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電気的地球科学への招待⑨ー膨張する惑星

動かざること山のごとし、といいますが、地球科学で主流のプレートテクトニクスによれば、大陸は1年に数センチ移動しているとされます。じっさい、311の大地震では日本列島が東に数十センチも動いたことがGPSの観測でわかりました。地殻が伸びているなら、いっぽうで縮んでいる場所もあるのでしょうか?
現在主流の地球科学には、地球の大きさは変わらない、という大原則があります。その根拠となっているのは、地球内部には物質がぎっしりと詰まっていて、重力が押しつぶして、その圧力で中心部は高温高圧になっているというモデルです。地球はその誕生の初期に微惑星がぶつかって集合し、その際の運動エネルギーが熱となり岩石はドロドロに溶けていたという重爆撃モデルも加わっています。でも、このモデルには大きな欠陥があって、仮に初期太陽系に膨大な数の微惑星が飛び回っていたとしたら、それらの岩石は太陽風によって帯電し同じような電荷をもつため、互いに反発してぶつかることはないという点です。じっさい、現在の小惑星帯を見ても、ぶつかって合体している様子を見ることはありません。
電気的地球科学では、地球はかつて土星の衛星の一つであったと主張しています。太陽風のバランスが変化したとき、土星から現在の位置に移動してきたのです。地球は移動しただけでなく、その大きさも変わっています。惑星の普遍性として、膨張を考えてみます。


火星の表面

火星は地球と同じように膨張している惑星です。火星には水がないため、衛星から表面をよく見ることが出来ます。表面の地形を見ると内部から膨らんだことがよくわかる地形があちこちに見られます。
この画像はGoogleEarthで見た火星表面です。マリネリス渓谷は非常に大きな谷地ですが、その形をよく見ると内部から膨らんで地表を覆う薄皮が裂けているように見えます。左に続くひび割れも、膨張した痕跡と考えられます。

火星最大の裂け目であるマリネリス渓谷

次の画像では、地表を覆っている約3kmの厚さの層が裂けて拡大している様子がわかります。3kmというのは地球で言えば太平洋の平均深度です。もし、火星に水があったら、この裂けた平坦な部分には水が溜まって海になっているでしょう。

火星内部から膨張した結果、表面を蔽う地層が裂けた

ちなみに火星もまた地球と同じように金星から放電を受けました。放電の結果、オリンポス山などの山が出来ています。山の形が地球と違うのは、火星の大気が非常に薄いため衝撃波が弱かったので、岩石が圧縮されなかったのです。

火星も地球と同じように放電を受け山が作られた

地球の膨張地形

火星の地表を見た目で、今度は地球を見てみましょう。地球の表面はその多くを海水が占め、陸上も植物が覆って、さらに水の浸食があるため、火星のような膨張地形が明確に現れていませんが、それでも膨張したとしか考えられない地形がたくさんあります。

左上から黒い筋がとぎれとぎれに右下に続いている

これは中国奥地の砂漠地帯にある地表のパターンですが、真ん中あたりにある黒い筋がずれていることがわかります。地球は何度も放電を受け、膨張を繰り返してきたので、火星以上に複雑な地形が出来上がってきました。しかし、膨張にはあるパターンがあるので、それを見極めるとここかしこに膨張を認めることが出来ます。
大陸や大きな島には海に突き出た半島地形が良く見られます。たとえば、朝鮮半島はユーラシア大陸から突き出た地形ですが、ここのパターンは地球内部から膨張してできた典型的な地形なのです。

ユーラシア大陸から朝鮮半島が引きはがされ東シナ海が出来た

朝鮮半島の形は地球拡大に伴う典型的地形です。似たような地形はいくつもあります。

右下は房総半島と東京湾、ほかの半島と同じパターンであることがわかる

半島だけでなく、島嶼地形も膨張により作られたと考えられます。

スリランカはインドから引きちぎられたように離れている
タスマニアもオーストラリアから割れて出来た

シンクホール

あるとき、地面にいきなり巨大な穴が現れることがあります。シンクホールは世界各地で見られる現象で、とくにアメリカのフロリダ半島に良く現れます。

ある日いきなり地面に大きく深い穴ができる

シンクホールのできる原因は地下水によって土砂が流され、空洞ができるためと説明されますが、地下で土砂が移動するためには、より深い場所に空洞がなくてはいけません。その空洞はどうやってできるのでしょう?

