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富山恵理子

ダーツを始めたのは4年前、プロ試験に合格したのは一昨年の夏のことだった。当初は周りの友人がダーツをプレイしているのを見ても、あまり興味が湧かなかったという富山恵理子プロ。そんな彼女だが、昨シーズンからJAPAN LADIESに参戦し、人気のプレイヤーへと駆け上がった。
 
そして、強さと美しさをかね揃えた彼女が魅せた今シーズンの大躍進。STAGE 2、STAGE 3で二連覇を果たした強さの秘密、そしてソフトダーツとの出合いを訊いた。

偶然の出会いがダーツへの道を拓いた

ダーツとの出合いは、以前、富山プロがモデルなど芸能関係の仕事をしていた頃にさかのぼる。誘われてダーツバーへ行ったが、プレイ経験のなかった当時の富山プロの目には、仲間はみんなダーツが上手に見えた。元来の負けず嫌いな性格から“勝てない勝負はしない”と、プレイすることはなかったという。

「でも、ある日新宿のダーツバーで、ミニスカートにピンヒールでダーツをプレイしている人を見かけたんです。わたし自身、そういうかわいい格好をするのが好きだったこともあるんですけど、ピンヒールでできるスポーツってほかにない! なんてカッコイイ女性なんだろう! って、感激したんです。だけど、その人がダーツを抜いて振り向いたら、顔がおじさんだったんですよ。“うそでしょ”って叫びましたね(笑)。後々聞いたら、その界隈では有名な方だったんですけど……」

しかし、そこで彼女の負けず嫌いに火がついた。その衝撃の出会いが忘れられなかった富山プロは、すぐに行動に移す。

「おじさんの後ろ姿に惚れちゃったのが、くやしかったんですよ。だから自分が上手になって、あんな風にカッコよくダーツをプレイしたいって思ったんです。早く上達するにはダーツバーで働くことが近道だと思ったので、すぐに知り合いに紹介してもらいました」

女子はやめられない!JAPAN LADIESへのこだわり

ダーツバーで働き始めるとすぐにダーツにハマったという富山プロ。バーに訪れるお客さんとプレイすることが楽しくてたまらなかったという。

「それまでスポーツ経験が全くなかったので、勝負の世界に身を置くこと自体がすごく楽しかったんです。それにレーティングがあがったり、ハットが出たりするとみんなが褒めてくれるのも嬉しかった。薦められてプロテストを受けたのは、一昨年の夏です。合格したときには、スポンサーも決まっていて。それまでは、ひとりで練習したことがなかったんです。だけど、これからはちゃんと練習しないとやばいなって身が引き締まりました」

また、富山プロと言えば、華やかなネイルもトレードマークのひとつ。加えて、彼女はJAPAN LADIESに参戦していること自体にも、意味があると考えている。

「最初は“そんな長い爪じゃ上達しないよ”って言われましたね。でも、私にとってネイルは譲れないもののひとつで、これがあるから頑張れるし、モチベーションも上がるんです。せっかくJAPAN LADIESというカテゴリで戦っているんですから、女子が活躍することで、もっとダーツそのものを盛り上げたい。そのためにも、見た目をかわいくしたり、ダーツのセッティングにこだわったりすることは良いことだと思うんです。みんなが同じように考える必要はないと思うけど、わたしにとって大切にしたい部分ですね」

強さの秘密、そして連覇によるプレッシャー

今シーズン、JAPAN LADIESで初めての連覇を果たした富山プロ。職場が変わり、練習時間や周りに集まるプレイヤーなど、環境の変化もその要因のひとつだと語ってくれた。

「以前は、ダーツに触れている時間が長すぎたのかなって思います。たまたまお誘いがあって、またダーツバーで働くようになったことで練習にメリハリが生まれました。あと、去年の夏からハードダーツリーグに参加しているんです。最初は、練習会で大泣きしてしまうくらいテンパってしまって。でも、大会ではロビンを抜けることができて、ハードも楽しいと思えるようになりましたね。宇佐美プロに誘っていただいて本当によかったです。今でもアレンジが分からなくて、一投ごとに“次は?”って聞く状態ではあるんですけど(笑)。確実に精度はあがっていますし、身についていると感じます」

環境の変化によってメンタル面にも、いい影響があったという。最後に、今後の目標についても富山プロから訊くことができた。

「JAPAN LADIESに参戦した最初の頃は、まだ旅行気分が抜けてない部分あったんです。もちろん、今も楽しむ気持ちは大切にしています。ただ、自分だけではなく、応援してくれるいろんな人のために戦っているんだという気持ちでプレイするようになりました。ただ、優勝してからのプレッシャーは、すごく感じています。わたし、笑っちゃうくらいメンタルが弱いんですよ。すぐに胃が痛くなっちゃう。きっと、まだ自信が持ててないからですね。ダーツは勝負事なので、これから負けることもあると理解はしています。でも、二連勝したからって、もちろんそれで満足する気はありません!」


-Profile-
富山恵理子(東京都)
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