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2022/3/19明治安田生命J2リーグ第5節 大分トリニータ-レノファ山口 マッチレビュー

実に4年ぶりの対戦となった我らがレノファ山口と大分トリニータの一戦。大分は開幕戦中止やルヴァンカップ参戦もあって現在11連戦中という非常にタイトなスケジュールとなっている。1年でのJ1復帰を目指している中、難しいシーズン序盤になっているとのこと。
因みに、大分は今シーズンのJ2で最も山口から近いアウェイ。北九州がJ3に降格しちゃったからなあ。。。
今節はDAZNでアーカイブ視聴にて観戦。

試合展開振り返り

立ち上がりからレノファがボールを保持し主導権を握る展開。途中20分辺りで大分が攻めるシーンがあったものの、大分のシュート1本(うち枠内1本)に対してレノファは6本(うち枠内4本)というスタッツからも明らかなように前半は全体を通してレノファが主導権を握り続けた。一方で大分はそんな苦しい前半を無失点で終える。すると、監督の檄が飛んだのか修正が効いたのか後半からは打って変わって大分ペースに。その勢いのまま後半開始から15分ほどが経過した辺りで大分が井上健太→呉屋大翔→小出悠太→呉屋大翔と素早い攻撃を見せて先制。
だが、その僅か3分後にレノファはコーナーキックで高木大輔がニアでの反らしたボールをゴール前の沼田駿也が蹴りこんで同点に追い付く。その後は両チームチャンスシーンを作るが決め手に欠いてそのまま試合終了。ドロー決着となった。

雑感

立ち上がりからエンジン全開で挑んだ前節と同様にレノファは今節も強度の高いプレッシングを行えてた。プレスバックの強度に関しては今シーズンの試合で最も高かったのでは。そんな感じで前半45分を通してレノファは主導権を握った訳だが、無得点。一方で、後半立ち上がりから主導権を握った大分は15分程度で1得点。この辺の最後の決め切るクオリティがレノファに対して大分はさすが去年のJ1チームといったところだろうか。だが、失点直後にレノファはコーナーキックで得点。今シーズン5試合目にして初めて先制を許す展開となったが、追い付いて勝ち点を持ち帰ることができた。昨年のJ1チーム相手にアウェイの地で1ポイント取れたという点では御の字という見方もできるが、そんなチーム相手に前半あれだけ主導権を握ったことを考えると3ポイント取れた試合だったような気がする。ましては今シーズンここまでの大分は決してチーム状況が良い訳ではないし。ポジティブに捉えるかネガティブにと捉えるか、何とも難しいところである。
また、前節の試合後インタビューとかで名塚善寛監督が課題として挙げていた球際に関しては今節非常に良かったと思う。というか素晴らしかった。1週間で上手く修正できたということだろうか。
そして、ゴールという結果を残した沼田駿也。いやー、良い選手がレノファに来てくれたものだ。

レノファのスタメンとフォーメーション

前節から1人を入れ替え。開幕から右のウイングでスタメン出場を続けていた吉岡雅和に変えて、ここに来て高木大輔をスタメン起用。名塚善寛の意図は果たして。2018年シーズンにリーグ戦と天皇杯合わせて大分相手に2ゴールを挙げている高木の相性の良さ(?)を買ったか。そして、生駒仁は本日も行方不明。

各選手の寸評・採点

※採点は10点満点で6点を及第点として0.5点刻みで実施
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし
※採点対象はレノファの出場選手のみ

FW
大槻 周平:6.5
【個人的MAN OF THE MATCH】

漸くレノファで結果が出てきて自信を付けたのか75分のシーンに代表されるような積極的なプレスなどイキイキしてプレーしているように見えた。また、34分や76分のシーンなどのようにしっかりボールを収めて攻撃の起点となった。決定機となった85分の吉岡雅和の強烈なシュートへと繋がる部分もそうだろう。3試合連続ゴールとはならなかったが、チームへの貢献度は大きかった。それもあってか、リードしている展開でないのにも関わらず途中交代なくフル出場。名塚善寛監督も評価も上々なのでは。

沼田 駿也:6.5
レノファの大きな武器である左サイドの橋本沼田ラインからのチャンスメイクに始まり多くのチャンスシーンを創出。そして、第2節の秋田戦と同様の感じでコーナーキックから得点。結果を残し続ける男である。80分に見せて個人技で挑むシーンなんかも良かった。本当に良い選手がレノファに来てくれた。

高木 大輔:6.5 (65分 out)
左サイドと比べると今一つ魅力が欠けている右サイドというチーム状況や大分と相性の良さを考慮してなのか、このタイミングでの今シーズン初スタメン。高木to高木(大輔to駿)など前線からのプレッシャーも頑張っていたし、攻撃面でのチーム内最多となる4本のクロスを供給。そして、65分のコーナーキックからの得点シーンは高木大輔がニアでボールを反らしたことから生まれた。ゴールにも絡む活躍でまずまずの今シーズン初スタメン出場だったのでは。そして、中継映像を観ていて思ったけど、大輔の太ももがなかなかゴツい。

