見出し画像

プラレールのリモコン化(ワンボタン×2)!!

「もぐらたたきゲーム」の記事を書いてから、なかなか次が出せなかったのですがこの装置のことも記事にしようと前から計画していたのです。それでは早速動画を見ていただきましょう。 どうぞ!!

動画の中にも書きましたが、この装置は9年くらい前に製作したものです。当時勤めていた支援学校高等部の受け持ちの生徒に「電車」が好きな生徒がおりました。小学部時代から教室に「プラレール」を走らせて眺めていたらしいのですが、手・指を上手に動かすことができず、自分で電車を走らせることはできませんでした。辛うじて大きなスイッチなら押すことができるかどうか?そんな様子でした。そんな時にこのリモコン装置をネットで見つけました。(タカラの玩具ではありませんが…)「面白いこれ!スイッチ入力でプラレールを走らせることができそうだ!」と購入し、改造を試みました。今から25年位前から支援機器(障害者に限らず、「こんなものがあれば生活が豊かになる・便利になる」そんな機器のこと)に興味があり、当時からスイッチ入力を利用し「パソコンを操作し文章を作成する」「玩具や家電を操作する」なんてことに取り組んでいました。

装置についての説明です。

内容について

内容物は以上の通り。リモコン本体内部に改造基板があり、スイッチを接続する端子が2つ取り付けてあります。

先ずは「エンジン」について

エンジンについて

このセットは単2電池と同じ大きさの「エンジン」が付属。当時エンジンだけ単体で購入することができました。(現在は単3サイズのエンジンあり、付属のバッテリーで駆動しているようです。)リモコンからの信号でこの「エンジン」の「オン」「オフ」ができます。よって、動かしたい装置の電池をこの「エンジン」に入れ替えておくと、リモコンで動作の「オン」「オフ」ができるようになります。また、「エンジン」の出力を0〜3Vで調整できるようで、プラレールなどのスピードを調整することができます。(今回のワンボタンスイッチ装置は対応していません。)また、セレクトLEDの色で4種類の「エンジン」を制御できます。

リモコン本体について

で、改造装置は大まかに言うと「PIC(ICの大きさのコンピュータ)」「SSR(ソリッドステートリレー)」の二つの部品が使われています。ボタンスイッチが押されると、その信号を「PIC」が受け取り、そこに接続されている「SSR」を動作させ、リモコン内部のレバーや押しボタンスイッチが「あたかも」押されているように見せる、非常に単純なものです。この動画での「青ボタン」は速度レバーの1段階のスイッチに対応しています。はじめの「ワンボタン」で1段階のスイッチが「オン」(電車が走り出す)、次の「ワンボタン」で1段階のスイッチが「オフ」されます。(電車が止まる)「黄ボタン」は、はじめの「ワンボタン」で、リモコン本体の「セレクトボタン」がPIC内のプログラムのタイマーで5秒毎に繰り返し押され、押される度にLEDの色が変わる仕様になっています。(赤→緑→黄→無色)また、その間 再び「黄ボタン」が押されると現在光っている色で電池がセットされます。「黄ボタンスイッチ」で「4種類のエンジン」を選択し、「青ボタンスイッチ」で選んだ「エンジン」が「オン」・「オフ」される仕組みです。

リモコン内部

改造回路

「レバースイッチの接点」「セレクトボタンスイッチの接点」「セットボタンスイッチの接点」の3種類の接点が、PICに接続されたSSRと接続されています。そこで、あたかもリモコン本体のスイッチやボタンを操作したと同じように接点が押されます。

ざっくりではありますが、以上のような仕組みで「ワンボタンプラレール」が動いています。

そこで、実は一番厄介なのは信号入力のための「スイッチ」の選択・開発です。それぞれの人の可動部位や可動域に違いがあり、既存のスイッチではなかなか対応できないのです。本人にあった都合の良いスイッチ(いろいろな種類があります。)が一番大事です。現在は視線や筋肉の微小電流、姿勢や手・足の微少な変化、また脳波を読み取って、その信号で様々な装置を操作する事もできるようですが…(この話は機会があればまた今度)

当時の生徒ですが、この装置を使って何度か「プラレール」で遊んでくれました。とびっきりの笑顔で喜んでくれました。ただ、スイッチを上手に操作できる場所を探したり、体の向きを調整したりなど、いつも上手いこと使えなかった事もありました。

このリモコン装置の後、2016年に「MagBeeee」という、電池が販売されました。これは単3型のエンジンで中に単4電池が入っています。このエンジンをスマホで制御するものです。(まだ、私はこの製品を持っていません…)また、Scratchを使って制御することができるようですが、このScratchも3.0に対応してないとか…最近ではBluetoothを使ってスマホやパソコンで制御なんてこともできるでしょう。今風のBluetoothを利用した装置作りに挑戦したいですね!(最近購入した本もリンクしときます。)

https://novars.jp/scratch  ← ScratchでMabeee を制御

今回は少し昔の装置についての話でしたが、「電子工作やプログラムを使って、いろいろなアイディアをかたちにできる楽しみ」こどもたちにも味わってほしいなあ〜



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?