ファンマリージョの伝言〜フォーメーションは電話番号〜

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◆システムをどう捉える?
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システム、フォーメーションというものをどう考えていますか?
まず、この言葉2つ違いますか?
まあそんなことは自分にはどうでもよくて。


最近はもう言わなくなったかもしれませんが

相手は4-4-2だからライン間ついてこう!

4-1-4-1はアンカー脇が狙い目だ!

一昔前はよく聞いた言葉だし
実際自分も使ってたかもしれません。


今思えば面白くないなーって反省してます

その理由は2つあって


①運用方法がチームによって違う

同じフォーメーション、番号で呼ばれたとて
動き方、スペースの管理は違う

例えば4-4-2で構えた時

僕にはすごく嫌だなって思うプレーがあります
それは
2ボランチの間を通過する球

真ん中を進まれるのがとにかく嫌なので
サイドハーフとの距離よりここを狭めたほうがいいと考えてしまいます。

ただマンチェスターシティは4-4-2で構えたときにボランチ間にボール結構通されます。
いつも気になるなーって観てます。

けど、シティはそれOKにしてるようにしか見えないんですよね。
むしろ無理にそこ通ってきたところをCBが出て迎撃して奪う
そもそも、そういう設計にしてると思うんです

4-4-2で同じでも全然違いますよね
動き方も狙いも根本的な考え方も

すべての局面、場面でこれって言えることだと思うんです。
だから4-4-2だからこう!とかって語ることはできないと思ってます。


②そこにいる個体によって違う

これが最も大切なことです

じゃあ例えば
一昔前のバルセロナの4-4-2
2トップ スアレス、メッシ

一昔前のアトレティコの4-4-2
2トップ グリーズマン、ジエゴコスタ

前者は後ろの4-4にほぼ守ってもらう人たち
後者は明確に1stディフェンダーとして機能する

例え運用方法が同じフォーメーションだとしても、そこにいる選手によってできることが変わるんですよね。この2つの差は想像つくよね?

他には

4-1-4-1、1アンカーの脇が弱点だ
でもそれは1アンカーに両脇のスペースを覆える横幅の守備範囲が広い選手がいれば、アンカー脇は弱点とはならないでしょう

そのシステムで並べた時にそれを成す個体たちがなにができるのか?できないのか?が考慮されない話はあまり意味がない。

4-3-3から2-3-5に可変すれば相手を押し込める!5バックの攻略は3-2-5一択だ!みたいなボードの上での話は実用的でないし、面白くもない。ボード上ではみなが同じマグネットで表現されるが、その一つ一つのサイズも違えば動ける範囲も違う。


レアルマドリードで言えば
クロースが左SBの位置に降りるのは
チームであのポジションの人は絶対に降りると決めているのか??
おそらく違う。左から逆まで正確なサイドチェンジができるクロースだから降りていいんだ。もちろん理由はそれだけではないけれど。

その個体の適性を見分けるのが指導者にとっては最もやりがいがあり難しい仕事だ


つまりフォーメーションは電話番号
その数字自体に意味はない。
って話だ

無意味という伝え方をリージョはしたかったのか?


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◆フォーメーションの必要性
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フォーメーションとは不要にすら聞こえる
ここまでの話

ただ自分のチームでもここまで4,5個のフォーメーションを試してきた。

電話番号でしかないそれを
なぜ試行し、なぜそれを重視するのか。


ここからはボードを使って具体的に話そう

仮定するのは相手が4-4-2で奪いに来る時

ただまずこの仮定も人によって変わる
捉え方によって変わるだろう
だから自分達がボールを運ぶために、相手の背後に入っていくために相手をどう捉えるのが1番いいのか考えることが大事

まず1つの考え方として
3バックを作ること
今回これは考えないフリーマンがいる前提でないと球が運び出せないでは話が進まないから。

つまり4バックスタートだ
CBがボールを持ってる
中央から斜めに相手2トップの一角が向かってくるこの状況から始めよう

さあここから前進するために
相手の背後を取るために必要なことを考えて
必要な場所に必要な人を置こう


①まずは出てきた人の背中 

ここを取りたいからまずアンカーってポジションに人が置かれる。2枚か?1枚か?
それも相手の出方次第だろう
相手2トップの1角がマンツー気味についてるなら
もう1枚置いてもいいかもしれないし
相手2トップが逆CBとアンカーの中間取ってくるようなタイプなら1枚でいいかもしれない。
この辺も考え方だ

