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やっぱり地元出身は御贔屓してしまうというもの

  大相撲を見ていると、大阪場所では関西出身の力士により多くの拍手が行く。九州場所では、当たり前のように九州出身の力士に注目が集まる。

 出雲から大相撲を眺めていると、当たり前のことながら島根県出身の力士を応援してしまうことになる。隠岐の海である。

 勝ったり負けたりを繰り返していながら、はらはらどきどきで千秋楽まで楽しむことができるのは嬉しい限りだ。できれば1回くらい優勝してくれないだろうかと、淡い期待をするのだけれど、年齢的によほどの奇跡でもない限り難しいかもしれない。それでも尚、どうしても期待してしまうのは、やはりご当地力士へのひいき目であろうことは間違いない。

 同じように、夏の甲子園も、お目当ての強豪校が勝ち進むのは嬉しいけれど、島根県の出場校を応援するのも当然ながら忘れてはいけない。島根の出場校が負ければ、お隣の鳥取の出場校を応援する。鳥取が負ければ、中国地方の出場校を応援する。この感情はいったい何なんだろうと思う。

 出雲四大大神の一人、佐太大神の鎮まる神社。四大大神の一人ともなれば、凄い伝説が残っている。

 古代の地理誌「出雲国風土記」によれば、佐太大神は今の島根町の加賀で生まれたとある。

 佐太神社は鹿島町にあるので、島根町と鹿島町にわたる広い範囲が佐太大神の影響範囲であったといってもいい。

 佐太大神の生まれに話を戻せば、「出雲国風土記」によれば、神魂命の御子、支佐加比売命(さきかひめのみこと)が「暗き岩屋だなぁ」と仰り、黄金の弓矢を射抜いたときに、そこから光が差した場所にて佐太大神を生んだそうである。その場所が加賀の潜戸と呼ばれ、今も観光名所になっている。

 もう一つ、地元の伝説があり、加賀の潜戸を船で通るときは大声をあげて通らないといけないという。もし、黙って通り過ぎると、神様があらわれて、突風が起こり、行く船は必ず転覆するという。なんて恐ろしい神様なんだろう。地元ではさぞ敬われたり、恐れられたりしているのだろう。

 さて、以上のことから気づいたことがある。

 四大大神のうちでこの出雲で生まれ育った神様は佐太大神だけだということである。

 熊野大神と能城大神は高天原生まれ、大国主命は出雲で生まれたとはどこにも記載されていない。はっきりと出雲で生まれ、出雲で育った正真正銘の神様が佐太大神なのである。

 やはり地元出身の神様なので、ついつい応援してしまう。他県のみなさんには全く関係ないことで申し訳ないですが、地元の御贔屓ということで大目に見てやってください。

(島根県公式観光情報サイト:写真転載)


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