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「捨てられない」あなたもご安心を!お客さまの気持ちにとことん寄り添う片づけのプロ

片づけをプロにお願いするとなったとき、真っ先に思い浮かぶのは、「こんな乱れた状態を見せていいのだろうか……」という心配ではないでしょうか。直前に取り繕いたくなって、ちょっと片づけてみたり、慌てて物を捨てたりしてしまいそう……。

そんなあなたに今回ご紹介するのは、片づけサポート2500時間以上の経験を持つライフオーガナイザー(※)、甲斐かい祐子ゆうこさんです。

子育ての不安と孤独に苛まれていたところ、片づけの魅力にハマり、育児ノイローゼを脱却した過去を持つ甲斐さん。気持ちに寄り添う片づけサポートが人気で、その腕前はお客さまから作業後に「担当していただくのは、世の中で甲斐さん以外に考えられませんでした」と言われるほど。

「丁寧で素早い」「気さくな人柄」とお客様が絶えない甲斐さんの魅力とは、いったいどんなものなのでしょうか。甲斐さんのお客さまとの接し方やこだわりについて聞きました。

※ライフオーガナイザーとは
生活の質の向上を目指し、暮らしの体質改善を行うパーソナルトレーナー。「もっと楽に、もっと生きやすく」を理念に掲げ、主に片づけ整理収納という行為を通じて、人生そのものを整えるサポートを行う。


きっかけはママ友。ライフオーガナイザーになるまで

もともと片づけは得意でも苦手でもなかった……というよりも、そもそも家のことをそんなに意識して暮らしたことがなかった……。そんな甲斐さんの転機となったのは、子育て中のママ友との出会いでした。

「夫の転勤で佐賀に引っ越して、当時5歳だった長男を毎日公園へ連れていくうちに、同じく遊びに来ていたママ友さんたちと仲良くなりました。お互いの家を行き来したり、病気のときは助け合ったり、本当に深いお付き合いをさせてもらっていたのですが、その中に片づけや収納が好きな人がいたんです。

ある日、彼女に実際にクローゼットを見てもらって相談したところ、いろいろとアドバイスをくれました。そのまま盛り上がって収納用品も一緒に買いに行ったりして、その日のうちに見違えるほどきれいになったんです。その体験自体もすごく楽しかったし、その後続く快適さがクセになってしまって。夜、布団に入ってからも『あそこはあんな風に片づけたいな』と次から次へとアイデアが浮かんで、ワクワクして眠れなくなってしまうほどでした」

片づけに魅了され、いろいろ調べる中で出会ったのは、前回の記事でもご紹介した宇高さんのブログでした。子育て中であることや、片づけを仕事にするその姿にとても惹かれた甲斐さんは、導かれるようにライフオーガナイザー資格認定講座を受講することとなり、無事に資格を取得したのです。

ひとつひとつの使い方を確認。生活スタイルをひも解き整える

甲斐さんは自身がかつて育児に悩んでいたこともあり、開業当初は子育て世帯の片づけサポートをメインに考えていたそうです。ですが今では、子どものいるご家庭のみならず、一人暮らしの方から高齢のご夫婦まで、さまざまな方からのご依頼があるそう。お家のタイプも、都会のマンションから田舎の広い一軒家まで、いろいろなのだとか。

「現在は、こんな方向けのサポートというような想定はしていないんです。どんなことでも、片づけのお悩みを一緒に解決できればうれしいと思っています。お客さまに寄り添って、『どうしたら暮らしが楽になるかな?』と想像を膨らませながらご提案・サポートしています」

そんな甲斐さんの片づけは、困りごとや家族構成などを聞く簡単な事前ヒアリングから始まります。当日実際に訪問してからのヒアリングでは、まずはお話ししながら家全体を見てまわるのだとか。ちなみに、甲斐さんのホームページにはこのように書かれています。

普段の暮らしや、物が溜まりやすい場所などを拝見したいので、事前にお片づけされなくても大丈夫です!

もし、「落ち着かない」「何か出来ることないかな?」とお感じでしたら、片づけ当日はお疲れになるので、夕食準備や、お洗濯など普段の家事をされてはいかがでしょう?

