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今こそ【最低賃金法】の改正を! 

23年4月6日、厚生労働省は 
1978年以来続いてきた
最低賃金引き上げの目安額を示す
都道府県別のランク分けを
現在の4ランクから3ランクに変更する方針を発表しました。
どうやら 区分分けを減らすことで
地域間格差の縮小につなげるのが
狙いらしいのだけど・・・
これって どうなの?

今回は これを聞いて私が思うことを書いていきます。
最後までお付き合いくださると
嬉しいです!


◆ランク制では縮まらない地域間格差

たしかにDランクがなくなれば、Cランク、Bランクと
繰り上がり 該当する地域は今までより大幅に最賃が上がるかもしれない。
でも現行法のランク制による地域別最低賃金であるかぎり
地域の格差は解消されません。
地域のよって違う最低賃金は、労働者の賃金格差。
生活保護、年金、公務員賃金、保険料といった制度にも影響し
縮めたところで、人口流出は止まらず 最低賃金の低い地域から高い地域に労働者は移っていくのです。

また、この発表と同時に 岸田首相が
「10月の改定で 最低賃金を1,000円に
引き上げることを目指す。」と言ってたけど、それは 全国の加重平均で1,000円とのことでしょうか?
現在の 最賃 全国加重平均は961円。
あくまでも平均であって、
地域ごとに見れば それ以上の金額の最賃は 7都道府県(東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉、京都)のみ。もっと低いところが ほとんどです。
最賃の地域最低額 853円(沖縄、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、愛媛、高知、秋田、青森の10県)で仮に月160時間働いたとして、月13万6,480円、年163万7,760円であり、ここから税٠保険料が引かれると 手取り額は さらに減少します。
そのような低水準にもかかわらず、 新型コロナウイルス感染拡大や、長期化するウクライナ情勢のもと 原油や電気などの値上げに加え、食料品など急激な物価高騰が 労働者や国民の生活を直撃。

今や全国各地の 最低賃金近傍で働く非正規労働者から「これでは暮らしていけない!」と悲鳴が上がっています。

◆世界の最低賃金と日本の違い


一方、海外に目を向けると コロナ後の経済回復を見据えて大幅に
最低賃金を上げてきています。
オーストラリア1,959円、スウェーデン1,717円、イギリス1,545円、カナダ1,445円。アメリカのワシントン州では2,069円。
ドイツ٠フランスでは、物価高騰に対応し 年3回も最賃を改定した結果、
それぞれ 1,451円、1,512円と上がってきています。
(全労連調べ 各国通貨最低賃金を2023年1月末日TISのレートで換算 。ワシントン州は2023年1月発効。イギリスは22歳以上の最低賃金額。カナダは州別最低賃金の加重平均)

いずれも 世界では最低賃金といえば
1,500円以上が あたりまえになっています。
じつは日本においても 憲法25条でいうところの
「健康で文化的な生活」を営むには1,500円必要なのです。
しかし、日本は 加重平均でさえ 1,000円に充たない。
しかも実際に最賃1,000円以上なのは
東京1,072円、神奈川1,071円、大阪1,023円の 3地域に限られています。
なぜ日本の地域別最低賃金は こんなに低いのでしょうか?

先進国が最低賃金を大幅に引き上げ1,500円としている中、
日本は OECD諸国で最低の水準です。
いったい その差はどこにあるのでしょう?

◆生計費より支払い能力で決まる日本


最低賃金は、どの国においても労働者にとって非常に重要な
セーフティーネットです。
だから労働者の生活の安定を第一に決められていると言えます。
しかも、イギリス・フランス・ドイツは 全国一律。
アメリカだって 全国一律(連邦最賃)と
地域別(州・市・郡最賃)の併用です。
なぜ、日本は一律に出来ない?
それは 企業の支払い能力が違うから。

最低賃金法  第一章 総則
(目的)
第一条
  この法律は 賃金の低廉な労働者について賃金の最低額を保障することにより
労働条件の改善を図り、もって労働者の生活の安定・労働力の質的向上及び
事業の公正な競争の確保に
資するとともに国民経済の
健全な発展に寄与することを
目的とする。

本来、最低賃金の在り方とは 労働者が働いて
まともな暮らしができる金額かどうかが基準のはず。
多くの国では 企業の
支払い能力ではなく、
生計費で決まるのです。
ところが、日本の場合は最低賃金法の
「賃金の低廉な労働者の
生活の安定を図る」という目的は
隅に追いやられ、企業の支払い能力のみを重視して決められる。
だから 世界の大多数の全国一律
最低賃金制より、
ランク制度を維持することが
妥当であるとし
いつまでも 現状日本の 
暮らしていけないほどの低賃金を
どう引き上げるのか、
地域間格差をどう解消していくのかの
議論がなされないのです。

◆中小企業を支援し全国一律制に


ある全国一律最低賃金制をめざすための
集会で 挨拶された議員さんのことば
「最賃法では 労働者の生計費に加えて
企業の支払い能力がいつも言い訳に
入ってくる。
体力のない企業の支払い能力を言い訳にするのなら、
政府がしっかり支援すれば
いいだけの話し。」
まったく同感!

日本の99.7%が中小零細企業であり、労働者の約7割が
中小企業で働いています。地域間格差を解消するためには
ランク制度による現最低賃金法を改正し、全国一律制度に。
これまでの低水準な最低賃金を 
まともに暮らしていけるだけの金額に。
この抜本的な引き上げを
実現するために、
政府は 中小企業に手厚い支援を。
全労連・国民春闘共闘委員会に属する
わたしたちの労働組合では ずっと
「全国一律最低賃金制度への法改正を求める請願署名」
に取り組んでいます。

◆大幅な引き上げで少子化に歯止めを


日本は少子高齢化により、人口の減少が止まりません。
これからの日本の中心となる
若者の多くが
今、働いても働いても貧困から
抜け出せない
ワーキングプアに苦しんでいます。
今日を生きるのに 精一杯で
将来のことなど考えられない。
それでは 結婚して子供のいる
家庭を築こうという
思いも抱けないでしょう。
親元から自立し、健康で文化的な生活をするには
年収300万円は必要と言われています。
時給換算すると 1,500円。
それが 生計費に基づき
最低賃金を1,500円に
引き上げろと要求する理由。

都会にいても 田舎にいても、生活にかかる費用は一緒。
そのことが、全労連と静岡県立短期大学 中澤秀一准教授により
全国各地で実施された
最低生計費資産調査で
明らかにされました。
日本のどこにいても かかる生計費は変わらない。
それが 最低賃金を一律にすべき理由。

◆最後に


この国のリーダーは、「異次元の少子化対策」と言っておきながら
やってるフリ。
根本的な解決策など出てこない。
少子化対策は 待ったなしの喫緊の課題だというのに。
政府のやっていることは、
国民の生活は脇におき、
軍事費は最優先で倍に増やす。
アメリカの言いなり、
兵器の爆買いで、日本の富を
アメリカに貢ぐ 。
労働者から吸い上げた血税を 
外国にばらまく!

今、この国は 政府の思惑によって
暗い闇に進みゆこうとしています。
巨大な権力の前で わたしたちの願いは
多くの国民の しあわせを求める声は
届いていないのかも知れません。

でも、法は変えられる。
これからも わたしにできること 
署名の「一筆の力」をひろげ、
多く民意で くつがえしたい。
国は 人なのだから。

以上になります。
最後まで お読みいただき、
ありがとうございました。

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