『ソラ、カガミ。』


夕焼けの空はまるでパレットのようだ

空の青、太陽のオレンジ、灰色がかった雲、すき間から顔を覗かせる月の光

マグリットが魅せられた空の色には調和という賛辞がよく似合う

やがて空全体は紫色に変わり、パレットを閉じるかのように色彩は夜の闇へと戻っていく

それは人間が一日の生活の中で様々な表情を作っているように、この空もまた様々な表情を浮かべる命のアートなのかもしれない

『晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 元の姿は変わらざりけり』

山岡鉄舟は普遍的な何かを悟り、この句を詠んだ

本来の空に色はない。空は鏡。地球の姿を映し出すスクリーン

青いときも、赤いときも、私たちが見るべき「空」の一点がそこにある

それを見失わない一人でいたい

それを見失った人に言いたい

空を見上げるだけでいいんだ

空鏡はあなたという地球に見られることを待っているんだよと。

サポートして頂けると今後の創作活動の意欲になります。