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2022/4/27明治安田生命J2リーグ第12節 ジェフユナイテッド千葉・市原-レノファ山口 マッチレビュー

GW5連戦の2試合目。前節に続いての関東でのアウェイゲーム。中3日での試合ということでレノファは関東に滞在し続けるのかと思ったが、どうやら一度山口に帰った模様。まあ、懐事情の厳しいレノファが関東でミニキャンプを張るのは現実的ではないか。ていうか、他のチームもこういうケースでは大体地元に帰るもんなんかな。
そんなこんなで今節もDAZNにてアーカイブ観戦。

試合展開振り返り

立ち上がりからレノファがペースを握ってサイドからのクロスなど攻撃を続けるがなかなかシュートには持ち込めず。そうこうしていると、28分には前節みたいなビルドアップの部分でのボールロストからピンチを迎えるなど徐々に風向きが変わりだし千葉ペースに。30分前後には千葉が立て続けのコーナーキックで攻撃を展開。そんな状況を今シーズン初出場となった菊地光将のカバーリングなので頑張って守っていたが、40分にサイドで抜け出した福満隆貴がゴール前の見木友哉へマイナスのパス。それに合わせて放ったシュートはゴールキーパー関憲太郎に防がれるもののこぼれ球を再び見木友哉が押し込んで千葉が先制。更に、45分にはレノファのロングスローの流れからカウンターで千葉が追加点を挙げる。レノファは前半終了が近づいた時間帯での手痛い2失点で前半を終える。
後半はレノファが早めの交代策で2点差を追うが、ボールの出しどころを苦慮するなどしてなかなかシュートまで持ち込めず。一方で、オープンな展開になりスペースができ始めたこともあってか、64分の高木俊幸が抜け出したシーンや、サウダーニャ→チアゴ デ レオンソの交代直後の66~67分のシーンなど千葉がゴールに迫る場面を演出。そんな試合展開が続いて、レノファの決定機は78分に沼田駿也のクロスを高木大輔を頭で合わせた場面ぐらいに留まる。84分には千葉もフリーキックをチアゴ デ レオンソがすらして新井一耀が足で合わせるなどゴールに迫るが、結局後半はスコア動かず試合終了。レノファは前節に続く連敗、そして第6節 岩手戦以来となる無得点。またしても今シーズンアウェイ初勝利とはならず。

雑感

GW期間の連戦中ということもあって、今節のレノファは思い切ったメンバーの入れ替えを敢行。所謂ターンオーバーという奴である。それが功を奏したのか前節よりはレノファはボールを保持して攻撃を組み立てられたが、その組み立ての部分で大苦戦。なかなか効果的なパスを入れることができず、従って可能性を感じるシュートシーンもあまり見られなかった。そんな中で、池上丈二のところでボールを奪われた28分のシーンや眞鍋旭輝→菊地光将のバックパスがやや中途半端な感じになった30分のシーンなど、前節同様にビルドアップでのミスから危ない場面だったりヒヤリとする場面が見られた。そんな中で、前半終わり際の2失点。特に45分の2失点目はレノファのロングスローからのカウンターを受けた形となり、なかなか辛いものがあった。これについては名塚善寛監督が、

そこ(ロングスロー)に関してもセットプレー同様、
リスク管理も含めて整理したい

名塚善寛監督 試合後コメントより
(レノファ山口FCホームページ掲載)

と仰っており、今後の高木大輔が居るサイドにてゴールから近い場所でスローインを得てもそれがロングスローとならないケースが起こるようになるかもしれない。とはいえ、今節のようなカウンターを受けるリスクを取らなければゴールというリターンは得られないのが世の中というものだから、その辺のさじ加減が難しいところだ。個人的には、高木大輔のロングスローは積極的に観たいところではあるのだが。また、40分に喫した1失点目はかつてレノファに在籍した思い出深い福満隆貴が躍動。…頑張っているようで何よりである。
なかなか、良い攻撃を見せられないのは後半に入っても変わらず。尹晶煥監督率いる千葉が守備に定評のあるチームということもあって、上手に時間を使われつつ無難に試合をクロージングされた印象だった。正直、後半なんかは観ていてレノファが点を取るイメージが湧かなかった。2試合続けてなかなか厳しい内容と結果となってしまった。あと、千葉のユニフォームがなかなかかっこよかった。
今節の敗北はなかなか厳しいものだし、レノファの良かった点を探し出すのが非常に難しい。だが、リーグ戦40試合少々を戦う長いシーズンではこのような試合も言わずもがなある訳だから、しっかり切り替えて、リカバリーした上で中2日で訪れる次節のホームゲームで今節と前節の鬱憤を晴らして欲しい。因みに、次節は私のGWの帰省と上手くスケージュールが合ったので、現地で観戦予定。開幕して2ヶ月ほど経っての今シーズン初レノファ観戦だ。そういう個人的事情(笑)もあるので、次節は是非とも3ポイント取って欲しいところである。

