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奥山

奥山のロードレースを走るたび新種の蝶を見つけてしまう

彼は素朴な虫飼いだった。虫を育て、虫乳からチーズと乳漿を作り、上物の虫肉や子虫肉を食べ、おそらくは虫毛をつむぎ、毛織りかフリースのテントで暮らしているという。やがて彼の頭部には触角と複眼ができ、問うと虫のような声で答えた。飛べるのか?とわたしは訊く。




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