フロリダの北にカロリーナベイと呼ばれる場所があります。カロリーナベイには特徴的な円形の地形が多数存在します。

カロリーナベイには丸い地形がたくさん見られる

たまに専門家やネットでカロリーナベイがどうやってできたのか話題になるときがあります。じつはカロリーナベイのような地形は世界中に見ることが出来ます。

シベリアの北極海沿岸、丸い湖が連なっている

南半球の南米、南極に近い島にもたくさんの穴が開いている地形があります。

ウェストフォークランド島

これらの場所に共通しているのは、地球膨張が著しいという点です。地球膨張は地下数百キロのマントルで起きていると考えられます。地下深くで膨張が起きるとその上に乗っている岩石に隙間が生じて、次々と上部が崩れ、地表に至ることになります。そこで初めてシンクホールが地下水によって土砂が運ばれできる、という説明が有効になるわけです。

地震と膨張

2018年9月28日にインドネシア、スラウェシ島を震源とする地震では、奇妙な現象が起きていました。

http://time.com/5413507/liquefaction-indonesia-earthquake-damage/

大量の泥と水が噴出して、数キロにわたって村や畑を押し流していたのです。液状化と地滑りが起きたと報道されています。

地面から大量の土砂が噴出した

周辺を見ると東側に標高200m程度の丘陵地が広がっていますが、傾斜は非常に緩やかです。通常であれば地滑りの起きる地形ではありません。液状化が起きたとされますが、地震による液状化現象は、砂地で地下水が大量にある場合に起きます。現場の画像からは、赤土が流れていることがわかります。
「地中から噴き出した泥は「高さ約10メートルはある教会の屋根まで達した」。」
地下にたまっていた大量の赤土の泥が湧き出したと考えられます。

また、2023年2月23日にトルコで発生した大地震では、巨大な地割れが各地に現れました。

地割れとは言うまでもなく地殻が拡大したものです。もし、これでも地球が膨張していないというなら、地割れで出来た拡大とは反対の縮小した地面がどこかに出来ているはずですが、そんなものは発見されたことがありません。

氷河期と地球膨張

ちなみにwikipediaでは、地球膨張は計測されていないと書かれていますが、じつは2008年に行われたGPSによる精密計測では20年間で0.24mm地球半径が増えているという結果があるのです。

0.24mmを小さいと考えることはできますが、地球膨張を否定する根拠にするには足りません。じつは地球膨張は天変地異説で考えるべき現象だからです。
従来は、氷河期になり海水が陸上に氷になって移動したため、海水面が低下した、と 説明されます。確かに氷河期に海水温が低下したことが海水中のプランクトンの分析から推定されています。

海底から採取したコアに含まれるプランクトンから推定した北緯50度付近の海水面温度
http://condor.wesleyan.edu/ethomas/ees123/iceages.htm

上のグラフでは前回の氷河期でも海水温は氷点下になっていません。海水が凍るためには、海水温が0度以下になる必要があります。塩水は0度では凍らないからです。


海水温の変動
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/series/engan/engan101.html

このグラフはすでに「電気的地球科学への招待⑥ー水と大気の起源」で既出ですが、海水面の変動を表しています。一般に氷河期で海水面が低下するのは、海水が陸氷になるためだと説明されます。しかし、この説明には暗黙の了解があって、地球上の水は一定量、地球の大きさも変わらないの2点です。電気的地球科学ではこれまで雨は空中で合成され、地球は膨張していると主張してきました。すると海水面の低下は海底の拡大で説明できます。1万2千年前まで海底の拡大が進み、海水面が低下していく。いっぽうで膨張の原因となったマントルの相転移が原因で大量の水が地球内部から湧き出て来る。膨張と水の発生は時間差があるため、海水面が低下した後、徐々に海水面が上昇するのです。

フォッサマグナは放電と膨張

日本列島の中央部を横断する地形、フォッサマグナ(大地溝帯)があります。明治政府に招かれてやってきたお雇外国人のナウマンが発見したことでも知られています。

http://www.city.itoigawa.lg.jp/6525.htm より

新潟県糸魚川から静岡市にかけての中央構造線の北側がフォッサマグナということになりますが、その特徴は、古い地層で出来た大きな溝の上に比較的新しい岩石が乗っている、という構造です。上の図では、茶色の部分が古い岩石になる。この部分をもう少しくわしく見ると下の図のようになります。

白線で囲まれたEと赤線の外側が古い地層だ。A,B,C,Dは比較的新しい地層といわれています。電気的地球科学では、日本列島は膨張に伴い大陸から分かれた。最初は凹凸のないべろんとした湿地だったのが、放電による地形形成で現在のような山脈を持つ形になった。フォッサマグナもこのときにできた、と考えています。
まず、平坦な日本列島に最初の放電がありました。おそらく月から放電され、大量の岩石が日本列島に積み重なった。その後も膨張が続いたため、日本列島の中央部が拡大して溝になった。関東平野は特に膨張が大きかったため、拡大し赤土が噴出して溝を埋めた。中央が膨張により折れ曲がり、現在の日本列島になった。放電はその後にもう一度あったと考えられます。
2度目の放電で、A,B,C,Dの山ができました。放電の相手、たぶん月の岩石が放電跡に積もった。日本神話に書かれた「矛から滴り落ちたものが積もって淤能碁呂島(おのごろじま)となった」とは、電気溶接で見られる溶接棒が母材に滴り落ちて山の形を作るのと同じ現象です。

地球上の複雑な地形は、惑星間の放電と地球内部からの膨張が組み合わさって、出来ています。次回は太陽からガス惑星に進化して、岩石惑星が誕生する仕組みを考えてみます。

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