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2022/4/17明治安田生命J2リーグ第10節 レノファ山口-東京ヴェルディ マッチレビュー

仙台の地で非常に悔しい敗北を喫した前節から1週間、俺たちのホームである維新みらいふスタジアムに帰って来て迎える今節。相手はこれまた好調な東京ヴェルディ。因みに、この日の維新公園は非常に良い天気でまさにサッカー日和だったようだ。この時期は暑過ぎず寒過ぎずでサッカー観戦するのが非常に気持ち良い。私も来るゴールデンウイークの前半は北九州、山口とサッカー観戦をする予定でいるので今から非常に楽しみである。今節の維新公園のような好天を期待したい。
そんな春の陽気漂う好天の維新公園で行われた今節はDAZNでリアルタイム観戦。

試合展開振り返り

立ち上がりから10分ぐらいまではヴェルディが前から高い強度でプレッシャーに行ってた印象。その後はヴェルディのボール保持がやや多い中、両チームボールを繋いで裏抜けなどを狙うがお互いの好守によりパスが合わず締まった展開になる。そんな感じでそのまま前半が終わるかと思われた38分、レノファは最終ラインの渡部博文からのフィードに反応した吉岡雅和がクロスを上げる。そのボールは相手ディフェンスにクリアされるが、そのクリアボールを田中渉がダイレクトに合わせてシュート。放たれたボールはドライブを描きゴールネットを突き刺す。そんな目の覚めるような素晴らしいゴールでレノファが先制する。

その後、前半終了間際の45+1分にはヴェルディがコーナーキックの流れからエリア内に供給された浮き球を馬場晴也がダイレクトで合わせクロスバーを叩く決定機を迎えるが得点には至らず。
レノファのリードで迎えた後半もヴェルディが比較的ボールを持つ中、レノファは前からの献身的な守備もあってヴェルディの攻撃を抑える。ところが、62分にゴールキーパーから繋いでいった中でレノファの渡部博文などを前に釣り出して空いたスペースを上手く突いて、梶川諒太からボールを受けた新井瑞希がダイレクトで森田晃樹に繋いで左サイドを疾走。そこから蹴りこんだクロスがエリア内のバスケス・バイロンに渡りゴール前の佐藤凌我へラストパス。それを佐藤凌我が冷静にゴールに流し込んでヴェルディが同点に追い付く。持ち前のハイライン・ハイプレスが裏目に出て失点を喫したレノファだったが、67分にフリーキックのこぼれ球を石川啓人が叩きつける形で放ったシュートがゴールネットを豪快に突き刺してレノファが勝ち越し。

更に73分には橋本健人とのパス交換で高木大輔が左サイドを進入したところを相手ディフェンスに倒される。ペナルティーエリアの中か外か際どいところではあったが、これがエリア内でのファウルとジャッジされレノファがペナルティーキックを獲得する。自ら得たPKであることに加えて古巣対決で誰よりも燃える高木大輔がこのPKをしっかり決めてレノファが3点目。

同点に追い付かれてから10分少々でレノファが勝ち越し、そして追加点を挙げて2点リードする。その後はヴェルディがフォーメーションを大きく変える選手交代でリスクを取ってゴールを狙う。対するレノファは池上丈二や田中渉など何人かが脚を攣る中、ディフェンシブな選手交代をしながら応対。更にアディショナルタイムに入った辺りからヴェルディの猛攻を受けるが、レノファも集中を切らさず守り更なる失点を許さずに試合終了。
レノファ40%、ヴェルディ60%というボールポゼッションが表すように相手に長くボールを持たれる展開の中、レノファが3得点で今シーズン3勝目を挙げた。

