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パスポート預けて変則越境【タイ、ミャンマー旅行記②】

 国境を越えるときは普通、パスポートを提示してスタンプを押してもらい、そのパスポートは持って入国する。ところが世の中には変則スタイルの越境をするところがある。パスポートをイミグレーションに預け、代わりに渡される書類を持って入るところがかつてあった。タイ最北端の町、メーサイからミャンマー・タチレクに入るときの越境である。当時、日本人がミャンマーに入るにはビザが必要だったが、ビザがなくてもオッケーという仕組みだった。頭書の写真がパスポートと引き換えに発行されるエントリーパーミット。これによると、14日間有効で制限エリア内に限って行動できるとのこと。いくら公的機関とはいえ海外旅行では肌身離さず持っていないといけないパスポートを預けるのはいささか不安である。どうしてこういう仕組みなのかは謎だが、あんまり奥まで入ってくれるなというメッセージなのかもしれない。そのときの顛末を紹介する。

 場所は、下記図を参照。


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 こちらはタイ側のイミグレーションの建物。画面の奥がミャンマー側になる。タイを出国するときは普通にパスポートを見せてハンコを押してもらう。最近、出入国のスタンプを省略する国が多いのはさみしいことである。後々、パスポートを開いて思い出に浸ることができない。

 

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 タイ側を難なく出国。国境となっている小川にかかる橋を歩いて渡る。この写真はミャンマーにまだ入国する前。


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 左手がタイ、右手がミャンマー。100メートルもないような幅で、泳いでも渡れそうである。泳げないけど。


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 ほどなくミャンマー側ゲートにたどり着いた。国境の間で商売する人がいる。どっちの国の人だろう??


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 イミグレーションでパスポートを預け、手数料500バーツ(約1800円)を払う。これがエントリーパーミット。裏面には氏名や有効期限、顔写真が印刷されている。ミャンマー入国のスタンプはパスポートに押してもらえました。


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 で、これがミャンマーのタチレクという町。「ゴールデントライアングルの町」と看板にある。タイ、ラオス、ミャンマーの三カ国の国境のことだが、タチレクからは20キロほど離れている。なので、この表記はやや詐称に近い。


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 タチレクの国境を越えてすぐのところに市場がある。とたんに物売りがうるさい。中国製の安っぽい電化製品やらライター、DVD、CD、布、かばん、仏具など売っているものはさまざま。かごに煙草をカートンで入れて持ち、売り歩く男からしきりに「シガレット?」「バイアグラ?」などと声を掛けられる。煙草はマルボロやらマイルドセブン(今やメビウスに名前が変わりましたね)やらで、値段を聞くとカートンが40~50バーツ(200円弱)でずいぶん安い。大方偽物であろう。食堂などではタイバーツを自由に使うことができたので、ミャンマーの通貨には両替しなかった。


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 歩いて回れる程度の小さな町だった。


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 ミャンマーの男たちはロンジーという巻きスカートをはく。つい土産に買ってしまうと、日本ではほとんど使わずに邪魔になるやつである。実は、この翌年に再びミャンマーに行ったとき浮かれて買ってしまい、結局使わないので捨てたのでした。何度か着用したが、すーすーして涼しく、実用性は高い。


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 ビルマ文字は丸っこくてかわいい。読めないけど、併記されている漢字からするに審美歯科みたいな店か。漢字はこの看板以外にあまり見かけなかったが、中国系住民もいたのだろうか。


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 タチレクのトゥクトゥク。バイクに荷台を無理やり付けたみたいな形で、タイのそれとはちょっと違う形だった。東南アジアでときどき見かけるタイプですね。


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 数時間の滞在を終え、タイ側に戻る。パーミットをイミグレーションで渡すと、無事にパスポートも戻ってきた。どうせなら1泊ぐらいすればよかった。これは私が日帰りしかできないと思い込んでいて、タイ側の宿にチェックインしてから越境してしまったため。
 ミャンマーはその後、日本人は観光ビザ免除になった。コロナで現在はどうなっているのだろうか。

<タイ、ミャンマー旅行記③へ続く>

※写真は全て筆者撮影です。通貨の換算はけっこうおおざっぱ。機材はニコンD700+タムロン28-75ミリF2・8。


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