ちょっとイラッと来た。

 後半へと続く、仲間が集まってきたあの感じはすごくいい。
 ただ、この先、グウェンが死んだりしたらもうやりきれないね。

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