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帰らずの門

ヨルバの降霊の儀式にふれるならば、『エグングン』と呼ばれるダンスにも触れるべきだ。※写真は帰らずの門

(前述は軽くしてある。現在では、ベナンのウィダーという町で年一回行われる、約5000万人と言われるブードゥー教信者が一同に世界中から集合するお祭りのようです。1月10日スタート後一週間続くらしいです。)

それらは、ヨルバ族によって定期的に行われる舞踏劇である。頭からつめ先まで全てを覆い、凝った衣装で仮面者が先祖を称える。

一度この衣装になると、仮面者は蘇った先祖だとされる。

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※踊り手の回転が早くなると、中から別のデザインの布が現れる。仮面や衣装は裏返されていき、最終的には、仮面、ステップ、先祖を表す動きから戦士となる。

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エグングンの仮面は大きく、袋のように頭を包み込むもので、布が何層にも重ねられたものである。顔はネットできつく覆われるし、時には動物と人間の型が掘られた帽子をかぶる。仮面は名家か、秘密結社が守り、所有しており、それはステータスシンボルとされる。そして毎年、飾りや布が仮面に付け加えられていく。コスチュームの外側には、長く細い布切れが束になったものを頭からつける。踊りに合わせて、それははためく。ただ女性たちは、仮面が作られる、聖なる林や家に近くことすらできない。ただ、『エグングン』の始まりを知らせる太鼓がなり始めると、主に女たちが神を称える歌を歌いだすのである。

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この踊りは、死者を蘇らせるもの。地域によって様々であることを理解いてもらいたい。もし、仮面の中の人物が知りよき人であれ、それは蘇った先祖だとして扱う。ある当人は言う「随分前に死んだ私の父が、生前の姿のまま家に帰ってきたらどうだろう。どれほど私が父を愛していたとしても会うのは怖い。だから、年老いた父が布ですっぽり身を隠してやってくるのは良いことなのだ、霊が変装するのは我々を怖がらせないためなのだ」

※このように、動物の仮面劇のようなものも行われている。または戦争劇なのかもしれない。

ただ、

先祖回帰だけがこのお祭りの目的ではない。(奴隷供養だけでも無い。)

この土地で行われた程度近年の戦争禍の数年間を再現することもある。戦士役の仮面者たちが若者を連れて行く。若者は戦いを演じ、過去の戦争の大虐殺や混乱に焦点をあてて、仮面者達が暴力的に暴れ始める。人々は散り散りに逃げ始める。後半になると、仮面者たちが呪文を唱え出して村人を祝福する。

このように、あった事実や悲惨な出来事を、後世につなぐ役割も持っているのである。我々からすると、おじい、おばあの昔話と行ったところだろうか。この、オリシャを降臨させる儀式は人々がみんな参加者であるからこそ成立し、その日から変容がおこる。

この言葉と身体を通して神々、先祖と交信することはヨルバ族の伝統である。この伝統は、ナイジェリアのキリスト教会でも見受けられる。人びとがそこで祈りに没頭しているのは、19世紀にイギリス人宣教師により伝えられたプロテスタントの教えと混同した者と考えられている。

白い布を着た信者たちが、祭壇を前にして通路や席で賛美歌を歌い、踊り、聖霊を呼ぶ。霊的な修行を積んだ信者たちが取り憑かれて、話しだす。

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これは神秘敵は発声法であり普通の人には通じない暗号である。

ナイジェリアのグボンガンにあるイエス平和の泉天使教会はこう伝えている。

「神の予言者である私を通じて、数多くの素晴らしいことをなされた。不妊の女がやってきて、祈ってくれ、と言うので私たちは祈った。神はお答えになられた。私たちは病人の為にも祈った。神は病人たちを癒された。私たちの祈りが通じ、足の不自由な人が歩けるようになった。遅産の赤ちゃんが、神の力で無事産まれた。」

奇跡を起こす為の神へ祈り。その際に歌や踊りは欠かせない。

また、信じる力もすざましいのであろう。

これらが、何か偉大な力を持つのは、皆さんも理解できるであろう。

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