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アラフォー真夏の大冒険⑤ベトナムへ

2023.7.13 ハノイ

ハノイのホテルの条件はベランダとルーフトップバーがあること。間違いない選択だった。蒸し暑く、クラクションの鳴り止まないハノイの夜を見下ろしながら、私はモヒートを飲んでいる。


半年前、一年前に、こんな光景を想像しただろうか。 行きたくても行けない理由を見つけては、ベトナムが舞台の 本を読んで自分を満足させていた。

でも今は違う。私はハノイにいる。

自分を自分で満足させている。本の力は借りてない。 信頼できる人たちの力は借りたけどね。

少し離れた席では、ロングバケーション中であろう初老の白人夫婦が肩を組み、夜の光を眺めている。西洋人の、年老いても愛を語らうことができるその姿は、日本人に生まれた私にとってはとても羨ましく思う。日本だと、こんな光景はなかなかない。今ここにある幸せを噛み締めることができず、人の目ばかり気にして、遠くの憧ればかり追いかけている。もれなく私もその日本人なのだが、日本から一歩出ると、こうした光景を何の違和感もなく目にすることができ、そして心が洗われる。愛する人と肩を組み、夜を眺める。素晴らしいことじゃないか。

そんなことを思いながらモヒートで心地よくなっていると、「君が飲んでいるのはジントニックかい?」と男性に話し掛けられた。「モヒートです」と答えると、「いいね。良い選択だ」と微笑んでくれた。

いいね、と言ってもらえただけで、救われた気がした。 君の選択は間違ってないよ、と誰かに言ってほしかったんだと思った。

今夜がハノイ最終日。明日は飛行機とタクシーでホイアンへ向かう。

4日間お世話になったホテルのルーフトップバーにて。

ホアンキエム湖が望めるコンパクトなルーフトップバーだった。日本のアニメが好きだというバーテンダーの女の子とお喋りを楽しんだ。

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