レノファのスタメンとフォーメーション

前節からスタメンを7人入れ替えのターンオーバーを敢行。山瀬功治をワントップ(もしくはゼロトップ?)で起用するなど思い切った人選に出る。ただ単に、レノファのFW陣が手薄過ぎるだけなのかもしれないが…。そして、ゴールキーパーでは寺門陸がしれっと今シーズン初のメンバー入り。

各選手の寸評・採点

※採点は10点満点で6点を及第点として0.5点刻みで実施
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし
※採点対象はレノファの出場選手のみ

FW
沼田 駿也:6 (85分 out)
第9節 仙台戦以来3試合ぶりのスタメン出場。両チーム最多となる9本のクロスを供給するなど頑張った。特に、78分には高木大輔が頭で合わせるクロスを供給して決定機を演出した。が、やはり相手チームに対策されている感は否めなかった。

高木 大輔:6
【個人的MAN OF THE MATCH】
兄弟対決ということもあってか(たぶん関係ない)、前節しっかり休んだ上で今節はフルタイム出場。8分のスライディングのシーンや21~22分のカウンターを受けそうになったシーンでの中盤でのボールカットなど前半は献身的なプレーが目立った。後半は49分の思い切ってシュートを放ったシーンや78分の沼田駿也のクロスに頭で合わせたシーンなど、なかなかシュートまで持ち込めなかった試合内容の中、持ち前のゴールへの貪欲な意識を見せた。また、71分の神垣陸のパスに対してダイレクトでクロスを上げたシーンや、86分のロングスローの後にアウトにかけてクロスを上げたシーン、そして90+2分のアーリークロスなどテクニカルなクロスが印象的だった。

MF
山瀬 功治:5.5 (59分 out)
連戦であることに加えて、FW陣が手薄というチームの台所事情も相まってか、まさかのワントップ起用。献身的なプレスバックや、ベテランらしさ光上手くファウルを貰うプレーなどは見せたが、攻撃面で目立つプレーはあまりなく前線起用に応えたとは言いづらい内容だった。

池上 丈二: 5(HT out)
いつも通り潤滑油的な感じでな中盤でボールを動かしたが、なかなかチャンスシーンは作れなかった。また、28分にはビルドアップのところでボールを奪われるなど悪い部分で目立ってしまった。連戦での疲労も考慮してなのかハーフタイムでお役御免。しっかりリカバリーして次節に臨みたい。

佐藤 健太郎:5.5 (74分 out)
今シーズン初スタメン。8分の石川啓人のパスからダイレクトで沼田駿也にパスを出したシーンや、23分の石川啓人のマイナスのパスを受けてシュートを放ったシーンなど序盤は攻撃面で印象に残る良い場面を見せた。後半は特に印象に残るシーンがなく途中交代。初スタメンだったことを考慮すると悪くはなかったが、良くもなかったというのが正直なところだ。

神垣 陸:5.5
佐藤謙介の休養(たぶん)もあって、第9節 仙台戦以来3試合ぶりのスタメン出場。11分の沼田駿也へのロングパスや、37分の高木大輔を狙った縦パスなどは良いプレーはあったが、佐藤謙介の牙城を崩すのはまだまだといった感じか。また、53分の守備対応はよく頑張っていたと思う。

DF
石川 啓人:5 (59分 out)
今シーズン初めて左サイドバックでプレー。39分に見せた良さげな鋭いパスなど攻撃の組み立てを頑張った。一方でカウンターから失点を喫した45分のシーンなど守備面は悪い意味でらしさが目立った。まあ、あまり守備面の向上を求めて、石川の持ち味が薄れてしまっては本末転倒であるので、攻撃面で次節以降も目立つプレーを見せて欲しい。