気遣いの言葉に、思わずホッとしてしまいました。ただでさえ慣れない作業をすることになると思うので、優しい言葉をかけてもらえるのはありがたいですよね。

一緒に家をまわった後は、「1人ではできそうにない場所」「いちばん困っている場所」などをあらためて確認したのち、お客さまと一緒に最初の片づけ場所を決めます。時には、いちばん散らかっていると感じている場所から開始しても、あまり効果的ではないこともあるそうで……。

「たとえば、共用スペースなどは、整えても家族にすぐに乱されてしまう可能性が高いです。それよりも、まずは家族の手が届きにくいクローゼットや収納スペースから片づけたほうが効率的だったりするんですね。そういったコツのようなものをお伝えしつつ、ご希望とすり合わせた上でサポートを開始します」

片づける場所が決まったら、まずは物を種類ごとに集めることからスタート。お客さまとひとつひとつ、使い方を確認していくのだそう。

「キッチンに食品保存容器がたくさんある場合は、必要かどうかだけではなくて『大きいものと小さいもの、どちらをよく使いますか?』『具体的にどんなものを入れますか?』などをお聞きします。ご自身の暮らしをお客さま目線でお話しいただくんです。

その上で『この大きい容器はよく使う』となれば、取り出しやすい場所に置きましょうかとご提案しますし、逆に『そういえば小さい容器はそんなに使ってないから多すぎる気もする』などの気づきにつながったりもするんです」

物を仕分けながら定位置を決めて収納し、1日5時間程度で作業は終了。提供しているサービスにもいろいろな種類があり、3日パックでは1〜2部屋、5日パックでは3〜4部屋が目安だそうです。

何よりも優先すべきは、お客さまの気持ち

子育て世帯に限らずサポートを行う甲斐さんですが、上のお子さんが高校生ということで、学齢ごとの育児の全貌が見えてきたからこそ、子どもがいる家庭へのアドバイスもいろいろとできるといいます。

数年ごとに物を見直したり、お子さんの成長を見越して少し先のことを考えておいたりすることも、楽に暮らせる秘訣だと思います。片づけサポート中には、『小学生になったらこんな物が増えるからこのスペースは空けておいても大丈夫』だとか、『数年後にはこんなことが想定されるからこの場所は気をつけておくと良いですよ』といったこともご提案します。

私自身も経験があるのですが、子育て中の方は『自分の能力が低いから散らかるんだ』と思っていることが多いんです。でも、冷静に考えれば、子どもの物が増える一方で自分の時間が減っているんですから、散らかるのは当たり前ですよね。片づけは乱れることを前提に行って、できるだけ自分を否定的に考えないでとお伝えしています」

さらに、「子どもにどんな行動をしてほしいか」をお客さまから聞き取って、無理なくそのアクションを起こせるような工夫もするのだそう。

「たとえば、『絵本をたくさん読んでほしい!』というご希望がある場合は、『リビングのおもちゃを少し減らして、絵本を並べてみましょう』というご提案をします。おもちゃは別の部屋にあったとしても遊びたかったら子ども自身で取りに行くはずなので、いつでも目に入る場所に、より大事なものを置いてみるんです。それにソファまわりにあれば、ご両親も一息入れながら気軽に手にとって読み聞かせしてあげられますしね」

これは、甲斐さんのお子さんが小さいころに実践していた方法なのだとか。経験にもとづくサポート内容が、とても心強く感じました。

子育て中に限らず、日々暮らしていると物量は膨らみがち。ですが、甲斐さんは積極的に物を「手放しましょう」という提案もしないのだそう。それは、お客さまが心から納得することが何よりも大切だと考えているから。

「もちろん、物は少ないほうが片づきやすいという側面はあります。ですがそもそも、お客さまが大事だと思っているものに対して、手放しましょうなんて言えません。これはお客さまに教えていただいたことでもあるのですが、物を大事に取っておくということは、一緒に過ごした人との思い出を大切にしているあかしでもあります。

今手放したくない気持ちが少しでもあるならそれが正解ですし、手放すタイミングは片づけをする過程で自然と見えてくるもの。私のほうから何かを無理強いすることはありませんし、そのほうがお客さまも片づけを楽しんでくださるのではないかと思うんです」

ですが、片づけのプロからすると、物をたくさん溜め込んでいる状態を見守るのはもどかしく感じたりしないのでしょうか……?

