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映画エターナルズ ティアマット出現に影響しているサノスのスナップ(指パッチン)ネタバレ 考察 レビュー

『エターナルズ』(2021)の最終局面、セルシの進化でティアマットを氷河に変換し出現を阻止した。地球や人類存続と引き換えに、宇宙の生命の循環を脅かしたとして、セルシ、ファストス、キンゴの地球組の記憶を精査し、審判するといい、連れ去ってしまった。セナ、マッカリ、ドルイグのドーモ組はセルシを支えイカリスと応戦し、現在は他のエターナルズの連絡を待っている。スプライトは、キンゴやセルシとの共同生活の中で、恋愛して人として全うする事、老化していつか死ぬ事を選び人間になった。セレスティアルズへの忠誠心が強かったイカリスは、出現させる任務に失敗し、愛するセルシを殺すこともできず、生存意義を失い自害した。

プライムエターナルのエイジャックは、戦術リーダーのイカリスを呼び出し「地球の人々は自分たちの力で、人類を呼び戻した。この星には他にはないものがあるかもしれない。ティアマット出現を止めましょう。」と打ち明けるが、この時イカリスは、セレスティアルズの真の目的を知ることになるが、ここで「サノスのスナップで出現が遅れた。」と話している。

これまでサノスによるスナップは、故郷の人口が増加し食糧難で餓死していく仲間を目の当たりにし、「殺戮者」と言われながらも、多数の星で貧富や性別に左右されることなく、人々の半数を襲撃してきた。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)では、滅びたタイタン星でサノスを待ち受けていたドクター・ストレンジらに、おかげで豊かに暮せるようになったとサノスは話している。

故郷タイタン星の失敗を教訓に、人々を餓死から救う事がサノスの真の目的だったが、力づくで人類を半分に殺害することは、目的がどうであれ、殺戮だったと言えるし、他の道もあったかもしれない。フェーズ3までは、こうした理由でサノスのスナップに賛否両論があったが、エターナルズが公開され、「サノスのスナップで出現が遅れた。」事で、疑問が浮かんだ。

サノスがエターナルズという事はご存じだろうか。

エターナルズは惑星オリンピアが故郷で、呼び戻されることを夢見て、地球にとどまっていたが、それはアリシェムに埋め込まれた知識で、本当は、セレスティアルズに創造された、これ以上は進化することのない合成体だった。サノスもセルシらと同様にエターナルズだから、担当した惑星があって、何も知らされず生命エネルギーの増加を促したり、進化をささやかながら支援して、愛着が湧いたとしても、不思議ではない。食糧難で餓死していく愛する生命を守る為、インフィニティーストーンを集める旅に出て、スナップしたのではないか。半分を減らせば知的生命エネルギー増加のスピード遅らせることができます。

この考察が正しければ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で、塵となったサノスは、生命だから滅びたのでは?エターナルズは生命ではなく、セレスティアルズに創造された合成体だから、影響を受けないのでは?と疑問になるが、サノスが担当した星にもセルシの様な能力を持つエターナルズがいて、スプライトと同じように合成体ではなく、生命を授かったとしたら、塵になっても説明がつきます。目的を達成したら、ガーデンで老後を暮したいという願いをガモーラやネビュラに話す気持ちもごく自然な事だ。

または、サノスもリーダーに出現阻止を提案され、愛着を持ってしまった星の存続に加担した結果、アリシェムの審判により、罰として永遠の命を捨て、老化する体に造り替えられていたらどうでしょうか。「やり方に問題はあったが、餓死から人々を救ったのかもしれない。全宇宙規模の生命を守る為、インフィニティストーンに頼るざるを得なかった。」の議論の枠から、「セレスティアルズの真の目的を知らされ、種を撒かれているかもしれない星や、先住生命を守る為だった。」としたら、聞こえ方が違ってこないか。故郷だと思っていた惑星タイタンは、植え付けられた記憶で、サノスもセルシらと同じく、元は造られた合成体だったとしたら。

このように考察すると、人類をサノスの脅威から必死に守ってきたアベンジャーズも、ヒーローだったと何も疑わずに称賛するのは、少し難しくなってくるのかもしれない。

ただ本作では、ファストスが提言しているように、人類は、地球や自分たち人間の存続なのか、それとも未来の膨大な生命誕生のために、自らを犠牲するかという選択はしていないし、地球がまもなく滅亡しようとしている事を、少しも知る由はなく、フェーズ3までの自分らの意思による正義とは、全くの別物になってしまう。

どうですか。インフィニティーウォーと、エンドゲームを見返したくなってきましたよね。

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