前回の記事を踏まえ［ギターコード表］で検索してみたら、Gコード６弦を中指で押さえるように書いているものもありました。教本ではないにしてもアレなので、前記事に謝罪を追記。ごめんなさい。結論は変わらずです。中指、薬指、どっちもOK。
今回は「どのコードから覚えたら良いのか」について。

経験者は言う、「好きな曲を選べ」と

それが１番なのは間違いない。先人たちはだいたいそう言う。好きな曲なら頑張れる。
でももしその曲に、めっちゃ複雑なコードが使われていたら…

なので僕のおすすめは、好きな曲をいくつか選んで、ギター経験者にコード譜を見てもらう。

すると《Fがあったら除外する》とか、逆に《「Fだけ頑張れ」と"試練"を与えてくれる》と思う。親切度MAXの人なら「カポ（ひみつ道具）付けたら簡単に弾けるよ〜」なんてことまで調べてくれるかもしれない。

ちなみに僕が初めて取り組んだ曲はB'z「あいかわらずなボクら」で、周囲に相談できる人はいなかった。Fだけ頑張ればなんとかなる、と自ら"試練"を課したパターン。披露までは数週間、なんとかなった。

"１曲弾ける"が嬉しいじゃない

初心者向けサイトってどんなのがあるんだろうと検索していたら、いきなり

　　C　D　E　F   G   A   B
　　Cm Dm Em Fm Gm Am Bm

と、押さえ方の一覧を並べているサイトがヒットしてびっくりした。最初に全部覚える必要なんか絶対にない。先を読むと理論的なことが切々と続いていた…全然初心者に向けられていない。※1

僕らはもっとこう、ガッと手にしてギューンと鳴らしてyeah!!と叫びたいんだ。そうだろう？

ほかの初心者向けサイトでは、このコードとこのコードは相性が良い、とやはり曲を念頭に置いた選び方をしていた。それならわかる。
曲が決まれば《どのコードから取り掛かるべきか》が決まる。やみくもにコード表から選んではいけない。まずはその曲に必要なものだけ、選んで覚える。

で、初心者が勘違いしてしまいがちな落とし穴がこれ。

表記が簡単＝簡単なコード？

答えはNO。とりあえずこれ見て…

表記「増」だけど、押さえる場所は「減」。
こういうのもある…

４文字も増えるのに押さえるとこ減るじゃない。これらが代用可能かは曲による。理論的に考える必要なんかないのでとにかく試して欲しい。じゃらーんと。

ほかには「押さえやすさ」という基準もあって、これは僕みたいに小指が極端の短いなど個人差があるけれど…

僕は右が押さえやすいので、Dmはいつもセブンス…というか、Bmとかのフォームでも、だいたいセブンスで弾いているかもしれない。
気に入ったのでいつか曲を書こう、「マイナーコードはいつもセブンス」※2。

あなたにはあなたの【簡単なコード】がある。置き換え可能かも含め、とにかく試すのが大切。
コード表に見つからなくたって構わない。それはあなたのコード。

「onコード、複雑なコードは使用していません」

伴奏の仕事の時とかたまに参考にしていた(そのまま弾くとカッコ悪いことがあるので鵜呑みにしちゃだめ)コード譜面サイトが進化を遂げ、初心者用にやさしくしてくれる機能が搭載されていた。その説明が見出しの文言。果たしてそれが初心者向けなのかは、判断難しい。
特に前者。「onコード」っていうのはベース音の話なのでいずれ。押さえ方だけなら必ずしも難しいわけじゃない。
弾き語り志望の方なら、イントロとか間奏の簡略化はアリかな。

ラクしてほしい（トゥー・トゥー・トゥー）

なんやかや書きましたけども、はじめのうちはなるべく楽しく、という話なんです。苦労するのは指先の痛みとか感じなくなってからで十分じゃないですか。

それでもどうしても難しい曲から始めたいって言った子がいました。その時は「じゃあもう一曲、簡単なのも練習しよう」って言いました。
数週間後、その難しい曲はまだ拙かったものの、もう一曲どころかネットのコード譜面使って何曲も歌って配信してたあの子の根性とセンスよ。

次回、簡単なコードで作った曲の話。
作れる人は作っちゃえばいい。

※1　そのサイト、どうやら《ギターは初心者だけど音楽的な知識が豊富なひと》向けっぽかったです。それはそれで必要なのだけどまた別の話。
どのみちCの６弦を３フレットで書いていたので僕好みではなくて。詳しくはコードチェンジの話の時に書きたい。キーワードは【ベース音】。
Cの６弦どうする問題は【×(ミュート)】か、初心者には【0(開放)】が最適解。

※2　ドイツオレンジが昔「彼女はCコード」というアルバムを出していた。曲かと思ったけど検索したらアルバムっぽい。上京した頃お世話になっていたスタジオのスタッフさんだった。話したことも曲もうろ覚えだけど、バンド名や「彼女はCコード」というフレーズははっきり記憶していた。勝てない。