眞鍋 旭輝:5
連戦ということもあって第6節 岩手戦以来6試合ぶりとなるスタメン出場。が、30分の菊地光将へのバックパスが中途半端な感じになったシーンなど、ビルドアップへの一抹の不安を抱く場面を作ってしまうなど、なかなか良いプレーは見られなかった。

渡部 博文:5
9分の沼田駿也へのパスや52分の田中渉へのパスなどいつも通り良さげなパス供給を見せた。一方で4試合連続で失点。失点を減らすより得点を増やすことの方が今のレノファに求められていることはあるだろうが、そろそろクリーンシートを果たして欲しいところだ。

菊地 光将:5.5
ターンオーバーでのスタメン起用が今シーズン初出場となった。決定機となった28分の高木俊幸のシュートをクリアしたシーンや35分に見せたカバーリングなどの守備対応は素晴らしかった。だが、結果として2失点。まだまだ連戦は続く為、今節同様にスタメン出場機会はあるかもしれない。その時の挽回に期待。

GK
関 憲太郎:5.5
安定感がなかった訳ではないが、いつもみたいなスーパーなプレーはあまり見られず。45分の失点シーンではリスクを取って前へ飛び出しても良かったようにも感じる。それでDOGSOになってしまうと元も子もないのだが…。

交代出場
FW
岸田 和人:5 (59分 in)
2点ビハインドという試合展開だった為、早めの交代投入。だが、目立つシーンは最終盤の90+2分の高木大輔のアーリークロスに対して頭で合わせたシーンぐらいでそれ以外は良いところがなかった。次節は私を含めたホームスタジアムに駆けつけたサポーターを湧かせるプレーを大いに期待だ。

吉岡 雅和:採点なし (85分 in)
短いプレータイムながらいつもとは違って左サイドでプレー。左利きという特性をより活かせる起用方法は左サイドと右サイド、果たしてどちらなのだろうか。また、89分にはオーバーヘッドを狙うなど良くない試合内容の中、サポーターに微かな期待を与えた。

MF
田中 渉:5.5 (HT in)
後半開始からピッチに立つ。池上丈二に代わって中盤でボールを動かすがなかなかチャンスシーンは作れず。また、73分のシーンは真ん中で割と自由にボール持ったのであればもっとアグレッシブに行って欲しかったところだ。

島屋 八徳:5.5 (74分 in)
第9節 仙台戦以来の出場。投入直後の76分には思い切ってシュートを放つなどチームを勢いをもたらそうと頑張るが結果は出ず。出場機会的にも今シーズンはここまで難しい立ち位置となっている為、今後の巻き返しに期待だ。

個人的印象に残ったシーン

今節個人的に印象に残ったシーンはDAZNでの中継映像にて。78分にゴールキックのボールに対して菊地光将とチアゴ デ レオンソと競り合って菊地が背中から落ちて暫くうずくまる場面があった。その際に実況の河村太朗さんが「背中から落ちると呼吸ができないような感じになって~(中略)~説明が難しいんですけど」と説明されていた。それに対して解説の中西永輔さんが、

なかなかこういうシーンって普通(の生活で)はないですからね

2022/4/27明治安田生命J2リーグ第12節 ジェフユナイテッド千葉・市原-レノファ山口
DAZN中継映像にて解説を務めた中西永輔さんの発言
(試合時間78:20頃)

と仰っていたのが印象的だった。確かに、日常生活を過ごしていて背中から落下するシチュエーションに出くわすことはないな。実際、私も記憶を辿ったがそのような経験はない。解説の人がボソッと仰ったこの一言についついクスっとしてしまった。
…これが個人的に今節印象に残ったシーンである。なかなかしょうもない内容であるが、それぐらい今節のレノファは内容が良くなかったというか、良いシーンがなかったというか…。まあ、次節に期待である。
そして、前述の通り次節 栃木戦は現地にて観戦予定。現地取材と言えば大袈裟ではあるが、次回投稿予定のマッチレビューでは写真なんかも色々付けられると思うのでお楽しみに!

ヘッダー画像はレノファ山口FC公式ホームページより

バックナンバーは以下にて!


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