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わんこきょうだい椀事始め

岩手県の公式キャラクターに「わんこきょうだい」というのがあります。

岩手の人ならご存知だと思いますが、県外では意外と知られていないです。隣の宮城県に行った時にわんこきょうだいのイラストを見せたら、なんですかこれ、かわいいですねという反応があったり、東京でもほとんどの方が知りませんでした。

ご覧のとおり、お椀を模したキャラクターなのですが、盛岡の名物である「わんこそば」と、岩手県が日本一の産地である「漆」という2つの特産から生まれたものです。
https://iwatetabi.jp/wanko/introduction

そばっち、うにっち、おもっち、こくっち、とふっちの5人きょうだいです。お椀の中身で名付けられています。そばっちが代表格で、さらに岩手を4つの区分に分け、それぞれの特産が使われています。

もともとは岩手を代表するイラストレーターのオガサワラユウダイさんがデザインしたイラストのキャラクターから始まり、その後等身大の着ぐるみが登場し、岩手県内の様々なところで見かけるようになりました。

そのわんこきょうだいをお椀にしたらどうか、というアイデアはデビューから数年経った頃からあり、当社は国産漆を使った漆器をメインにしていたことから、方向性が違うキャラクターものになってしまうのではと危惧していたのですが、ある岩手県職員の方からプライベートで家族にプレゼントしたいのでぜひ作って欲しいと依頼があり、オーダーメイドで作ったのが始まりです。

作ってみたところ、意外とリアルにできて、かわいい。
本当は1万円以上で売らないと儲からないんですが、多くの子供達に使って欲しいなと思って一般販売を決意したのでした。大と小のサイズを用意して売り始め、もう10年経ちました。

わんこきょうだい椀を導入していただいた盛岡のわんこそばの老舗・東家さんがテレビで取り上げられて、わんこきょうだい椀を使ってわんこそばをアイドルやお笑い芸人さんが食べている様子が映ったりしておりましたが、意外とそんなにお椀自体に反響は少なく、思うように売れませんでした。
やはり高い、欲しいけど手が出ないというのが課題でしたが、それでも購入していただいたお客様には本当に感謝しています。

プラスチック製のわんこきょうだいのお椀が他社から出ていますが、やっぱり岩手の特産品である漆がきっかけで生まれたキャラクターであるからには漆にこだわらないとだめだろうと頑固に思っているのですが、商売としては成り立ちませんね…

国産漆を育て後世に継承するための活動を行っています。ご支援をよろしくお願い致します。