今回は相手は中間取ってくると仮定し
1アンカーにする
ただこれじゃあ背後取れる感じはしない

②最も速く進める進み方

次は簡単に進む方法を考えたい
それは最終ラインの裏、そして直線的な球
それらを考えるとこうなる

ゴールに最も近いやつ→CF
同サイドの背後を狙うやつ→WG
真っ直ぐの縦パスを受けるやつ→IH


③左右対称性と遠く

次はもちろん両サイドでプレーしなきゃいけない分
左右を対称にしようって考え方はある
ただし、左右の人の特徴など考慮して
どちらかに偏らせたり、全く違う攻め方をしたりが
戦術ってやつで、それによって配置が変わる

今回は両サイド同じプレーコンセプトと考え
左右対称におく
すると、こうなる

これで4-3-3っぽくなる
これを4-3-3と呼ぶのか、4-1-2-3と呼ぶのか
〇〇フォーメーションみたいな名前付けて呼ぶのかは
そのチーム次第だ

ただこれでもう一つの選択肢ができた

遠く

ってやつ

おそらく相手が普通の配置なら届かない
例えばCBから左WGまで
プレーの時系列があって相手に大きな偏りが
生まれたときこの選択紙が出てきたりする

だからこの遠くって選択肢を残しときたいのも
この配置の理由だ。


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◆前進
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さあ前進しよう!背中を取ろう!

大事なのは相手CFが出てきたことによって
相手の周りがどう動くか

①全体でスライド

さあ、どうする?


CBが運び出して進むで考えてみる

こうなった時,考えられるのは
・ボランチが釣れる
・サイドハーフが釣れる
・動かない

ボランチが釣れたらIHが次の出てきた人の背後
そこに斜め斜めか、てっぺんレイオフ

これはIHで背後取るだけの話
他はもっとある
単純に背後と遠く


サイドハーフが釣れたら
サイドバックはサイドハーフの背中になる
ここは幅の取り方、角度の付け方で
CBからそのまま出てくるボールがある

またCB→IHもCBの体の向き次第で出せる
サイドバックへのパスをフェイントにすることが重要
ここに相手が出てきても左右で横サポートが作れる

相手が動かない場合
釣れるまで進む
止まったブロックのゲートを狙う
ピッチの中央から逆を目指す

こんな感じになる


運び出せるCBがいるチームだとして
その運んでる間に
相手のどれかの動きによって
どの位置にも到着できる位置が
最高のスタート地点である
必ずしも、最初からボールホルダーから見える位置に立つ必要はない

今回はCBが運べることを考慮したポジショニング

他にももっと多様な要素が加わってくるから
自分達はこうやってプレーするっていう指針
つまりゲームモデルみたいなものが必要だ


こういった選手の特徴を考慮し
やりたいことを最も再現しやすい
初期の立ち位置はなんだろうって考えて
この場合は4-3-3となった
守備においても同じ考え方だ


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◆ファンマリージョの伝言
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フォーメーションってのは結局なんなのか
大事なのか?大事じゃないのか?

結論とても大事だと思います。

ただし、それは初期位置にしかすぎない
それ以上でも以下でもない

数字の並びから相手の弱点を考えたり
できることを考えられるようなものではない

内包される個々人の方が遥かに重要だ


そんな個々人の力を最大限発揮するために
彼らの武器を最大限活かすために
最も適した並びはどれなのかを探すこと

これがフォーメーションを選ぶってことだ

それが決まらないと話は始まらない
プレーが始められないから


そう

電話番号さえ知らなきゃ誰とも話せない
なにかを伝えることもできない
なにもはじまらない


電話番号の使い方を知らなきゃいけない
今したいことのために何番に電話すればいいのか
火事が起きたら119番
窃盗事件があったら110番
それさえ知らなかったらなにも解決できない


偉人の言葉ってのは大抵偉大で
当たり前のこと言ってんなーって思うものほど
よく考えられているもんだ


ファンマリージョはこう言いたいんだと思ってる

フォーメーションとはプレースタートのためのものだ
そこからのプレーは君たち次第
電話番号とは電話をかけるためのもので
そこからなにを話すかは君たち次第

チームのしたいことを最も行いやすいフォーメーションを選ぶべきだ
あなたのしたいことを行ってくれる電話番号に電話をかけなさい

つまりフォーメーション(システム)ってのは電話番号みたいなものだ

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