雑感

前半のレノファの攻撃面に関しては、前節の前半同様にアンカーの佐藤謙介があまりボールに絡めずパスがなかなか合っていなかった印象。そんな感じのまま前半が終わるかと思われた41分に訪れた田中渉のゴラッソ!いやー、素晴らしかった。これが噂のドライブシュートって奴か。なかなかエグい軌道だった。そんなスーパーゴールに沸く維新みらいふスタジアムだったが、前半終了間際にヴェルディがクロスバーを叩く決定機。これが決まっていれば時間帯的にも展開的にもレノファとしては非常に痛かっただろうから、まさに九死に一生を得た感じだろうか。そんな感じで辛うじて失点を免れてレノファが上位ヴェルディ相手にリードで前半を終える。前節が非常に悔しい敗戦でメンタル的にもかなり厳しい状況かと思われた今節だったが、もしかしてヴェルディに勝てるかも。そんな期待を抱いて後半へ。
だが、そんな期待もあっという間に打ち砕かれる。62分にレノファが前にプレスに行っていたところを抜け出されあっさりと失点。これに関しては、さすがは攻撃力に定評のあるヴェルディといった感じ。この失点で前節や第4節 琉球戦のトラウマが頭を過る。このままズルズルと行って勝ち点1はおろか相手に勝ち点3を献上することになるかもしれない、と悪いことばかりが思い浮かんだ。だが、この日のレノファは違った。失点から5分後の67分に石川啓人がフリーキックのこぼれ球を一度ピッチに叩く感じで蹴り込んでゴールネットを突き刺す。田中渉のゴラッソに続くこぼれ球ぶっこみ豪快ゴールである。渉のそれも素晴らしかったが、個人的にこのゴールはこれぞ石川!という感じで嬉しかった。言うまでのなく画面越しに絶叫である。これまで田中渉とか石川啓人とか佐藤謙介とかがミドルシュートを打つシーンが度々あったが今節になってそれが結実した感じである。「宝くじは買わなきゃ当たらない」のと同じで、やはりシュートを打たなきゃゴールは生まれない。もちろん、なりふり構わずミドルシュートを放つことは時にカウンターのピンチを招くというリスクがあるのだが、やはりミドルシュートは積極的に打って欲しいものだ。観てる方としてもその方が面白いし。それにしても今節を生で観ていたレノファサポーターが羨ましい。天気も良かったし。
そんなサポーター大興奮の勝ち越しゴールの熱気冷めやらぬ73分には左サイドを進入した高木大輔が倒されてこれがPKの判定。映像を見る限りではペナルティーエリアの中か外か際どいところで何とも言えないが、レフェリーは近くで見ていたしJ2にVARがないのでPKと言うならPKなのだろう。そして、自らが獲得したPKであることに加えてアカデミーの頃から長らく在籍していた思い入れ深い古巣相手の一戦ということで誰よりも気合の入っている大輔。PKのジャッジが下され感情を全面に出して喜んだのも束の間、ボールを手に取って離さなかった。今節の出場メンバーだと通常時のPKキッカーは岸田和人とか池上丈二、もしくはキャプテンの渡部博文辺りが任されているのだろうけど、さすがにこの試合のこの場面では大輔自身何が何でもPKを蹴りたいだろう。こういう気持ちの強いところがこれぞ高木大輔という感じですごく好きだ。そんなPKを緊張の面持ちの中無事に決めてレノファが追加点。やはり感情豊かな大輔のゴールはサポーターや他の選手の心もアツくしてくれる。PKという形ながら大輔のゴールがこのタイミングが生まれて本当に良かった。
リードが2点に広がった後はヴェルディが選手交代を駆使してリスクを取って攻勢を強める。レノファは選手何人かが脚を攣りながらも何とかこれ以上の失点をせずに試合終了を迎えてホームで嬉しい3ポイント獲得!
