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「脱」単語帳偏重学習法②-単語帳偏重の背景にある考え方の問題点-

こんにちは。
東京外国語大学英語科卒のTatsuです。
私の考える「英語学習」について、自分の経験に基づいて書いています。前回の記事では、単語帳偏重の学習法の問題点を掘り下げました。

↓前回の記事はこちらから↓


英単語学習についての連載第ニ弾です。
今回は、単語帳偏重学習法の背景にある間違った考え方ついて話します。そして、単語学習にどのような意識が必要かお伝えします。

英語学習において、単語学習が重要であることは論を俟ちません。しかし、日本の英語教育では、「単語学習=単語帳を使った学習」という図式が広く受け入れられています。単語帳偏重の単語学習の問題点はこれまで話してきました。今回は、日本の英語教育が単語帳偏重に陥る背景を探っていきます。

間違った考え方①
「知らない単語があると文章を読めない」

英語のニュース記事や、本を読む時に、出てくる単語を全て知らないと読み進められないと思っていませんか?実はそんなことはないんです。基本的な単語(何が基本かは後述予定)さえ押さえておけば、それ以外の単語は文脈などから意味を予測できるからです。

そして、知らなかった単語も何度か出会うと、「こういう場面でよく出てくるな」「こんな時も使えるんだ」「こういう単語と相性がいいんだ」など、その単語の輪郭が次第にはっきりしてきます。そして、気がついたら記憶に残っているものです。

テストでも実生活でも、知らない単語が出てきてからが勝負です。知らない単語にぶつかった時にそこで止まってしまうか、周辺情報を頼りに読み進められるか。単語は星の数ほどあります。単語帳を使って、知らない単語を減らすより、実際の文章の中で知らない単語を柔軟にいなし、何度も出会う中で少しずつ自分のものにしていく方が大切だと思います。特に、受験生の皆さんには、後者の訓練を積んでほしいです。知らない単語をうまく流し、時間をかけて理解を深めていく学習法です。そのためには、まとまりのある英語の文章を日常的に読むことが大切です。

僕の感覚では、中学校〜高校生の教科書に出てくる基本的な単語をある程度知っていたら、単語帳でそれ以上補う必要はないと思います。実際、僕は高校時代単語帳をほとんど使いませんでしたが、センター試験も東京外国語大学の2次試験の英語も、「知らない単語があって読み進められない」という経験をしたことはありません。TOEICもTOEFLも同様です。それは、僕が単語をたくさん知ってるからではなく、知らない単語があっても読み進める訓練を積んでいたからだと思います。単語帳偏重学習法では、こうした訓練を積むことができません。

覚えてから読むのではなく、読みながら覚えていく。こうした学習法を実践することで、“受験勉強”から解放されて、言語の学習が始まります。単語学習に限らず、日本人が英語を話す際に陥りがちな考え方が、「できるようになって実践する」です。順番が逆です。実践しながら、学んでいきます。言語学習は果てしなく続くのです。

間違った考え方②
「単語は質より量」

受験生の皆さんは、センター試験なら単語〇〇語、国立大学2次試験なら〇〇語は覚えないとだめという話をよく聞きませんか?これもミスリーディングです。量は多いに越したことはありません。しかし、量よりも、一つ一つの単語を深く理解することの方がよっぽど重要だし実践的です。浅い理解で1000語覚えているよりも、基本的な単語100語を深く理解している方が意味があります。

例えば、
have, make, get, go, take, put, run, come,
pick, pull, give, send, help, hold

皆さんは、これらの単語をどれくらい使いこなせますか?中学校で最初に習うような単語ばかりですが、とても深みのある単語たちばかりです。これらを駆使すれば、色んな表現ができます。実は、こうした単語を使いこなせるようになるのには時間がかかります。自分のものにできたら、応用が効く一方で、最初の方は、輪郭がぼやけているというか、イメージを掴むのに時間を要します。リーディングでも、よく目にしますが、書いたり話したりする時に、自分の表現したいことのイメージを英語で組み立てる時に、とても頼りになる単語たちです。知らない単語があっても読み進める訓練について先述しました。この考え方は、スピーキングやライティングといったアウトプットの場面にも応用できます。ピンポイントで単語を知らなくても、自分が知ってる単語を組み合わせて、表現をする。こうした場面で上記した単語は大活躍します。

ニューヨークに留学していた頃、アメリカ人の友人からこう言われました。

「日本人は、ネイティブでもなかなか知らないような難しい単語を知っているけど、幼稚園児でも知ってる表現が理解できていない。」

これは、まさに、単語帳偏重学習の弊害だと思います。単語帳を使って重箱の隅をつつくような単語を覚えるよりも、簡単だけど奥の深い単語と向き合う時間を増やした方が実践でも役立ちます。そして、大学受験で、難しい単語が出てきたとして、それが辞書を引かないと絶対意味がとれないような単語だとしたら、問題が悪いくらいに思えばいいです。実際は、どうしても意味がとれず、読み進める上で重要な単語は辞書を引けばいいのですから。

単語学習の本質は、手札を増やす以上に、自分の持っている手札をいかに上手く使いこなせるようになるかです。そして、時間をかけていいから、確実に使いこなせる手札を少しずつ増やしていきます。それが僕が考える単語学習です。

次回以降、知らない単語が出てきた時の対処や、基本的な単語を組み合わせて柔軟に表現するコツについて、話していきたいと思います。読んでくれてありがとうございます😊

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