思わずそう尋ねると、甲斐さんは「まったくそんな感覚はないですね!」と笑って答えてくれました。
「『これは必要なんですね、わかりました!』と、お客さまのご希望はそのまま受け入れるタイプです。迷っておられたらアドバイスはするかもしれませんが、共感しながら進めることを大切にしています。いちばん優先すべきはお客さまの気持ちであって、私の感情ではないですから。その時その時の状況やお気持ちに合わせて、柔軟にサポートしています」

隅々まで気遣いあふれるサポート内容

甲斐さんの片づけサポートは、3日・5日パック以外にも「初回お試し片づけサービス」というものがあります。このコースを用意したのも、甲斐さんなりの考えがあるそうです。

「お客さまからしたら、初めて会う私に最初から全部任せるというのはご負担なんじゃないかなと思っていて。だから、お試しサービスで私との相性を確認した上でサポートの効果を感じたら、その先を考えていただけたらうれしいですね。そのときは、お家全体をお任せいただいてもいいですし、あと2回くらいと回数を決めていただいても大丈夫です。ひとりでやるよりも進んだな、楽しいな、と思ってもらえたらいいなと思います」

ときには、「こんなに散らかっていてすみません……」と謝られることもあるそうですが、甲斐さんとしてはそんな場所こそ片づけのやりがいと楽しさを感じるのだとか。分けて分類するだけでも劇的に使いやすくなったり、見た目が整ったりすることが喜びなのだそうです。

「何より、私自身が片づけを楽しんでいるんです。作業終わりには、『やりましたね!』ってお客さまとハイタッチしたいくらい(笑)。片づいていなくて恥ずかしい、どうしようと思っている方には、真っ先に『大丈夫ですよ』とお声がけしたいなと思っています」

実は甲斐さん、以前にも当協会のnoteにご登場いただいたことがあります。

大人気Podcast「コテンラジオ」のメインパーソナリティー、樋口 聖典きよのりさんと、株式会社オフィス樋口の代表取締役 樋口 太陽たいようさん兄弟が、ご両親が住む実家の片づけを甲斐さんに依頼したことを紹介したnoteです。

記事の中に掲載しているPodcastでは、ご兄弟と、初めはまったく乗り気ではなかったご両親が、甲斐さんとともに片づけに奮闘するリアルな様子が語られています。

片づけの進め方がイメージできるほか、甲斐さんの手腕や提案力のすごさが伝わってくるので、ぜひ聴いてみてください!(Podcastのアカウントがなくても、note上でボタンを押すだけで聴けます!)

共感力と気遣いにあふれる甲斐さんの片づけサポート。サービスエリアは、主に「大分県全域 福岡・佐賀・宮崎・愛媛の一部」だそうですが、オンラインでの片づけ相談も受け付けています。

X(旧Twitter)での発信も穏やかで癒されます。まずはぜひ、SNSやホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。

▼甲斐さんのX(旧Twitter)

甲斐かい祐子ゆうこさんのプロフィール
ライフオーガナイザー歴8年。「片づけコンサルティング attaあったattaあった」代表で、日本ライフオーガナイザー協会では九州チャプター代表も務める。
高校生と小学生の二児の母。秘書業務、労務事務、介護事務、フルタイムワーキングマザー、転勤族の妻、男児子育てと、各ライフステージでの経験も豊富。慣れない土地で始めた子育てに悩み、育児ノイローゼを経験したのち、ママ友つながりで片づけに目覚め、ライフオーガナイズに救われた過去を持つ。
型にはめ込む片づけではなく、お客さまの気持ちや希望に寄り添うサポートが好評。「紙類・書類の片づけ講座」、「防災と片づけ講座」など、講師としても活動する。

■甲斐さんのWebサイト:https://attayoatta.com/
■甲斐さんのX(旧Twitter):https://twitter.com/AttaYuko
■協会の紹介ページ:https://jalo.jp/member/kai-yuko/

取材・編集:くらしなゆうこ
取材・執筆:あやこあにぃ

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