相手に長くボールを保持されるという今までとはテイストの異なる試合内容だったし、レノファが決めたゴールもこぼれ球を蹴りこんだシュートだったりPKだったりで形としては今のレノファが理想とするものではなかったかもしれない。だが、結果的にこの試合までのリーグ戦9試合で19得点という攻撃力の高さを誇るヴェルディのゴールを1点に留めた上に、レノファは3得点で素晴らしい結果となった。今シーズンここまでのレノファは攻撃の場面で美しい形を追い求め過ぎていた感じがあったので、別にそこまで形を気にしなくても良いんだなという認識が今節の結果を受けて選手の中に浸透していけば良いのかなと思う。そりゃ、もちろんペップ・グアルディオラが率いていたFCバルセロナみたいなポジショナルサッカーはとても美しいと思う。だが、サッカーはそういう芸術的要素よりもまず結果を出すことが必要だ。いくら芸術的に見惚れるサッカーをしていても勝てなければ(負け続ければ)チームはカテゴリーが下がる訳だし、そうなるとチームの運営が厳しくなっていく。そして、サッカーを含むスポーツは勝負事であり勝てなければサポーターも主体である選手も楽しくない。だから、今のレノファもこういう感じで理想としているものとは多少乖離があっても結果を出す試合というのがまだまだ増えても良いと思う。もちろん、時には例え大敗を喫したとしても理想的なサッカーを目指して挑む試合もあって良いと思うが。そういう意味で今節がレノファにとって非常に含むところが多い試合になったと思う。
更に、非常に長い時間数的優位にありながらも昨年までのJ1チームのクオリティの高さに歯が立たず追加点を許して敗れた前節から1週間でよく立て直せたし、結果を出せたと思う。正直、前節の内容と結果はレノファの選手にとってメンタル的に非常に痛かったと思うが、それをズルズルと引きずって連敗ということにならなくて本当に良かった。今節といい前々節の大宮戦といい、嫌な試合をした後のチームの今後を占うような試合でしっかり結果を残せている点で今年のレノファは何度も残留争いに巻き込まれているここ数年とは何か違うぞ!と期待が持てる。次節からはゴールデンウイークを挟んでの5連戦。チームの総力が試される連戦の直前を勝利を飾れたおかげで良いチーム状態で5連戦に臨めるのでは。
そして、今節終了をもってリーグ戦はおよそ4分の1となる10試合を消化。そんな現時点でのレノファは10試合を3勝2敗5分の勝ち点14で8位に付けている。レノファが1桁順位に居るのはかなり久しぶりなことではないだろうか。しかも1試合の順位変動でプレーオフ出場圏内である6位以内に滑り込める位置だ。前々節のマッチレビューで私は「仙台戦(前節)とヴェルディ戦(今節)の上位チームとの連戦で勝ち点4以上取れれば今シーズンのレノファはプレーオフ出場争いに加われるのでは」と書いた。残念ながら勝ち点4とまでは行かなかったものの今節勝ち点3を得たことでその可能性が十分出てきたのではないだろうか。もちろん、リーグ戦は残り30試合以上とまだまだ先は長い。レノファも例年通り得点力不足だし、今シーズンアウェイで未だ勝ち無しと気になる点も多々ある。このゴールデンウイークでの連戦を通してチームとしての完成度を高めて夢のプレーオフ争いへの可能性を維持していって欲しいものである。まずは次節、次々節の関東アウェイ連戦のどちらかで今シーズン初となるアウェイでの勝利を掴み取って欲しい所だ。

