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1-1.「ショートレビューって何ですか?」監査法人の選び方のポイントは?

IPOを目指すことを決めたら行うことは、
この日程感をイメージし、先ず監査法人の選定、
次に主幹事証券会社の選定、
そして上場市場の基準の確認することになります。

1-1.監査法人の選び方

1. やはり実績のある監査法人を選ぶのが効率的

上場準備における監査法人の役割は
・財務諸表の監査
・企業内容開示の指導(会計制度の整備・内部牽制組織の確立)
・経営管理組織の整備助言

です。

監査法人の選定に当たっては、会計監査の信頼性に加え、IPOに関する経験・知識がポイントになります。当然、日本会計士協会上場会社監査事務所(日本公認会計士協会の上場会社監査事務所登録制度に基づき準登録事務所名簿に登録されている監査事務所)お願いすることが前提になります。

但し、実際には毎年IPOの監査を行っている監査法人は限られており、上場審査対応、効率性から勘案しても、近年で上場実績のある監査法人とご契約されることが無難でしょう。

2. 実際の作業は申請期の3年前から

監査法人は上場申請期の直前々期、直前期の2期間の金融商品取引法に準じた監査証明を提出しなければなりません。
また、直前々期の期首の在庫などを確認しておかなければならないため、実際には申請期の3年前から監査法人との接触が始まります。

3月決算の会社の最短上場スケジュール

3.先ずは予備監査(ショートレビュー)を行う。

弊社でいくつかの発行体に行くと、上場準備は実際に入っていなくても、
ショートレビューだけはやったことがある会社は結構多いようです。

ショートレビューは監査法人が監査契約を締結する前に、会社の現状の課題を共有するため、また監査法人が監査契約締結可能か否かを見極めるために行うものです。
ショートレビューは監査法人が会社担当者へのヒアリングや、会計帳簿、株主総会、取締役会議事録、諸規程、経営管理資料などを調査、分析し50ページから100ページ近くの調査報告書を作成します。

3. どの様な監査法人と契約すればいいのか?

毎年上場実績社数の上位を占める大手監査法人は、大人数で組織化しており、経験も豊富で上場審査対応でも卒なく対応していただけますが、費用面ではそれなりの額がかかると思います。

中堅の監査法人は案件実績も欲しいため、積極的に営業に出てくるでしょうし、ショートレビューの費用含め大手の監査法人よりは便宜を図っていただけると思われます。また管理系の人員が限られているベンチャー企業に対しては、積極的にアドバイス等をやっていただける場合が多いです。

監査内容そのものには大きな違いはないので、費用や公認会計士のコミットの度合い、相性で決めることをお勧めします。

では、また次回、お目にかかりましょう!

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