見出し画像

立候補・・・

「支持政党なし」というまぎらわしい名の団体が立候補して、「政策もいっさい無し」だそうで・・・あまり政治的なことではなく、個人的な過去の出来事を書いていきます。

中学二年の時・・・今なら厨房、厨二房とか言われる頃。小学生の頃からの親友の思いを寄せていた女の子が、生徒会の副会長に立候補しました。当時はまだまだジェンダー・フリーという言葉すら無く、会長は男子生徒で副会長が女子生徒ということが決まっていました。もし生徒会長になれば毎日のようにその女の子と一緒にいることができるという不純な動機で、その親友に生徒会長へ立候補するように勧めました。当然、推薦責任者は自分となり、全生徒の前で推薦理由を話さないといけません。そして選挙演説の当日、「どんな公約にして、どんなこと話すの?」と聞いたら、「出たとこ勝負!」という返事。え?それ自分が何言っていいか分からなくて困るけど?と思いつつ、まぁいいか自分も臨機応変に言えばいいや♪と軽いノリで壇上に上がりました。もともとが不純な動機ですから(笑)

「ボクに公約は一切ありません。何もしないのが公約です!」とか言い出したからさぁ大変!横で聞いていて自分の頭の中が真っ白になり、その後で推薦責任者として自分がどうフォローしたかまったく記憶にないほどです。

ところが何もしないという公約がウケたのか、まさかのトップ当選してしまいました!が、大変だったのは、その後のこと。その日のうちに緊急職員会議が開かれ、翌日は全校集会となり校長先生から話がありました。

「あなたたちは何もしない生徒会長を選びましたが、それは生徒会そのものを機能停止させるものです。それはどういうことかというと、これから一年間は運動会や遠足、修学旅行などの学校行事をすべて行うことができないということです」と、きつい口調で話されました。静まりかえった全校生徒の列の後ろでは、体育の先生に胸ぐら捕まれて往復ビンタされている親友の姿。次は自分の番かも?とビビリながら校長先生の話を聞いていましたが、こちらまではその沙汰は回ってきませんでした。結局、もう一度公約を出し直し、それに対しての信認・不信任の投票が行われ結果再選となりました。今となってはどんな公約を出し直したかも覚えていません。それから一年、親友は憧れの子と一緒に生徒会を運営していきましたが、結局片思いのままで終わりました。

たぶん生徒会の機能が停止しようが、学校行事は問題無く行うことは可能だったと今ならば予想できます。むしろ生徒会が介入しない分、先生側としては楽になったことでしょう。ただこの生徒会の選挙を通して、無責任な投票をしたらどういうことになるかということを職員側が教えたかったのだと思います。当時はまだ大人がちゃんとした大人でしたから・・・で、冒頭の「政策無し」の政党が立候補。

あれから数十年、同じようなことが実際の選挙で行われるとは、当時の先生方は夢にも思わなかったでしょう。これで件の政党が当選したら、国民全員が厨房状態です。