レノファのスタメンとフォーメーション

前節からはスタメンを3人入れ替え。池上丈二が5試合ぶりの復帰。また、前節は契約の関係で出場できなかった田中渉も復帰。そして、左のウイングにはルーキーながら開幕からこれまでスタメン出場を続けてきた沼田駿也に代わり高木大輔をチョイス。その高木大輔が居た右ウイングには吉岡雅和が6試合ぶりのスタメン出場。仙台の好守によって左サイドがあまり機能しなかったことを考慮しての人選なのか、次節からの連戦を踏まえたリカバリー的意味合いも含めた人選なのかは定かでないが、今までになかった前線の組み合わせを試してきた。また終盤の限られた時間ながら88分の眞鍋旭輝投入以降は石川啓人をインサイドハーフでプレーさせるなどこちらも新たな一面を見せた。石川かつてレノファに在籍した前貴之(現・松本山雅)みたいなポリバレントさを兼ね備えているんだな。

各選手の寸評・採点

※採点は10点満点で6点を及第点として0.5点刻みで実施
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし
※採点対象はレノファの出場選手のみ

FW
岸田 和人:5.5 (88分 out)
74分の高木大輔によるPKのシーンではキーパーに弾かれたケースを想定して抜かりの無い詰めを見せるなどゴールの意識の強さが見られて良かった。一方でそんな気持ちの強さが行き過ぎて、ファウルにはならなかったものの24分の持ち上がって行った馬場晴也に対する際どいスライディングや、47分の相手ゴールキーパーへの過剰なプレッシャーでイエローカードをもらった面などラフなプレーも見られた。まあ、岸田のイエローカードコレクターっぷりはJFL時代から健在でらしいといえばらしいのだが(笑)。
そして、今節は自身にとって相性の良いヴェルディが相手であったがシュートなしに終わりノーゴールで最後はガス欠という感じだった。最前線のポジションの選手が1本もシュートを打てなかったことは非常に残念であるが、52分の高い位置でパスカットしたシーンなんかは良かったと思う。

高木 大輔:6.5 (81分 out)
左サイドのウイングとして今シーズン初スタメン。田中渉→橋本健人→高木大輔と繋いでクロスを上げた55分のシーンや、橋本健人との連携でエリア内に進入してPKを獲得した73分のシーンなど左サイドの他の選手とのコンビネーションもなかなか良い感じだった。そして、思い入れ深い古巣との対戦で緊張感高まるPKを無事に決めてレノファの勝利をより近づける今シーズン初ゴールを挙げた。PKという形であったものの大輔にゴールという結果が生まれて良かった。これで勢いづいて次節以降は流れの中からも得点して欲しいところだ。また、他の味方選手が反応できていなかった為、シュートには至らなかったものの37分のヘナンのパスに抜け出してシーンなんかも良かった。

吉岡 雅和:5.5
決定的な仕事は出来なかったが、久しぶりのスタメン出場な中、タフな試合をフル出場し走り切った。41分に生まれた田中渉のゴラッソのきっかけとなるクロスを上げたりもした。一方で55分の佐藤謙介からボール受けてドリブルして行ったがそこからペナルティーエリア内への進入を目指して勝負に行かずにオーバーラップしてきた池上丈二にパスを出したシーンや、2点リードの最終盤にシュート打って終わらなかった点など、高木大輔や岸田和人的なゴールへの意識という部分に疑問符が残った。次節から5連戦ということでプレータイムもそれなりに与えられるはずだから、しっかり持ち味を出していって欲しい。

MF
池上 丈二:6 (88分 out)
5試合ぶりの出場となったが以前と遜色ないプレーを見せた。ややボールの勢いに欠いたものの63分には吉岡雅和からボールを受けて枠を捉えるシュートを放ったりもした。久しぶりの出場で90分ほどプレーし、最後には脚が攣ってしまったがよくやったと思う。

田中 渉:6.5 (88分 out)
17分の橋本健人の良い感じのクロス供給や、35分の田中渉→岸田和人→橋本健人と良い感じに繋いでいったシーンなど左サイドでの攻撃の活性化に貢献。そして、41分にはクロスのクリアボールをダイレクトで蹴りこんで決めたゴラッソと呼ぶにふさわしいドライブシュートを見せ、俺たちのホーム・維新みらいふスタジアムに詰めかけたレノファサポーターを湧かせた。そんな素晴らしいゴールでレノファの勝利に貢献した。このゴールを生で観れた人が本当に羨ましい。
その後、レノファの2点リードとなった81分には遅延行為でイエローカードを受けるが、これに関してはやや勿体ないカードという形になったか。それ以外に関しては非常に良いプレー内容であったと思う。

