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島に行くとき必要な覚悟【八丈島滞在記後編】

 トップの写真は八丈小島だが、一見海は穏やかそうに見えるのではないだろうか。これは滞在最終日、3日目の写真だが、実のところ海は結構うねっていたし、何より風が強かった。後述するがこの日の第2便は風のせいで欠航している。

 さて、話を2日目に戻そう。朝食後、散策で見たいものを見た私は、昨日教えてもらった通り、温泉に行くことにした。八丈島には町営の温泉が何か所もあるが、午前中のうちに行って帰って来られることを考えると樫立向里温泉「ふれあいの湯」のいいだろうということで、教えて頂いたプラン通りに行くことにした。
 ここでせっかく読んでくれている人にお得情報を提供するが、八丈島は島内バスの乗り放題に温泉にも入れる「バスパ」というチケットがある。乗換案内で知られる「ジョルダン」のアプリをダウンロードし、チケット購入のメニューに進むと、国内の自治体のこの手のパスがずらっと並んでいるので、その中から八丈島のバスパを選ぶと良い。バスが2日間乗り放題な上に温泉にも入れて1000円という破格の値段である。私は事情によりこの日しかバスを使うことはなかったのだが、十分元は取れた。

 八丈の街並みを眺めながらバスに揺られて目的地に到着した。もちろん温泉内は撮影NGなので、八丈島観光協会のHPをご覧いただきたい。なかなか良い風情の温泉である。お湯加減も好みだった。

 1時間少々でやってきた戻り方面のバスに乗って、底土港まで戻った。ちょうどお昼である。昼食は悩んだが、結局場所の利便性や、島の食材を使っているということから、「SEA SIDE KITCHEN WA(環)」というハンバーガー屋にした。公式ページと八丈島観光協会の紹介ページを貼っておく。

 美味しかった。ただいい食材を使っている上に島価格なので安くはない。そこをちゃんと理解して訪問してほしい。島は物価は高めである。ただでさえ店が少ない田舎はモノの値段は安くないが、島の場合輸送の問題もあるので、他の田舎よりもさらに高い。そういうところで食材と美味しさにこだわった店としての値段ということである。

 私はパティも2枚だし(6枚とかもメニューとしては設定されている)、ポテトも付けたし(いわゆるセットはない)、飲み物はレモンソーダにした。バーガーは八丈島のレモンソースとマンゴーソースがあったので迷ったが、飲み物をレモンにすることでバーガーはマンゴーにした。もう一度言うが、美味しかった。トッピングも色々選べるが、レタスとトマトはもともと入っているので、マシマシ希望でなければ追加の必要はない。

 この後歩いて宿まで戻り、今日八丈入りする他の地域の仕事仲間とすぐに合流する予定でいたが、色々あって合流は夜となった(確かに元々夜にある仕事がメインである)。そもそもこのあと雨風がとても強くなっていたので、待機でちょうどよかったようにも思う。当然パソコンは持参しているので、別の仕事を片付けたりしていた。

 夜は現地の人とバスで合流し、明日葉ラーメンを食べた後(すみません、写真が保存されていないという事故があり、店名も自信ないので載せられないです)、メインの仕事に挑んだ。その後は合流した仲間たちにレンタカーで送ってもらって宿でツイキャス配信してから寝た。

 最終日は朝10時に車で迎えに来てもらうことになっていたが、例のごとく風で目覚めているため、前日ほどではないものの余裕をもって起きることが出来た。ここで飛行機の運行状況を確認した。そもそもANAから「運行の見通し」という発表が出ている時点で、私の泊まっている宿はキャンセル料が発生しないルールになっている(他の宿は確認していないのでわからない)。帰りが遅くなればなるほど飛ばない確率は上がるので、出来るだけ繰り上げたいと思っていた。元々は9月19日第2便(昼便)で帰る予定であったが、16・17日の仕事が順調だったので、18日の午前中で仕事を終えることが出来そうな状況だった。とはいえ私が八丈入りした段階では18日の第3便(夕方便)は満席だったのでどうしたものかと思っていたところ、18日になって第3便に空席が出ているではないか。

