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OH!へんろ。親子の88か所巡り(55番札所):別宮山 南光坊 (愛媛県)

わたしが、子どもたちと決めた今回のお遍路ルールは一つだけ。納経所で御朱印をいただくのは子どもたちの役割ということ。ちゃんと挨拶をして、御朱印をお願いし、最後はしっかり御礼をする、です。

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今日の煩悩:

2014年、アメリカ南部のジョージア州の議会で新たな自治体設立の議案がでました。議案を提出したのは、会社経営者や弁護士などの富裕層のグループでした。

彼らの議案は、自分たちが納めた税金が自分たちの要望に沿って使われる自治体を作りたいという内容でした。つまり、現在の自治体は自分たちを十分にサポートされていないということでした。

出された法案は「富裕層の身勝手だ」「有色人種や貧困層を隔離するための意図的な行為だ」と批判する声も上がりました。また、「自治体の設立は地域住民の意思だ」とする富裕層によって作成された報告書にも抗議が殺到したようです。

反対住民からは「あなたが作る自治体に住みたい人はいない。あなたはおかしい。うその報告をしている」という声も上がりました。

これに対し、報告書を作成した富裕層のWさんは、湖畔の高級住宅街に居を構えているけれども、例えば、近年治安が悪化していると訴えます。警察官は貧困層が多く住む地域に配置され、自分の住む地域はおざなりにされていると感じている。

「自分たちが支払う税金に見合う行政サービスを受けているとは思えません。私たちは社会を分断したいわけではありません。ただこれまでの自治体に代わって、より自分たちに合った自治体を作りたいだけなのです」と訴えています。

このような富裕層の動きを後押ししたのが、同じジョージア州のサンディ・スプリングス市の存在です。

サンディ・スプリングス市は2005年の住民投票で94%の賛成を得て、フルトン郡から分離し、誕生しました。人口は94,000人、市民の平均年収は日本円にして1,000万円ほど。市内には医師、弁護士、会社経営者などが多く住む高級住宅地として知られています。貧困層に多く配分されていた税金を取り戻そうという主張が、富裕層だけでなく中間層にも支持された結果です。

当時のサンディ・スプリングス市の市長は、(フルトン郡では)「私たちの税金はほかの場所で使われ、私たちのためには使われていませんでした。1ドルの税金につき半分の50セントしか、サンディ・スプリングスに使われていなかったのです」と述べていました。当時の住民グループの代表は「政府による所得の再分配には反対です。人のお金を盗む行為だと思います」と言います。

富裕層が多く住んでいたこの地域が独立したことで、市民が支払う固定資産税の15%。売上税の一部。そして酒税や事業の登録料などなどにより、市の前年度(2014年)の収入は、日本円にして約90億円となったことで、ジョージア州でもトップクラスの財政を持つ自治体が誕生したわけです。

サンディ・スプリングスは、行政職員も削減し、コストカットによって生まれたお金は富裕層の要望によって、市民の安全を守るサービスに使われました。例えば、民間の緊急センターと契約し24時間市民から通報を受け付ける仕組みを作ります。市民は住所、家族構成、持病の有無など、さまざまなデータを登録します。民間センターのサポートで、警察官を効率的に配置し、行政の人件費を削減します。うわさを聞き付けた富裕層が、さらに全米から相次いで流入し人口が増えました。

サンディ・スプリングス市の設立と運営のノウハウを知りたいと、全米各地から視察が相次ぎました。その多くが自分たちの税金の使われ方に不満を持つ富裕層でした。サンディ・スプリングス市を手本にいくつかの自治体が新たに誕生しました。

さて、当然のことですが、富裕層を失った自治体では貧困層にとって大きな打撃となりました。富裕層の独立で残った南フルトンは日本円にして年間40億円の税収が減りました。

そのため地域の公共サービスが打ち切りになりました。フルトン郡の歳入は減少し続け、2012年には歳出が上回るようになり、公共サービスの削減が余儀なくされたわけです。

例えば、ごみの回収が減り、町中に悪臭が立ち込めました。また、公共図書館の開設時間も短縮され、子どもたちがこれまで放課後や週末に利用してきたパソコンルームや学習室も時間が来ると強制的にシャットダウンされるようになりました。その他、郡が運営する公園の整備、公立病院の予算削減(医師や看護師の削減)、高齢者センターの食事代の値上げなどが行われるようになりました。

アメリカの教育予算は連邦政府と自治体で半分ずつ負担します。サンディ・スプリングス市のような富裕層の自治体は、住民が私立学校を志向するので、一般の公立学校を維持する必要性が低くなります。つまり、公立教育にお金を出すという考え方が価値が低くなっていきます。

公立学校が切り捨てられた州では、貧困層の子どもの受け皿がなくなり、学校に行けない子どもたち(教育難民)が増加していく。ブッシュ政権、オバマ政権、トランプ政権と、公立の教育を解体し、教育を民間サービスに変えて行く、教育のビジネス化がすすめられ、政権は教育を民間サービスに委託する自治体を後押ししました。教育の社会関係資本の役割が弱体化し始めたのかもしれません。

公共、税金、共同体、国とは何か?そのコンセプトが変化しているとも言えますね。お金を払って、その分のサービスの提供を受けるという契約社会が進んでいる。これは、つまり、お金がなくなったらそのコミュニティー・地区の中にはいられなくなると、金の切れ目が縁の切れ目のようになってしまう可能性がある。

公共という概念があれば、弱い立場になったり、急に事故に遭って障害を負ってしまったり、高齢になったり、いろいろと困った立場になったときは、国や自治体が守ってくれると、それが公共の概念なのだけれども、全くこれが対極にあるという、株式会社化された自治体や、国家というものは現実化してきたのかもしれない。

自分たちは豊かだからと独立した市民は、もし、自分が病気になり、仕事を失った時に、その裕福な街に住み続けることが出来るのでしょうか。だって、その街に住むひとの条件が「裕福な人」なのだから。

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御詠歌:

このところ三島に夢のさめぬれば 別宮とても同じ垂迹

本尊:

大通智勝如来

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創建:

大宝3年(703)

真言:

なむ だいつうちしょう ぶつ

歴史:

推古天皇御代二年甲寅(594)に大三島に造立されてたそうです。文武天皇の勅を奉じて、大宝三年(703)にこの地に勧請し「日本総鎮守三島の地御前」と称して奉祭しました。弘法大師は四国巡錫の時に、坊で御法楽をあげられてここを四国霊場第五十五番札所と定めたとのことです。

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所在地:

愛媛県今治市別宮町3丁目1番地

駐車場:

あり。無料。

大山祇神社:

南光坊は瀬戸内海に浮かぶ大三島におわす、航海の神、総鎮守・伊予一の宮の大山祇神社と深くかかわる歴史を有します。

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