神々のおどり

むかしむかし、世界にまだ何もなかったころ
東洋の神は大きな岩の上で瞑想にふけっていた
「そこで何してるの…」
不思議そうに見ていた西洋の神が尋ねた
「風吹けども、動せず」
東洋の神が答えると
「退屈は罪よ、一緒に踊りましょう」
やがて東洋の神と西洋の神がダンスを始めると
世界に大きな地震と噴火が起こり
それまで繋がっていたアフリカ大陸とアメリカ大陸は切り離された
神々のおどりは二千年ほど続き
「少しは落ちつきなさい」
東洋の神は西洋の神に茶をすすめた
ワインしか飲んだことがない西洋の神はすっかり酔いが醒めた
「悪くない気分だわ」
すると北極と南極が氷に覆われ、世界に冬が訪れた

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