 そこで私は超特急で行動した。宿のチェックアウトは10時なので、キャンセルするならするで、それまでにチェックアウトしなくてはならない。元々10時の約束なので身支度などは問題ないにしてもすべての荷造りということであれば話は別である。しかし元々旅先で荷物を散らかすタイプではないので、荷造りはスムーズにできた。チケットの変更はネットで簡単にできた。そのためのフレックス(定額)便である。ちなみに18日に合流した人たちは空港に行って19日の第3便から第1便に変更していた。この変更した便の判断が明暗を分けた。

 18日午前に仕事を終え、その後私が帰る時間まで余裕があるということで、現地の人の案内で島内のドライブをした。まずは「大阪トンネル」まで登っていき(八丈島でもっとも急で過酷な道のりである)、そこからの展望を楽しんだ。

大阪トンネルからの展望 左に見えるのは八丈小島 LUMIX TX2
こんな道を登ってきた。 LUMIX TX2

 今は道路が整備されているが、昔は命がけの山越えだったので、八丈島は坂上と坂下の2つの集落が地形上分断されていたようなものだったとのことであった。

 次は陣屋跡の玉石垣である。八丈島観光協会のHPから引用すると、「大里地区にある陣屋跡の玉石垣は、玉石垣の六方積みという手法で規則正しく積み上げられています。この玉石垣の坂を上った先に「ふるさと村」があり、昔の島の暮らしが偲ばれる場所になっています。」とのことである。

陣屋跡の玉石垣 LUMIX TX2
海で丸くなった石を運んで積んでいる LUMIX TX2

 なにせこちらには現地の人がいるので、解説していただいたところによると、この石を海岸から運んでくるのは大変なので、家を建てる人は沢山のお握りを用意して、石1つ持ってきてくれたらお握りを一つお礼にあげるということをしていたらしい。もうこの石をみたらこの数だけのお握りが…と思うようになってしまった。

 その後もドライブは続く。現地の人がナビしてくれるために迷わないので、移動がスムーズである。短い時間で無駄なく進んでいく。

ドラマの撮影にも使われたとか LUMIX TX2
八丈小島も見える LUMIX TX2

 八丈小島はもともと人は住んでいたものの、山があまり水を貯えることができず、雨水なども駆使しながら生活していたものの、病気が蔓延してしまって島民が引き揚げ、無人島になったと伺った。

灯台 海がうねっているのがわかるだろうか LUMIX TX2
八丈富士 一瞬雲が切れてくれた LUMIX TX2

 お昼は少し遅くなったが、皆で「酒池肉林」というすごい名前の店で頂いた。私は魚介のつけ麺を食べた。もともと魚介つけ麺は好きなので満足である。

 この後空港に行って黄八丈をはじめとしたお土産を見繕う。黄八丈は日本三大紬なので聞いたことくらいはあると思うが、ここで解説したら字数がエライことになるので、知らない人はこちらを読んでほしい。着物だけではなく本当に色々な製品がつくられている。

 行程は本当にスムーズだった。さあ、問題はこの日私が変更した第3便が飛ぶかどうかだ。なんと第2便は風のせいで欠航している。あんなに晴れてたのに。ところが空港で待っていると、第3便として使う機体は、遅れたものの羽田を飛び立ったとのこと。希望が見えてきた!

 皆に見送ってもらって保安検査場を通過するものの、飛行機が着陸するまで油断はできない。父は以前、飛行機が着陸できずに羽田に引き返したという経験をしているくらいである。

 搭乗口で皆が待っている中、羽田から飛行機がやってきて…着陸!!!搭乗口にいる乗客から拍手が沸き起こった。

 この時はスマホから入力していたが、本当は「お」の数はこんなものでは足りない。この時の私の気持ちを端的に表すとこうである。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
( ゚∀゚)o彡゜ANA!ANA!ANA!ANA!(果てしなく続く)

 実際近くで「ありがとう・・・ありがとう・・・」とつぶやいていた人もいた。握手を求めたくなるほど共感した。

 2022年9月18日ANA1896便、満席で飛び立ちました!!!

 皆さんもしかして帰りの飛行機の揺れレポート期待してたら大変申し訳ない。私はガチで爆睡してたため、着陸態勢の直前で目覚めたのであった。

 こんな形で私の八丈島滞在は終わった。島に居るということは天候で閉じ込められるということを肝に銘じなければならない。なお、19日は全便欠航した。仲間たちは20日の第1便を予約したものの、それも飛ばなかったので第2便で帰ったとのことであった。帰還予定が1日延びただけで済んだだけでも有難かったのではないだろうか。


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