JASTJみんなの広場『学術と社会の関わりを考える』

「科学と社会」「学問の自由」「学術と政治」といったことついてみんなで考える広場です。時…

JASTJみんなの広場『学術と社会の関わりを考える』

「科学と社会」「学問の自由」「学術と政治」といったことついてみんなで考える広場です。時事的に大きなテーマが発生した際に、関連する情報を発信するとともに、日本科学技術ジャーナリスト会議(https://jastj.jp)の会員の意見を掲載します。

マガジン

最近の記事

【学術会議_法改正問題】学術会議改革で開かれた議論を

2023年4月21日 日本科学技術ジャーナリスト会議 事務局長 滝順一  政府は日本学術会議法改正案の今国会提出を見送った。改正案の提出をいったん思い止まるよう求めた学術会議の勧告を受けた格好だ。後藤茂之・経済再生相が言うように「学術界と政府との決定的な決裂を招くおそれ」があった。話し合う時間ができた。両者が「開かれた協議」のテーブルにつくことを期待したい。  勧告は政府に対し「改正案の今国会への提出をいったん思いとどまり、日本学術会議のあり方を含め、さらに日本の学術体制

    • 【学術会議_法改正問題】政府との対話を望む学術会議

      2023年4月19日 日本科学技術ジャーナリスト会議 事務局長 滝順一  日本学術会議は4月17、18日に総会を開き政府への勧告を決議した。日本学術会議法改正案の今国会への提出を「いったん思い止まり、日本学術会議のあり方を含め、さらに日本の学術体制全般にわたる包括的・抜本的な見直しを行うための開かれた協議の場を設けるべき」と政府に対応を求めた。合わせて改正法についての学術会議の考え方を説明する国民向けのメッセージを「声明」の形で公表した。  総会での勧告決議は2005年以

      • 【日本学術会議_法改正問題】 日本学術会議をめぐる動き

        2023年4月5日  2020年に当時の菅総理が学術会議会員の候補者のうち、6人を任命を理由を明らかにしないまま任命しなかったことで大きな話題になった「任命拒否」から2年あまり。  学術会議は今も6人の任命を求めていますが、政府はすでに「手続き終了」として学術会議の「改革」に論点を移しています。その後の経緯について簡単にまとめます。  改革案については、2020年12月に自民党PTが改革案を示したほか、2021年4月には学術会議自らも改革案を明らかにしました。    自

        • 【日本学術会議_法改正問題】内閣府担当官が会議側に法改正の検討状況を説明

          2023年4月5日 日本科学技術ジャーナリスト会議 事務局長    滝順一 日本学術会議の幹事会が4月5日午前にオンライン開催され、政府が国会提出を目指している学術会議改革法案の検討状況について内閣府の担当官が説明した。梶田隆章会長ら学術会議幹部からはアカデミアとの対話なき法改正に重ねて懸念が示され、4月17、18日の臨時総会で具体的な法文案を示すよう求めた。 内閣府の担当官が改革法案に関し学術会議で説明するのは昨年12月以来、これで4回目。「会員選考への介入で学術

        【学術会議_法改正問題】学術会議改革で開かれた議論を

        マガジン

        • 日本学術会議_法改正問題
          4本
        • 日本学術会議 任命拒否問題
          33本
        • 会員からの意見
          12本
        • ウクライナ侵攻の衝撃
          6本

        記事

          【ウクライナ侵攻】意見表明 脳が”世界”を作る

                                   2022.6.17 室山哲也    人間の脳は不思議だ。  この図を見てほしい。  真ん中に白い三角形が見える。だが、よく見ると、その三角形は、存在してはいない。存在しているのは、黒い部分のみ。  口を開けた黒い円と、折れ曲がった線だけだ。存在していない白い三角形が、なぜ見えるのだろうか?人間の脳は、とても主観的で、断片的な情報を組み合わせてイメージを、勝手に作り出すのだと説明されている。この「ないものが見える」能力は、人

          【ウクライナ侵攻】意見表明 脳が”世界”を作る

          【ウクライナ侵攻】意見表明 日本のエネルギーの自立について

                                    2022.4.28 室山哲也  ウクライナ戦争の各国の駆け引きを見ていると、安全保障の要素として、エネルギーがどれほど重要かがよくわかる。豊かな天然ガスを持つロシアに対して制裁をかけようにも、「ガスを止めるぞ」と言われれば、動きが取れなくなる。安定した安全保障の構造を作るには、多様な調達先を確保するばかりでなく、自前の国産エネルギーをどう育成するかが重要なカギになるのかもしれない。 日本は資源が乏しく、エネルギーも世界に

          【ウクライナ侵攻】意見表明 日本のエネルギーの自立について

          【ウクライナ侵攻】意見表明 明日は我が身か、いつか来た道か

          明日は我が身か、いつか来た道か                        2022.3.21 三輪佳子  2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、もうすぐ1ヶ月になろうとしています。  私は日本の一市民であり、2匹の猫たちの「猫のおかあさん」であり、障害者です。破壊される街や避難を強いられる人々の映像や報道に接していると、どうしても「明日は我が身」という感情が沸き上がります。人災であれ天災であれ、個人や地域社会を超えた大きな力の前に、人間はあまりにも無力で

