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ジロリンタン備忘録210825

 8月25日はおれの創造したニューヨークの私立探偵ジョー・ヴェニスの誕生日だ。1994年刊のヴェニスもの作品集『ヴェニスを見て死ね』(早川書房)の「プロローグ」に書いてあった。
 おれ自身の誕生日ではない。作者と主人公とは同一人物ではないので、誕生日をどうしようかなと迷っていたとき、ある人の誕生月日だけを(生年は異なる)借りることにした。
 ということで、誕生日おめでとう、ジョー! 
 ヴェニスもの新作短編「早く殺される奴ほど早く死ぬ」はコロナ禍が始まった2020年春が季節設定だが、まだどこに発表するのか決まっていない。

 さて、見出しの画像が<NCIS>(naval criminal investigative service) (ネイヴィー犯罪捜査班)からの1場面である。
 おれが観る数少ない海外ドラマの1つで、ちょうど24日の夜に放映していた。
マリア・べロ扮するジャック・スローンがマーク・ハーモン扮するギブズ班長と一緒にアフガニスタンへ行き、タリバンに誘拐された女の子たちを助けるという話である。制作されたのは2020年でコロナ・パンデミックが始まった頃だし、YouTube で断片的な映像は観ているが、日本で放映されたのが、現実にタリバンがアフガニスタンを牛耳った直後というのが、皮肉である。そして、噂どおり、スローンがアフガニスタンにとどまることになり、NCISから去るのだ。でも、タリバンがアフガニスタンを掌握した今、ジャックはどうしているのだろうか?
 このシーズンでは、もう1人のレギュラーが番組を去ることが決まっている。マリア・ベロはリチャード・スターク原作の<ペイバック>で初めて観て、そのあと、スティーヴン・キング原作の<シークレット・ウィンドウ>にも出演していた。ベロは仕事の幅を広げたいので、やめると言われている。実際、こういうアクション番組の撮影は朝早くから夜遅くまで続き、肉体的にかなり疲れるらしい。でも、噂に反して、ハーモンは来シーズンにも登場するという。
 とにかく、「アフガニスタン、バナナスタンド」という呪文が楽しい合言葉になる時代が来ることを祈る。この呪文がニューヨーク的なのは、ニューヨーカーたちは、banana stand の最後のd をほとんど発音しないので、「アフガニスタン、バナナスタン」と聞こえ、押韻しているからだ。こういう風にネタを明かすと、ヤボだと思うし、ウェストレイクさんはよくこんな馬鹿馬鹿しい呪文を考え出せたものだと感心する。

 ということで、もう一度。
 Happy birthday, Joe! Stay safe and well and young!
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