佐藤 謙介:5.5 (81分 out)
序盤は前節の前半同様にあまりボールに絡むシーンがなかったが、それでも時折良い感じのロングパスを見せるなど持ち味を出した。10分のヴェルディのきれいなパスワークから山越康平がシュートを放ったシーンではシュートコースを切るスライディングを見せたり、65分のゴール前に居た佐藤凌我のところにボールが入って来たシーンでは最後までしっかり守備に付いて得点を許さなかったシーンなど今節は守備面での頑張りが印象的だった。

DF
橋本 健人:6
田中渉からのパスを受けて良い感じのクロスを供給した17分のシーンや、田中渉に対して良い感じのパスを試みた22分のシーンなど左インサイドハーフのポジションに帰って来た田中渉との相性の良さが見られた。一方で62分の失点シーンではバスケス・バイロンにやや翻弄された感じだろうか。素人目で見るともうちょっとバスケス・バイロンに寄せられた気もするが果たして。とはいえ守備が全くダメという訳ではなくて、ちょっと危ない感じにゴール前に相手のクロスボールが入って来た44分のシーンではしっかりクリアをして相手に決定機を作らせなかった。

石川 啓人:6.5
【個人的MAN OF THE MATCH】

結果的にレノファの決勝ゴールとなった67分の、フリーキックのこぼれ球をピッチに叩きつける形で蹴り込んでゴールネットを豪快に突き刺したシュートは石川啓人らしい本当に素晴らしいゴールだった。田中渉の先制ゴールは言うまでもなくゴラッソで素晴らしいのだが、個人的にはこちらの石川のゴールがそれ以上に好きだったりする。以前のマッチレビューでも再三書いているように石川のミドルシュートはとても魅力的だから、これからも隙あらばジャンジャン遠くからでもシュートを打って頂きたい。また、ヴェルディが攻勢を掛けていた83分のナイスな守備対応なども素晴らしかった。更に、86分の眞鍋旭輝投入以降はポジションをインサイドハーフに移して試合をクローズした。

渡部 博文:5.5
41分の田中渉のゴラッソを生む最初のきっかけとなった最終ラインから吉岡雅和へのパス供給などは素晴らしかった。だが、62分の失点シーンでは前へプレッシャーに行き過ぎてできたスペースを突かれてしまった。ハイライン・ハイプレスを行うレノファのチームとしての戦術も関係してくるが、やはりセンターバックがゴール前でのピンチの場面に居ないのはちょっと悔しいところである。

ヘナン:6
62分の失点シーンでは割とサクッとゴールを決めた佐藤凌我に対してもうちょっと良い守備対応ができた気がするが、そこを除けば7分の良い守備対応などトータルで良い感じ。また、攻撃面では37分の高木大輔が抜け出したパスや39分の裏を狙った前線へのパスなどらしさを見せ、チーム最多となる67本のパスをマーク。

GK
関 憲太郎:6
1失点を喫したとはいえ、それ以外ではゴールキーパーの関憲太郎が活躍するようなヴェルディの決定機があまりなくスーパーセーブなど目立つプレーはなかった。そんな中で、40~41分の相手のプレッシャーに負けずに橋本健人にパスを出したシーンや、レノファの先制直後のシーンとなった42分のバスケス・バイロンのクロスに対するナイスキャッチなど上手さが光るプレーを見せレノファの勝利に貢献した。

交代出場
FW

沼田 駿也:採点なし (81分 in)
開幕からこれまでスタメン出場を続けていたが、昨シーズンまでのJ1クラブである仙台に対して殆ど仕事ができなかった前節を経て今節は初のベンチスタートとなった。およそ15分弱のプレータイムでフレッシュさを活かしてプレスを頑張っていたが、レノファが2点リードしていた展開も相まって決定的なシーンは作れず。同じポジションでスタメン出場した高木大輔がPKながらゴールを決めて沼田本人としても焦りみたいなものもあるかもしれない。だが、次節からの5連戦で沼田はある程度まとまったプレータイムを貰えるはずだからそこでしっかりアピールして欲しい。あわよくば流れからの得点を。

