条約をどう運用するかは100%国内問題、ということについて

こんな集会が行われていたことを、今朝、2つの記事👇で知った。

<新コロナ真理教の人々[号外②]> 【パンデミック条約反対デモ】 | ゴー宣DOJO (gosen-dojo.com)

226、パンデミック条約反対デモに対するモヤモヤ感の正体とは?|天乃川シン (note.com)

この問題に関しては、全くこのお二方の仰る通りなのだ。
叫ぶべき内容も方向も、完全に間違っている。
ましてや、WHO離脱とか、どう考えても無謀なことを声高に喧伝している人間を見ると、脱力してしまう。
この条約によってワクチン強制が生まれると考えるのならば、声高に問うべきは、
「我が国におけるコロナ対策禍を総括せよ」「我が国の憲法にある公共の福祉の定義を明確にせよ」の2点なのだ。

これに関しては、国際条約と国内法の関係を知る必要がある。
別件👇で書いた内容を、改めて記載しておく。
思考のメンテナンス②-2|輝くような黄色 (note.com)
これについては以下の本を参照した。
国際法第2版 | 有斐閣 (yuhikaku.co.jp)

まず、どのような形で国際条約が国内法の中に入ってくるのか。
少なくとも裁判の場においては、
そのまま適用することができる「自動執行条約」と、
国内法における特定の立法措置がなければ適用できない「非自動執行条約」と、に分けて考えられてる。
後者は、例えば、ある犯罪防止条約を適用させるには、国内法で具体的な犯罪行為とその罰則を定める必要がある、ということだ。
そこで、最高裁判所が「他者からの、個人の身体への、強制的な侵襲行為」についてどう考えているか、参考になるのが楊井氏のニュースレターで示されていた判例である。

先日、最高裁で性同一性障害の性別変更の手術要件(2つあるうちの1つ)について違憲判断が下されましたが、その中で、公衆衛生の名のもとでの人権制約の限界を認識する上でも重要な判断が示されました。

「憲法13条は、『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』と規定しているところ、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由(以下、単に「身体への侵襲を受けない自由」という。)が、人格的生存に関わる重要な権利として、同条によって保障されていることは明らかである。」
最高裁大法廷2023年10月25日決定

つまり、憲法13条においては、「公共の福祉に反しない限り」他者が個人の意思に反して身体の侵襲を与えることはできない。つまり現憲法下においては、ワクチン接種を強制することは「公共の福祉に反しない限り」できない。
この点で、パンデミック条約は「非自動執行条約」と考えられる。

次に、入ってきた国際条約が国内秩序においてどのような序列のもとに置かれるのか、については、
わが国の原則としては 憲法>条約>法律 を採用している。
つまり、憲法13条>パンデミック条約、なのだ。

そもそも、人権の制限がどこまで許容されるかは、各国の憲法のもとで、各国の議会、裁判所等で判断されることです。

上記ニュースレターより

つまり・・・・
WHO云々ではないのだ。条約をどう運用するかは、100%国内問題なのだ。
そのためには、今回のコロナ対策禍を総括し、これらの対策が「公共の福祉」なるものに適合するものであったのかを検討しなければならない。
いや、それ以前に「公共の福祉」という、字面だけ立派だが中身のよくわからない、その場その場でいかようにも恣意的に解釈可能な言葉を、憲法内に放置しておくべきではないにではないか?
「公共の福祉」とは何なのか?①曖昧な言葉が引き起こした悲劇|輝くような黄色 (note.com)
世論に喚起すべきは、これらの議論のはずだ。

それにしても・・・WHOが国家主権を剥奪できると考えるなど、ナンセンスも甚だしい。
そもそも現在のWHOに国家主権を剥奪できるほどの強大な力があるのなら、イスラエルはとっくにパレスチナから手を引かされているはずではないか。WHOがイスラエルに何度も警告を与えているのは、衆知のことだ。
でも、イスラエルは👇のようなことを平気で言っている。
イスラエル、WHOを非難 ハマスと「共謀」 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
イスラエルを見習う必要はないけど、WHOを含めた国際機関が実はこの程度の存在に過ぎない、ことは理解しておくべきだと思う。
(・・・・あ、そうか、彼らにとっては、パレスチナ侵攻はディープステートの思惑だから、世界を牛耳るキリスト教国家orユダヤ人の思惑だから例外、なのかもしれないな・・・)

とはいえ、国際法が重要であることは言うまでもない。
現在、国際法をあからさまに無視している大国はどこか?
我が国の西方や北方に位置する国々ばかりではないか。
彼我の間は地続きではないとはいえ、あるのは狭い日本海だけだ。
国際法が尊重されない世界となれば、近い将来、我が国は消滅するだろう。

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