          【ウクライナ侵攻】意見表明 明日は我が身か、いつか来た道か

          【ウクライナ侵攻】意見表明 ウクライナの人々を思う

          ウクライナの人々を想う                        2022.3.20 室山哲也 信じられない残酷な光景でした。 ロシアの軍隊が、ウクライナの広大な国土を取り囲み、侵入し、残酷な火器で次々に街を破壊し、子供を含む多くの市民を死傷させ、核兵器をちらつかせながら、次第に狂暴化していく姿・・。まるで19世紀の戦争です。しかもその戦争は、ミサイルやドローンなど、テクノロジーを駆使した近代兵器で装飾されており、さらにおぞましい印象を与えます。 核兵器の他、生物化学兵

          【ウクライナ侵攻】意見表明 ウクライナの人々を思う

          【ウクライナ侵攻】 世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)による声明

          JASTJも加盟組織の一員である世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)が今回のロシアによるウクライナ侵攻に関して声明を発表しました。 https://wfsj.org/news/wfsj-statement-on-the-conflict-in-ukraine/ 以下に日本語訳をお示しします。 ウクライナ紛争に対するWFSJ声明文(日本語訳)  世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)は、ウクライナ紛争が科学と科学ジャーナリスト、サイエンス・ライターに与える影響について深く

          【ウクライナ侵攻】 世界科学ジャーナリスト連盟(WFSJ)による声明

          【ウクライナ侵攻】 ノーベル賞受賞者による公開書簡

          2000年にノーベル化学賞を受賞され、JASTJ会員でもある白川英樹先生から、ノーベル賞受賞者が緊急で署名した書簡が3月2日に公開されたとのお知らせをいただきましたので、全文掲載いたします。 ==== An open letter from Nobel laureates The undersigned Nobel laureates voice our support for the Ukrainian people and the free and independe

          【ウクライナ侵攻】 ノーベル賞受賞者による公開書簡

          【日本学術会議 任命拒否問題】 CSTIによる「日本学術会議の在り方に関する政策討議取りまとめ」

          https://www8.cao.go.jp/cstp/220121_torimatome.pdf

          【日本学術会議 任命拒否問題】 CSTIによる「日本学術会議の在り方に関する政策討議取りまとめ」

          【日本学術会議 任命拒否問題】 外部評価委員会による評価(令和元年10月~令和2年9月)

          外部評価委員会による日本学術会議第24期3年目 (令和元年10月~令和2年9月) の活動状況に関する評価を掲載しておきます。 https://www.scj.go.jp/ja/scj/nenji_hyoka/hyoka2021.pdf

          【日本学術会議 任命拒否問題】 外部評価委員会による評価(令和元年10月~令和2年9月)

          【日本学術会議 任命拒否問題】 学術会議による中間報告

           日本学術会議の梶田隆章会長は12月16日、会議の改革の方向性をまとめた中間報告を井上科学技術担当相に手渡した。  中間報告では、短期的な政策課題だけでなく中長期的課題について、科学に裏づけられた政策が必要不可欠になっている中、これまでの日本学術会議の科学的助言の一部に、中長期視点と俯瞰的視野を欠き、学術分野横断的な審議が十分でないものがあったことは否定できないとし、科学的助言の機能強化のために、調査室の設置や学術専門員の増員などスタッフ機能の充実が不可欠とした。  情報発信

          【日本学術会議 任命拒否問題】 学術会議による中間報告

          【日本学術会議 任命拒否問題】 自民党作業チームによる提言

           日本学術会議のあり方を検討してきた自民党内の作業チームが12月11日、政府から独立した法人格をもつ組織への変更などを求める提言を井上科学技術担当相に提出した。  日本を代表するアカデミーであることを国家が認証する何らかの施策を検討することや、ガバナンスの強化と組織の透明化を図るため、第三者機関(評価委員会、指名委員会)の設置が必須であるとした。  組織形態としては独立行政法人、特殊法人、公益法人等が考えられるとした。  資金に関しては、独立後も当面の間は政府による運営費の拠

          【日本学術会議 任命拒否問題】 自民党作業チームによる提言

          【日本学術会議 任命拒否問題】 Q. 日本学術会議はこれまでどのような「提言」を出しているのですか?

          Q. 日本学術会議はこれまでどのような「提言」を出しているのですか? A. 提言の内容は、先端研究や高等教育など学術につながりの強いものも見られますが、私たちの生活に身近なものも数多くあります。  子どもや妊婦への受動喫煙対策、サマータイム導入の問題点、自動運転がもたらす未来社会のモビリティのあり方、二度と津波犠牲者を出さないまちづくり、子どもを元気にするための運動、出生前・子どものときからの生活習慣病対策など、国の政策にかかわる幅広い内容が提言されています。 教育のデジ

          【日本学術会議 任命拒否問題】 Q. 日本学術会議はこれまでどのような「提言」を出しているのですか?

          【日本学術会議 任命拒否問題】 Q. 日本学術会議はこれまでどのような意見を表明しているのですか?

          Q. 日本学術会議はこれまでどのような意見を表明しているのですか? A. 同会議が2017年に出した軍事的な安全保障の技術研究に慎重な対応を求める「声明」が有名になりましたが、そのほかにも日本学術会議はさまざまな意見を表明しています。  学術会議が意見を表明する方法には「答申」「回答」「勧告」「要望」「声明」「提言」「報告」「会長談話」「共同声明」「幹事会声明」という10種類があります。  このうち、もっとも頻繁に発表されているのが「提言」で、ホームページで確認できる20

          【日本学術会議 任命拒否問題】 Q. 日本学術会議はこれまでどのような意見を表明しているのですか?