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文字デザインの、文字デザインによる、文字デザインのための雑誌を刊行したい

文字デザインの新しい潮流を表現する雑誌を刊行したい

私は、日本では目にすることが少ない、タイプデザインを中心にした雑誌を刊行し、タイプデザインカルチャーを、広めたいと常々思っていました。タイプデザインの本場である欧米では、当たり前のように行われている文字デザインを中心にした刊行物などを製作したいと思っています。
その雑誌のディレクションやデザイン、編集などを行いたいと思っています。

なぜ、タイプデザイン主導の雑誌なのか?


私は欧米の現代的で著しいタイプデザインカルチャーに憧れて欧文タイプデザイナーになりました。そのタイプデザインカルチャーの中で、いま新しい潮流が勢いをもち、各方面に影響力を伸ばしていると感じています。
従来の、グラフィックの附属物的な立ち位置から昇華した「キーエレメントとしてのタイプデザイン(カスタムタイプフェイス、バリアブルフォントの応用など)」が盛り上がり、さらに独立系タイプファウンダリーらがユニークな取り組みや実験が注目されています。
特にタイプデザインと綿密な関係にある印刷においては、その隆盛が顕著に表れています。

新しい流れを生み出す印刷物

従来、書体見本帳というのは説明的で画一的なものがほとんどでした。しかし最近では、Swiss Typefacesの「Euclid」や「Type Life」誌のような、新進気鋭のインディー・タイプ・ファウンダリーが出版するユニークな書体見本帳が注目されています。
説明的で無機的だった書体見本帳を、非説明的で、写真やグラフィックなどを有機的に融合させたアートピースに昇華させているこれらの出版物は、新しいタイプデザインカルチャーの潮流を感じさせます。

Type Life: issue01

他方ではStudio Socioの「SOCIOTYPE」誌のように、タイプファウンダリー自らが持つ興味関心を表現するために雑誌(及びそのために開発したタイプフェイス)をデザインされています。

SOCIOTYPE magazine: issue01

このように新しい流れであるタイプデザイン主導の出版物は、長いあいだ硬派で変化に乏しかったタイプデザインカルチャーに、新しい風を吹かせるポテンシャルを持っていると強く感じています。私はこの新しい潮流を日本で表現し、タイプデザインカルチャーを盛り上げる一役を担うタイプデザインのための雑誌をデザインしたいと思っています。

刊行物の内容

特徴

新聞タイプの雑誌
アートピースとして、タイプデザインの表現力を最大限に活かす、新聞タイプの雑誌を刊行します。

2019 GT Newspaper

アップデートしてゆく専用書体
一つの専用書体をデザインし、号をを重ねるごとにその書体を改変・改良してゆきます。
{ 例:
1号- グロテスク・サンセリフ (オリジナル),
2号- ジオメトリック・サンセリフ (オリジナルを元にした),
3号- ヒューマニスト・サンセリフ (オリジナルを元にした),
4号- ディスプレイ・サンズ (オリジナルを元にした)  }

刊行期間
32ページの冊子を、年4回発行します。
4冊で、1つテーマへのまとまった冊子となるような構成になります。

コンテンツ

下記4つをメインに、紙面を構成します。

①最前線のタイプデザイナーへのインタビュー
計4回に分けて、気鋭のタイプデザイナーにインタビュー。
新時代のタイプデザインのあり方を問う。

②新潮流タイプデザイン特集
新しいグラフィックの可能性を見出す書体の紹介。

③グラフィックス
テーマに掲げている新潮流の文脈を用いたグラフィックのデザイン。
タイポグラフィだけでなく写真、アート、イラストレーションなどとの有機的な表現を、独自の解釈で試みます。

④新潮流タイプデザイン論
近代のタイプデザインの潮流が持つ特徴を、多角的な視点を元に紐解くことを試みます。
4回に分けて体系的にまとめ上げることで、様々な角度から新しい潮流を解釈をすることができます。

候補
タイプデザイン × カルチャー
タイプデザイン × インディペンデント
タイプデザイン × ブランディング
タイプデザイン × デザインプロセス
タイプデザイン × テクノロジー
タイプデザイン × サブスクリプション
など

noteクリエイターサポートプログラムに応募した理由

本製作は私一人で取り掛かるのは、能力的にも、経済的にも荷が重いと自覚しております。
なのでnoteとの綿密な連携を元に、高いクオリティで雑誌を仕上げることができる機会を得ることを期待しています。

支援希望
・出版代などのデザイン費用。
・雑誌のクオリティを担保していただける、グラフィックデザイナーの外部顧問。


おわりに

私は本誌のデザインを通じて、あまり日本に輸入されてこない欧米のタイプデザインを普及することを助け、日本のタイプデザインカルチャーを発展させることの一役を担いたいと思っております。
私はこの雑誌製作にとても前向きで、最大限のコミットをお約束することができます。


Profile

2017-2021 多摩美術大学統合デザイン学部
2021- フリーランス・タイプデザイナー

Portfolio
https://drive.google.com/file/d/1EeH41icb0VkU9CK2nRT2XnGA1f8EhP0S/view?usp=sharing


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