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海外の日本人って増えてるの? 海外在留邦人統計を眺めるお

海外在住者として、たまにデータを見させてもらっているのが外務省が年に一回発表する「海外在留邦人数調査統計」というもの。毎年9月くらいに出ます。最新の結果の主な部分だけ、概観してみます。

・まず全体の人数ですが、国外にいる日本人の数は全体的に順調に増えており、135万人を超えました。「長期滞在者」というのは3か月以上の滞在者でいずれ日本に戻る予定の人、いわゆる留学生か企業の駐在員です。「永住者」とは永住権を認められた人です。

・この数字を見る限り、昨年から比べてわずかに「長期滞在者」が減少しています。この30年では初めて起きている現象です。

続いて国別。

・1位アメリカ(42万人)2位中国(12万人)、3位オーストラリア(9万人)、このトップ3は10年前から変わらず。ただし中国はH24年の15万人をトップに減少傾向にある。

・10年前との比較で行くとオーストラリア、タイ、カナダが大幅に伸びている。かつて4位・5位だった英国、ブラジルはタイとカナダに追い越される結果に。タイはこの10年で65%も伸びている。

地域別にも見てみます。


・北米が49万、アジアが39万、という事で地域で括るとアメリカがダントツではなくなります。全体135万のうち、アメリカとアジアに7割くらいの日本人がいることが分かります。

続いて目的別。

・北米、大洋州が留学・研究目的が多いのに対してアジアは圧倒的に民間企業への勤務が目的。従い、民間企業への勤務者はアジアがダントツ最大で、25万人を超えています。

続いて学齢期子女数、つまり小中学生の人数。

・学齢期子女の総数はH18年5.8万人、H29年で8.2万人と41%増えています。同時期で在留邦人全体が27%の増加ですから、家族連れで海外に居住する人の割合が増えた、と考えられます。安全な赴任先が増えたことや、日本人のライフスタイルの変化が背景にあるかもしれません。

そして学齢期子女が通っている学校の割合。

・この10年で、日本人学校の比率が減り(人数は増えていますが)現地校、インター校の割合が急速に増えているのが分かります。海外在住日本人子女が学ぶ環境として、英語や現地語で教育することが珍しくなくなってきていることが分かります。

以上、在留邦人統計の結果をざっと見てきました。10年単位で見ると少しずつ変化が起きていることが分かります。

総じて海外に住む日本人は増えていますが、中国や英国が減少しオーストラリアやタイが急増していること、また子女帯同が増えていることがその代表です。図らずも、タイに住み英語で教育している我が家がそのトレンドの中にいることに気づかされたのでした。

細かく見るともっと色々わかると思いますので、興味ある方は見てみてください。 → 外務省:海外在留邦人数調査統計

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