もう0時を回ってしまったけど、今日はNYはハロウィンだった。私はNYの年中行事ではある意味この日が一番好きだ。なぜなら、多くの大人たちが本気でバカをやることが良しとされるからだ。そして、その解放的なバイブを感じるのがものすごく楽しいと毎年思う。

大人も子供も関係なく、みんなが本気でバカなことをして楽しんでもいい日、それがNYのハロウインだと私は思っている。だから、仮装をしている人たちは、下は赤ちゃんやペット、そして、10歳以下の子供たち。上は場合によっては70代ぐらいの人までいたりする。その意味では最近始まった若者の間で異様に盛り上がっていると言う日本のハロウインとは少しニュアンスが違うのではないかと想像する。

聞くところによると、近年渋谷を中心に盛り上がっているらしい日本のハロウインは、若者たちが何をやってもいい日、つまり人にどれだけ迷惑をかけようが関係なく、みんなで無茶振りをして遊んでもいい日というような感覚を感じなくもない。そして、どこかしら若者限定みたいな雰囲気は、いかにも日本だと思う。

クリスマスもそうだけど、日本はアメリカ文化の影響が濃い国のせいか、欧米のイベントを取り入れるのが大好きだけれども、コンセプトまではちゃんとは取り入れていない。欧米文化を雰囲気だけうまく取り入れる。その意味では欧米のイベントも本質とは関係なく、マーケテイングの材料として使ってみんなの間に流行らせるのが得意な国民だ。だから、ハロウインも当然若者と子供たちだけのイベントになるのだろう。

前にも書いたけど、クリスマスの場合も、キリスト教の国の人たちのように、教会のミサに行き、その後は家族で過ごすというような神聖な日とは違い、日本ではパートナーと過ごすのがスタンダードだったり、そうでなければ、仲間内で飲み会みたいな、つまり、キリスト教の人たちからは？な感じの日になってしまっていることはこの記事の中でも書いている。

ハロウインパレードは、去年はコロナのために観客も限られ、半分ヴァーチャルのような形で行われた。だから、みんなもコロナ以降は何となく調子を取り戻しきれなかったのもあるせいか、今年は例年に比べて本気度の高いコスチュームの人の数がやはり少し少な目ではあったけれども、2年ぶりに参加できて喜んでいる人たちの数は決して少なくはないだろう。

とはいえ、パレードを見るのも、パレードに参加するのもワクチン証明が必要だ。。だから、接種しない人たちには参加の権利もなければ、観客としての権利もない。

それを考えると一気に気が重くなってしまうのだけど、とりあえずパレード後にダウンタウンの中心、ユニオンスクエアに流れてくるであろうコスチュームの人たちを見るために、撮影も兼ねて、今年もユニオンスクエアに様子を見に行ってみることにした。

NYのハロウインパレードは、仮装したみんなが6th Avenueというウエスト側のダウンタウンの大通りを、チャイナタウンからウエストヴィレッジと呼ばれるゲイの人たちも多く住む人気エリアに向かって北上する。

その距離はそれほど長くはないけれど、やはりハロウインパレードは本気度が高い人たちも多いので、盛り上がりはいつも半端ではない。これはアメリカのほかの都市でも恐らく同じだと思う。

そして、子供たちも可愛らしい仮装に身を包み、トリック・オア・トリートでお菓子を求めて近所の家々を回る光景は、住宅街では夕方以降はそこここで見られたりもする。

パレード後に多くの人たちが、地下鉄のハブ駅にもなっているユニオンスクエアに流れてくるので、公園と広場が伴設されているユニオンスクエア駅では、ハロウインの夜は、仮装した多くの人々の間で、様々な音楽なども演奏されたりして、とても楽しい雰囲気になる。

2019年の時は、かなり本格的な地元のDJがいて、私も馴染みの曲がいっぱいかかっていて、踊り狂っている人たちの側で音楽に身を委ねて体を揺らしているだけでも本当にハイパーな気分になれた。

今年はDJはいなかったけど、メキシコ系の音楽に乗せて親子でエレクトリックミュージックを演奏しているような人たち、ゴス系のメタルを演奏しているバンド、そしてヒップホップを流している黒人の人たちなどなど。

とにかく色々なところからいろんな音楽が聞こえてきて、それだけでも音楽好きな私にはとてつもなく楽しい。

でも、その楽しい時間がすべて多くの人々のワクチン接種によって作られていることについて考えると、ものすごく複雑な気持ちになるのは事実だ。

だから、これからも何があってもみんなが元気で、こんな風に楽しい時間を過ごせるハロウインがずっと変わらずにこの街で永遠に続いて行ってくれたらいいなと本当に心から願うしかない。

なんだか落ちのない文章になってしまったけど、今日ユニオンスクエアにいたゴスオルタナ系のメタルバンドが演奏していたBeatlesのHelter Scelter(ヘルタースケルター）のカバー演奏がむちゃくちゃカッコよかったので、今日は原曲を紹介します。では、Happy Halloween!