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映画エターナルズ 3回目鑑賞で分かった事。ネタバレ 考察 レビュー

セナがマアドウィアリー(原作ではマハドワイリー)発症した回想シーン。ティヴィアンツをあと一歩で全滅させられる局面で、セナは人類の争いを目の当たりにしてマアドウィアリーを発症する。病気で凶暴化したセナの周りにはエイジャックら賢者しかおらずセナの頼りのギルガメッシュは、イカリスらとディヴィアンツ応戦していた。すぐさまマッカリが反応して、仲間から遠ざけるがセナの攻撃で重症を負う。エイジャックは、コズミックパワーでセナを抑え込もうとするが、マアドウィアリーに敵わず、セナに腹部を刺されてしまう。そこへディヴィアンツを全滅させた戦士たちが戻るが、セルシやファストスを傷付け、マッカリを殺害の一歩手前まで追い詰めた。

これ以上仲間の危機を見逃せないとして、アリシェムに報告し、記憶を抹消しましょうと提言するエイジャック。マッカリは重傷を負ったが「記憶を無くしたらセナじゃなくなっちゃう。」と真っ先に反論。仲間に重傷を負われてもなお、セナを想う気持ちから、記憶抹消に反対出来る志の強さを感じた。

また、ドーモでイカリスの裏切りにより、仲間が分裂していく中、「地球人は好きだが、イカリスが正しい。また次の星で会おう。」と帰ろうとするキンゴに、「あなたが必要。」と引き止めるマッカリがカッコ良いし、胸が熱くなった。

ティアマット出現を阻止したエターナルズに、「ティアマットのお陰で皆んな一つになれた。イカリスやスプライトも。」書きながら泣いてます自分。

マアドウィアリーで凶暴化したシーンで、何をしたのか記憶がないセナに、仲間に暴走した事を伝えるエイジャックだが、自身が腹部を刺された事を一言も話さなかった。セナが目覚めて悲しまない様に、惨劇での怪我の治療を施し、これまであまり語られてこなかった伝説とされていたマアドウィアリーを、これを機に話し合いの場を設け、セナが目覚めてから悲しまない様に取り組んだ。

ドルイグがエターナルズの活動方針に疑問を抱き、村人をマインドコントロールし去った後、エイジャックは自分と居る必要は無い、解散しようと指示する。「任務の事は忘れて人々と暮らし、再び会う日が来たら、その時は何があったか話してほしい。」解散はエターナルズにとって予期しないし悲しい事だったが、エイジャックの微笑みがまるで母親の様に見えた。

エイジャックの死に暮れていたが、スプライトが最後に会った風景を映し出していた。両手を取りゆったり歌いながら踊るシーンは紛れもなく母と子だった。スプライトを演じるリア・マクヒューは、中身は意地悪ばあさんのイメージで演じたと話しているが、この時ばかりは子供に返り、ささやかなひと時を過ごしていた。そして、「セルシを見るようにお願いされた。たぶん、私たちを一人にしないために。」とも話すスプライト。

広島原爆のシーンでは、自分の技術発展の支援により、強力な武器や戦闘機が開発され、こんな悲劇になってしまったと嘆くファストスに、何も言わずそっと寄り添うエイジャック。1945年のその時まで人類の発展は紛れもなくファストスの献身的な裏支えがあって、今日の地球がある。しかし真の目的を知るエイジャックは、約14万人もの犠牲者が出てしまい、知的生命エネルギーが減少により出現を遅らせてしまうが、一緒になって悲しんでくれるリーダーだ。

セルシはユニ・マインドでエターナルズ皆んなのパワーを集結しティアマットを氷河に換えようしていたが、ユニ・マインド集合体にティアマットの力も加わり、あと一歩のところで地球滅亡を未然に防いだ。最終的に加勢したイカリスを許すセルシだが、よく見ると光り輝いている。元々は緑を基調としたスーツで白の独特な模様だが、その白が金に輝くように変化した。またスプライトに背後から腹部に貫通する刺し傷があったわけだが、立ち上がってイカリスを見るセルシの腹の刺し傷を、一瞬の光と共に傷を治していた。

アマゾンの水中でディヴィアンツに襲われた時にセレスティアルズと交信できる金の球体との相乗効果で、生命を木に変換させる事が出来るよう進化したように見えたが、ここにきて自己治癒能力も備わったようだ。セルシは戦士ではないが、ロンドンやアマゾンの応戦、ティアマットに立ち向かう姿は、戦士として戦力になり得る存在にもなっていた。

オーストラリアで夫婦水入らずで暮らしていたセナとギルガメッシュ。そこにディヴィアンツが襲撃があったようだが、気が立っているセナはセレスティアルズらしき絵を描いている。3回目で急に思い立ったのは、なぜセレスティアルズの絵が描けるかと疑問になった。セナは交信する球体は持っていないはずだ。再集結で来訪したセルシらに変わり、セナに案内すると「ケントゥーリ6号星は滅んだ。」とマアドウィアリーの状態で話す。前の星の記憶があって、自分も滅んだとも聞くんだ、とギルガメッシュが話す。病気の影響の幻覚か何かと思っていたが、セレスティアルズを書けると言うところで、信憑性を高く感じた。

こうは考えられないだろうか。
前の記憶だとしているケントゥーリ6号星は、実在していた星で、セナは地球の前に担当していた星。ここではプライムエターナルを務めていたから、セレスティアルズと交信していたし、顔を知っている。そこでは出現を成功させ、セナはケントゥーリ6号星諸共滅んでいた。そして、スプライトが話していた通り、その頃の記憶削除に不具合が生じ、記憶が蓄積されていきマアドウィアリーを発症してしまった。

サウスダコタの自宅で死亡していたエイジャックは、プライムエターナルにセルシを選んだ。そばで寄り添ってくれたセルシを選ぶのはごく自然な事だと思っていたが、もっと選ばれる理由があった。1つは、エイジャックは、イカリスにディヴィアンツの巣に放り投げ死亡したわけだが、亡くなったその場でイカリスを選んでも良かった。戦略リーダーだしセレスティアルズに忠誠心を強く持ち、任務を全うする力がある頼れる存在だ。ただ、任務とは言え仲間を殺害する人にはリーダーを任せる事は、普通に考えて難しい。また、エイジャックは大義の為とは言え、サノスの一件で地球や人類の犠牲は余りにも大きすぎると話している為、殺害されなかったとしても、選出はしないだろう。

そこで白羽の矢がたったのはセルシ。初めて地球に来た時から人類に切れ味を良くしたナイフを手渡し、農業を手伝い、一緒に踊り、精神的に接してきた。彼女の地球や人々を愛する気持ちは、セレスティアルズの側近だったエイジャックにもしっかり伝わっていて、バビロンの頃には任務も大事だが、人生を楽しむ事もまた大切な事だと考えていた。出現の話をすれば必ず阻止してくれると信じてセルシに託すのは間違いない選択だった。セルシはこの事で悩む時期もあったが、映画の終盤ではリーダーの役目を果たすほど成長を見る事が出来た。

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