MF
池上 丈二:6 (90分 out)
レノファの得点シーンとなった65分のコーナーキックはニアに居た高木大輔に上手く合わせるボールを蹴ったという点では池上にも半分ぐらいアシストが付いても良さそうな感じだ。また、68分の吉岡雅和のパスに抜け出すシーンなんかも良かった。

田中 渉:6 (65分 out)
5分と34分見せたシュートなど得点に迫るシーンを作った。中盤はどうしても佐藤謙介の存在感が強いが、田中渉と池上丈二の縁の下の力持ち的活躍もチームにとっては大きいはず。

佐藤 謙介:6.5
立ち上がりから左右にボールを振りまくるなどレノファの心臓として今節も大車輪の活躍。大分に主導権を握られつつあった60分には遠目からシュートを放つなどリズムを作ろうとする働きも見られた。終盤80分ぐらいからは脚が攣りながらも結果フル出場。日に日に佐藤謙介の替えの利かない度が増していっている今日この頃。

DF
橋本 健人:6
レノファの武器である左サイドの橋本沼田ラインは今節も健在。得点シーンに直接繋がるプレーはなかったが、多くのプレーに絡んだ。

眞鍋 旭輝:6 (79分 out)
攻撃面で目立つ場面はなかったが、23分の小林成豪の仕掛けへの対応など守備面で頑張っていた印象。

渡部 博文:5.5
67分や89分のシーンなど守備面で頑張る部分もあったが、62分の失点シーンは呉屋大翔に走力に追い付けずといった感じだろうか。まあ、さすがにベテランのセンターバックにそこまで求めるのは酷だろうが。
なお、前節に引き続きセンターバックの相方であったヘナンは生駒仁と違ってパス供給をガンガン行うタイプなこともあって相対的に渡部博文のパス供給も開幕直後の試合よりは減少傾向。

ヘナン:6
守備面に関してはまだまだ粗削り感が否めないものの、チーム最多となる68本のパスなど多くのプレーに関与し、効果的なパス供給もいくつか見られた。パス回しもいい感じだった。62分の失点シーンに関してはヘナンにも呉屋大翔をケアして欲しかったところだが…。とはいえトータルして頑張っている感は十分に伝わるプレー内容だった。

GK
関 憲太郎:6
大分の選手のプレッシャーの影響なのか前半はキックミスが散見されたのが少し気になったが、セービングに関してはいつも通りの安定感。そして、持ち味の飛び出し。62分の失点シーンは関憲太郎の良し悪し云々というよりは、小出悠太のクロスと呉屋大翔決定力がさすがだったと捉えるべきだろう。

交代出場
FW
吉岡 雅和:6.5 (65分 in)
今シーズン初のスタメン落ちとなってしまったが、決定機となる85分の強烈なシュート及びそこに至るシーンでのドリブルなど持ち味を十分に発揮した。さて、次節のスタメンは吉岡か大輔か。

MF
神垣 陸:6 (65分in)
78分の吉岡雅和へのパスなど長くないプレータイムでも印象に残るプレーを見せた。スタートで出しても問題はなさそうだ。

佐藤 健太郎:採点なし (90分 in)
最終盤に投入。今節は佐藤to佐藤(謙介to健太郎)の交代ではなく池上丈二との交代で普段より1列前でプレー。謙介と健太郎の共存の可能性が垣間見えた。

DF
石川 啓人:採点なし (79分 in)
昨シーズン40試合出場を誇った石川が5試合目にして今シーズン初出場。91分の相手キーパーの隙を狙ったシュートなど短いプレータイムながら奮闘した。センターバックからコンバートされた眞鍋旭輝との右サイドバックのレギュラー争いも注目。

個人的印象に残ったシーン

今節、個人的に印象に残ったのは85分のシーン。キーパー関憲太郎の長いボールを吉岡雅和が落として大槻周平へ一旦預けてからボールを受けてドリブル進入。そこから沼田駿也→橋本健人とレノファの武器である左サイドで崩して橋本がクロス。そのこぼれ球で吉岡が強烈なシュートを放ったシーンだ。橋本のクロスに至るまでの一連の流れるような攻撃も素晴らしかったが、やはり吉岡の左足のシュートは大きな魅力を感じる。前節も左足が良い感じのシュートを放ったシーンがあったが、早いところ吉岡のゴールが観たいものだ。あわよくば、アビスパ福岡に在籍していた昨シーズン見せたようなゴラッソを…。

で、このゴール映像を探している時に見つけたのだが、吉岡はレノファ相手にJリーグ初ゴールを決めてるのね。これは何が何でもレノファで活躍して頂きたい。


ヘッダー画像はレノファ山口FC公式ホームページより


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