成田という街に惹かれて

#自己紹介

皆さん、成田という街にどのような印象を抱いているだろうか。

「空港がある」

という情報だけをぼんやりと頭に思い浮かべた人がほとんではないだろうか
確かに成田は世界の玄関を謳う新東京国際空港が鎮座する田舎町である。

でも、その影響で街が外国人観光客を至る所で見かける国際都市となっていることや、それに応える観光資源が数多くあることをどれほどの人が知っているだろう。

やれ、人口が何万人でとか、訪日外国人が年間何人いて、なんて小難しい話はしたくない。
ありのままの、成田に住んでいる一個人が街に対して感じていること、思っていること、考えていること、気づいたことを徒然なるままにだらだらと書いていこうと思う。

まず、成田という街だが、発展の始まりは成田山新勝寺である。
歌舞伎界では今、市川家の勸玄君が、父の急病による休演を補い、一人で立派に舞台にたったことが話題になっているが、勸玄君の直系の祖父にあたる市川團十郎のさらにその先の先祖、初代市川團十郎が成田山新勝寺で子宝祈願を行ったところ、見事に長男を授かったという逸話がある。
江戸時代の人々はスーパースターの子宝に大いに湧きたち、「てやんでい!俺っちも成田山に参って母ちゃんとの間に赤ん坊を授けてもらおうじゃあねかってんでい!」となったかはどうかは知ったこっちゃないが、兎にも角にも成田山は有名になった。

その後、参拝客のために道は整えられ、宿泊施設が立ち並び、酒処が増えていった。街の発展は成田山新勝寺とともにあったことは間違いない。
今でも成田山新勝寺に続く表参道には代々続く鰻屋や和菓子屋が軒を構えている。しかし、一方で時代の変化に応じて新しい軒並みが広がっていることも事実だ。話題のタピオカミルクティーをはじめ、小洒落たワインバーなんかが、昭和を色濃く残す赤提灯の横に共存している。

赤提灯の照らす大衆居酒屋で赤星(サッポロラガービール)なんぞ手酌で喉に流し込んでいると、流暢な日本語で「オネッサーン!ガツ刺し!カラシツケテネ!」なんて渋い注文が訪日外国人の口から聞こえることが珍しくない。彼らは観光で来ている外国人ではなく、空港で働く外国人だ。
「お銚子モウイッポンネ!」なんていっているのはおそらくグランドスタッフで、「初恋ハイボールオカワリ!」と顔を赤らめているのはパイロットだろう。もちろん働く場所は空港だけでなく多岐にわたるが、ここ成田には働く外国人が数多くいる。東南アジアや中東系の外国人は常にグループで行動し、平成のヤンキーよろしくコンビニの前でたむろしストロングゼロを呷っていると、日本人がその横を通り過ぎながらレモンサワーを片手にふらふらと帰路につく。
成田の街はいわゆる多国籍のサラダボールのようなもので、それぞれの野菜が完全に混じり合うことはないが、うまいこと共存し、いい味を出している。

成田の街は一言でいうとカオスである。

新旧、良きものが共存し、人種や国籍も多様化した成田を一言で表すと、カオスという言葉が一番しっくりくる。正確には、カオスという言葉が持つ、無秩序という意味を限りなく透明にちかいグレーにした、混沌の意味を強く押し出すカオスである。駅の中心部から少しでも離れると田畑が広がり、家の網戸にクワガタが遊びに来るほどの、典型的な郊外都市でありながら、観光地としての需要を備えているので、様々なお店が入れ替わり立ち替わりで建っていく。現在、郊外のモールは名古屋みなとの某モールが代表としてあげられるように、寂れていく一方であるが、成田のモールは血液の循環が激しく、人気店が平日でも地元の家族づれや観光客が大いに賑わいを見せている。今や爆買いという言葉は少しづつなりを潜めつつあるが、ここにおいては関係ないのか、中国人観光客がダンボールを山ほど抱えて歩いている。

成田の街が見せる夜の表情も面白い。赤提灯のお店でおじさま方がもつ焼きを片手に飲んでる隣の小洒落たワインバーで大人のお姉様方がグラスを傾けているのは前述した通りだが、色々な国から人が来ている分、色々な国の料理が楽しめるのも成田の特徴であり、そこにはそこの国のコミュニティが形成されているのも成田の特徴である。
例えば、タイ料理のお店にはタイ人と思わしきグループが店員とと談笑していて、ベトナム料理店の軒先ではベトナム人であろうグループがビール瓶を傾けている。イタリアンバールではイタリア人に違いない人たちがグラッパを嘗めている。そこに飛び込むのは勇気がいるが、飛び込めば楽しいの間違いなさそうだ。また、国籍関係なく一緒くたに騒いで踊れるクラブ付きのアイリッシュパブなんてのもある。

兎にも角にもカオスな街が成田である。
でも人情に溢れていて、とても素敵な街なのは間違いない。
俺はこんな成田の街が大好きで、大好きで、今はまだ片思いだが、いつか両思いになれればいいと思って色々と行動を起こしている。
このnoteがきっかけで誰かが成田に来てくれたらいい。その時は是非成田の街に溺れてください。

以上、街の紹介になってしまったが、この街を愛する男という一言で十分であろう。

以上、自己紹介終わり!

#自己紹介 #おくに自慢 #成田 #地方都市 #おらがまち






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