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個人的な復旧

今日は3月30日、明日で令和4年度が終わりです。
今月の熱海は溢れんばかりの人、ひと、ヒト…駅周辺や銀座通りは歩道からはみ出しているし、ふら~っと道路を渡ってきたりするのでいつもより気を使います。平日も休日も変わらぬ人の多さでした。
でも今日はそれほど多くなかったですね。多分新年度に向けての準備でセーブしているのだと思います。
もうすぐ1年9ヶ月。段々と戻る目処が立ち始めている中でもまだまだうちの家族は戻ることが出来ません。ゴールの見えないレースだけど、今は先の計画を立てながら目の前のことを片付けていくしかない。その目の前のことがやっとひとつクリアできたので報告です。

趣味

新しく知り合いになって、Facebookで繋がるとよく「多趣味ですね」って言われます。
自分では「好きなことをやっているだけ」というつもりなんですが、他人からみると多趣味みたいです(笑)
だからなのか「新しく趣味を見つける・作る」って言うのが自分にはいまいち理解が出来ません。自分が好き、興味があるからやってみたい、知りたいだから。
そんな中で20歳頃からずっと続けているものが3つあって、というか多趣味と言われてもこの3つだけなんですが、その1つである音楽が復帰できました!
もう一つはスポーツ、あと一つはちょっと金のかかる趣味でスポーツに関しては初期投資もかなり安く(シューズとウエア代)できることで、被災2ヶ月後には再開していました。
金のかかる方(色々あってぼかしてます)はかなり投資してものを揃えないとならないので現状では諦めています。
伊豆山に戻り、家のローン返済の目星がついた時に検討しようかな。と思っています。
音楽は演者の方です。なので機材を揃える為に色々と工面をしました。
実家からの援助や仲間から安く譲ってもらったり、直してもらったり…
今は団地であまり音が出せないので実家で練習しています。でもやっとここまでこれた。それだけでも感慨深いです。
そして支えてくれた音楽仲間に何よりも感謝です。

人が何人も亡くなっているのに…

災害関連死を含め、28人の方が亡くなりました。
一人ひとりにそれぞれの人生があった。それは28という数字だけでは表すことは出来ません。とても悲しく重い出来事です。
だからといって生き残った人々は笑ったり楽しい思いをしたらいけないのでしょうか?
自分はSNSで発災2ヶ月頃に趣味のことを投稿したら「人が何人も亡くなっているのに」と見ず知らずの人達から言われました。恥を知れとも言われました。
もちろんつながっている人達は応援してくれた。心の傷を癒やす為にも趣味は必要だとも言ってくれました。

以前池袋暴走事故の遺族、松永拓也さんのインタビューを見ました。
そこには「あいの会」HPの松永さんの写真が笑顔だ!というクレームがあった。と仰っていました。
被災者は、遺族は、笑っちゃいけないんですか?ずーっと暗い顔をしてなければいけないんですか?

それを知人でもなんでもない、見ず知らずの人が咎めるなんて。
笑うことも、楽しむことも被災者、遺族は許されないなら生きながら死んでいるようなものだ。

まとめ

まとめという程のことでもないんですが、たしかにTPOは必要かもしれません。7月といえば熱海ではこがし祭り。発災翌日に祭りの事を話題に挙げてひんしゅくを買った。なんて話も聞きました。
良くも悪くも日本人は空気を読む。と言われます。でも実際の被害者がやっと前を向ける、止まっていた時を動かそうとするタイミングはそれぞれ違います。
大切な人を失ったことと思い出の詰まった大事な物を失ったことは比べる必要がなく、全て悲しい出来事。と熱海市盛り土流出事故被害者の会のツイートで書かれています。
確かに命と物質とでは違います。物質はまだ金銭でなんとかなる可能性がある。命はそうではない。では思い出は?それぞれの心は?
自分は長い間続けていた趣味のものを失った。それなりの時間とお金をかけて、やっと心の復旧が済んだと感じています(まだまだ再就職の問題はありますが)。
それが早いのか遅いのか、不謹慎なのかどうなのか。それはその人次第です。他人が、ましてやなんの関わりもない人間がとやかく言うことではない。そう思っています(上手く伝えるのは難しいなぁ)。

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