兒玉 澪王斗:採点なし (88分 in)
限られたプレータイムながらファーストディフェンダーとして、前線からのプレスを頑張った。ここまでなかなかアピールする機会が少ないが、次節から迎える5連戦ではレノファが攻撃陣の選手が負傷離脱などで手薄な為、兒玉にもチャンスが巡って来ることが多いに期待できる。是非ともレノファの勝利に貢献するプレーでアピールして欲しいところだ。

MF
神垣 陸:採点なし (81分 in)
同じ中盤のポジションの池上丈二や田中渉が帰って来たこともあって今節はベンチスタート。交代出場後はアンカーのポジションで頑張った。90+4分のゴール付近でのやや軽率なスライディングなど守備面で際どいプレーはあったものの、結果的にヴェルディの終盤の猛攻を凌いで追加失点を許さなかった。

佐藤 健太郎:採点なし (88分 in)
脚が攣った田中渉に代わって投入。限られたプレータイムながらレノファの追加失点を防いで試合のクロージングに貢献した。

DF
眞鍋 旭輝:採点なし (88分 in)
ヴェルディが選手交代でリスクを取ってゴールを目指す展開に対応する形でディフェンシブに行くというメッセージも込めて投入。交代出場でピッチに入る際には味方を鼓舞する姿もDAZNの中継映像では見られた。ヴェルディの猛攻を凌いで試合のクロージング成功に貢献した。

個人的印象に残ったシーン

マッチレビューの最後に毎回書いている、今節の個人的に印象に残ったシーンであるが、今節はちょっと私なりの視点で。本来であれば今節は田中渉と石川啓人がこぼれ球から放った豪快なゴール、もしくは高木大輔が古巣相手に決めたPK辺りが印象に残ったシーンとして順当に挙げられるところであろう。確かに、私自身今節生まれた3つのゴールが非常に印象深かったし、田中渉のゴラッソなんかはレノファの今シーズンベストゴールにノミネートされるだろう。だが、これらのゴールについては既に私よりも遥にサッカーへの造詣が深い人たちによって語られていたり考察されていたりしている。だから、それらについての感想や考察はそういう専門家の方々にお任せすることにする。
で、そんな中、私が今節印象に残ったシーンとして挙げるのは後半開始以降DAZNの中継映像からでも度々聞こえてきた東京ヴェルディのチャント『Come On VERDY』のリズムである。このチャント、リズムが良かったり、(今はご時世的に聞くことができないが)ヴェルディサポーターの歌声が心地よくて個人的に非常に好きなのである。よく1人で居る時とかに「カモンヴェルディ♪」と口ずさむくらいだ。敵チームながらそんな大好きなチャントのリズムをレノファの試合で聞けて今節は非常に楽しかった。
ちょうど先月、横浜でバスケットボールの山口ペイトリオッツの試合を観る予定があったのだが、中止になってしまい予定がバラシに。その代わりにちょうどヴェルディと町田の東京クラシックが行われていたので急遽観に行った。そこでも今節中継映像から聞いたような『Come On VERDY』のリズムを耳にしたのだが、やはり非常に楽しかった。

2022/3/20 明治安田生命J2リーグ第5節 東京ヴェルディ-町田ゼルビアにて 筆者撮影

再び中継映像そしてスタジアムで『Come On VERDY』を歌うヴェルディサポーターの歌声を聴きたいものである。

ここに来て漸くサポーターによる声出し応援解禁についての話が水面下で動き出しているとのことなので、大いに期待したい。もちろん、解禁された暁には以前のようにレノファのゴール裏で大声で歌い叫ぶつもりだ。


ヘッダー画像はレノファ山口FC公式ホームページより

マッチレビューのバックナンバーは以下にて!


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