全ての意見が一致することなど、ありえないけれど・・・・

病児保育や無料産院、こども宅食、医療ケア児の家庭に対する支援など、社会の見えにくい部分に手を差し伸べる活動をされているNPO法人フローレンス
ロビー活動も含めて、社会にとって必要不可欠な存在だと思っている。
だから、実は私は毎月寄付をしている。
活動方針には概ね同意している、ただ一点を除いて・・・

その一点とは、「HPVワクチン推進」である。
つい先日も👇このようなことをやっていた。
まあ、要するにみんパピ!に協力しているわけだ。

この問題に関しては、空之まめさんが詳細かつ分かりやすく取り上げておられるが、

私が推進派に言いたいのは「HANSの存在を無視できる根拠は?」という一点に尽きる。
HANSは「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群」のことだ。

私がどうのこうの言ってもあれなので、鹿児島大の高島先生による文章から抜粋させていただく。
2017年の文章だが、今も状況は変わっていない。
Letter to the Editor: Reply 神経治療 2017; 34 (4):472-473より。阪大の産婦人科学教室からのLetter to the Editorに答える形で書かれたものだ。
至極まっとうなご意見だと思う。

「再開に際して、真の意味で医療体制を整えること、少女たちの病態を解明して、どのような人に起こりやすいのか、またそれぞれにあった治療法を開発することが重要で、その上で今後のワクチン再開を考えるべきかと思います。」
「この案件での大きな問題は、免疫性機序の関与の可能性が否定できない状況下で、心因性機序を大きく取り上げて、それを中心に議論や対策がなされたことであり、そのことで多くの患者の治療が遅れたことは大変不幸なことであったと思います。」

ちなみに、阪大の産婦人科学教室の文章から一部抜粋。

持って回ったような言い回しだが、要するに「因果関係を否定はできないことは承知の上」、ということだ。
ちなみに祖父江班の調査、とは推進派が度々根拠とする「名古屋スタディ」のことだ。なお、これに関しても、空之まめさんがまとめられている
そのうえで、以下のように言い放つ。

HPVワクチンのおかげで「多様な症状」が注目されてよかったね、と・・・
こんなことをさらっと言える医療者が推奨しているものを、信用できるのかね???、と思うのだが・・・

正直、この話題が出る度に、フローレンスへの寄付を中止しようと思ってしまう。
でもその都度、それ以外の活動は今の社会にとって不可欠のものだからなぁ・・・と考え直して、結局寄付は継続している。
まあ、他者と全ての意見が一致することなどありえないのだから、「仕方ない」と思うことにしている。
最も、いつまで「仕方ない」と思い続けられるかは、わからない。
思えなくなるのは、時間の問題かもしれない。

最後に、手前味噌で恐縮だが、私が以前書いた文章を再掲しておく。

思えば予防医学が喧伝され、人生120年とかいう珍説が世の中に広まり始めたあたりからかなり怪しかった。進歩主義と健康信奉と長寿礼賛と生命至上主義が高まることで、過剰な公衆衛生的介入が生み出されてきた。ワクチンによるすべてのリスクの排除という発想が市民権を得てしまったように感じる。ワクチンは圧倒的多数である「医薬に縁のない人々」を医薬の対象にすることができる打出の小槌だ。医療化、薬物化の究極の姿だろう。
 
 これからパンドラの箱が次々と開封されるのだろう。可視化されていくリスクに対し、世の中はどのように付き合っていくのだろう。今のままだと馬鹿の一つ覚えのようにリスクに過剰反応し続け、反応することこそ知的な姿だとする、臆病で自信過剰で愚かな群衆の姿しか思い描くことができない。
 
 医療産業を経済成長の重点施策として選択した先進国、生き残りを図るメガファーマ、成長を目指すベンチャー、研究を続けたい研究者、存在感をアピールしたい医療者。そして健康と長寿を求める人々、人々の欲求を満たす情報だけを報じるメディア。別にだれの思惑でもない。ただ、そういう流れがあるだけだ。でも、この流れはあまりにも大きい。

(補)
上で紹介した空之まめさんの投稿で紹介されている隈本邦彦氏の論文は、一読に値する。
特に、8章9章10章に関しては、もっと知られるべきだ。

付言すると、鈴木氏が投稿した Papillomavirus Research 誌は、疫学の専門誌として定評のある学術誌ではなく、2015 年 12 月に創刊されたばかりで、掲載当時の編集長は HPV ワクチンの治験メンバーで HPV ワクチンメーカーと利益相反のある Xavier Bosch 氏という雑誌であった。他の編集委員もワクチンメーカーと利益相反のある人が多い雑誌だ。 そしてこの雑誌に載った論文が、ワクチン推進派によって「HPV ワクチンの安全性は査読つきの論文で 証明されている」という宣伝に使われているのである。

これ、どこかで聞いたような話だ。

名古屋市調査のほんとうの意味は、実は自由記載欄にあった。 質問した24の症状にうまく当てはまらない多様な症状がある場合に「その他」として自由記載する欄があっ たのだ。これもすべてが公開されている。
そこを読んでみると、この調査の本来の目的である「被害の実態」が明らかになってくる。
(中略)
この自由記載欄に回答している人の数も、非接種者の 85 件に対して、接種者は 415 件と、圧倒的に接 種者の方が多かった。

自由記載欄に書かれていた内容をふくめ、調査結果は全て公開されている。

質問2 身体の症状に関する質問 その他の症状について
接種群と未接種群の記載を比べると、数字には表せない「深刻度」と「熱量」の差を感じずにはいられない。
それはその次の質問の自由記載欄でも同じだった。
質問3 学校生活、クラブ活動、就職などに影響があったことについて

この差はエビデンス馬鹿には分からないのかもしれない。
いや、おそらく、彼らは自由記載欄など読んでないのだろう。数字しか見ていないのだろう。ある種の思考停止状態、なのだろう。

あと、👇の本、途中までしか読んでなかった。きちんと読まねば、と改めて思った。




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