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コミカライズが主戦場になりつつあるのを僕も感じる

先日、こちらの記事を読ませて頂いた。

飽和状態にある異世界もの、なろう系の行く末について、その未来の片鱗を私も垣間見たので記そうと思う。

昨今のWEB拾い上げ系公募に、書籍化+コミカライズの文言が見え隠れし出したのが去年か一昨年か。そしてとうとう、小説の出版はせず、コミカライズだけの公募が複数確認された。

折しも、北海道の大きな製紙工場が操業停止になった。紙の需要が激減したからだ。ついで、10年前と比較して書店の数が半分になったというニュースも見かけた。さらに、マンガはラノベの10倍売れるというイヤな数字も。

夢を見るのは終わりにした方がいいんじゃないか。
そう思わせる材料に不足はなかった。

一ヶ月ほど前、最近のyoutubeを見ていて思ったことを書いた。

ぼんやりした題名なので、読まなかったフォロワー諸氏も多いことだろう。実際には、期せずして次のトレンドを予感させるものとなった。

そんな折、とうとう、というか、必然というか、先を越されたなあと思う事案が発生した。

youtubeのマンガ動画、というか、アドベンチャーゲームのようなアニメーション連載作品の、商業ノベライズの話題が飛び込んできたのだ。

ちッ、出遅れたか。という気分だった。

実はこのチャンネルの別アカが、マンガ動画大手の漫画エンジェルネコオカと知った時は、ああ、と溜息をついた。

10代の若者の可処分時間は、すべてスマホで提供される娯楽ばかりだ。
ゲームアプリ、漫画アプリ、動画、SNS等々。そこに紙の入る余地など最初からない。よほど話題になったのなら話は別だが。

これだけの娯楽に囲まれている中で、わざわざ文字を、WEB小説を消費しようとする若者は、ひとえに可処分所得が低いと思う。

先日、とある人との話題に上がったのが、ラノベ一冊と他の娯楽の交換レートについてだ。これまた私のまた聞きなのだが、

 ラノベ一冊→コミックス3~4冊
       TVアニメ3~4話
       劇場映画1話

ぐらいなのだそうだ。無料で視聴出来るTVアニメは除外して、他のコンテンツに掛かる金額を比較すると、消費出来る「物語」の量に対して、小説は圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。
ゆえに、たとえ新刊でラノベを買ったとしても、娯楽としてはかなり安価であると言わざるを得ない。
これを安いと考える消費者は、あまりいないかもしれないが。

話が少し逸れたが、小説はもうじっくり読むものではなく、動画やアプリなどとユーザーの可処分時間を奪い合う、バトルロイヤルに放り込まれてしまっているのが現実なのだと思う。

その層とは別に、従来のじっくり消費タイプで、しっかりした物語を求める中年から上の団塊ジュニアは、その圧倒的な人口と可処分所得の多さで、新しい波と戦っている最中だ。

主戦場がまったく別なのに、同じステージに立たされることで無駄な戦いや消耗、撤退を強いられる多くのクリエイターに、いま一度己のいる場所や、己のいるべき場所の再確認を促したいと思うのと同時に、少し前まで主戦場だと思っていた場所は既に過去の場所になっていることも伝えてみたいような、まだ黙っていたいような、そんな気分だ。

ちなみに私は、従来タイプの真っ当に面白いものを望んでいる。

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