公認会計士+αの資格・検定について

今週こそグッドスピードの調査報告書の記事にしようと思ったのですが、仕事と子供の塾の送迎に追われてとても読む暇がないので、一旦この件は忘れて、隙間時間で書けるネタでいきます。
(自分の学びのアウトプットがこのNoteの趣旨なのに、学ぶ時間がない・・)

1年以上前に以下の投稿をしたのですが、公認会計士の資格を持つ人にとって、それ以外の資格・検定が実際役に立つのか否か、もう少し深堀りしようと思います。

なお、先週合格したばかりの公認不正検査士(CFE)については以下のNoteで取り上げており、その後の実務経験がないので割愛します。

また、ITパスポート、BATIC、CFOプロフェッショナル()は、受けたのが10年以上前でどんなのだったか思い出せないので、こちらも割愛します。

①IPO実務検定

縁あってIPO関連の仕事を5年以上続けているのですが、監査法人でIPO監査に携わった経験がなく、最初は何から始めたらよいかさっぱりでした。
このため以下の検定を受けたわけですが、IPOという仕事自体が、会計だけではなくガバナンス・コンプライアンス・ファイナンス等の総合力が試されるプロジェクトであり、それらを薄く広くカバーするこの検定を受けることである程度全体感を把握することができ、社内外でどう議論を進めればよいのかを考える基礎としてとても役に立ちました。
IPOの仕事を始めてする人が何を勉強すればよいかと聞かれたら、真っ先にこちらを勧めています。

上級まで受けましたが、勉強時間は30~50時間程度だったと思います。
以下のようなテキスト、問題集、ケーススタディーを理解できるまで回せば問題ないと思います。

②米国公認会計士(USCPA)

こちらはご存じの方も多いと思いますので詳細は割愛しますが、語学の壁を除くと難易度自体は日本の公認会計士よりもずっと易しく、また米国の税法その他の法律を網羅的に学ぶ必要性も、日本で働く限りにおいてはほとんどないのではと思います。
私の場合は米国で働きたかったのですが、無事叶った場合はこの資格を取ることが強く推奨されるところ、向こうで資格の勉強に貴重な時間を費やしたくなかったので、日本にいるうちに時間を見つけて取得しました。
実際に米国で働いた際、受け入れ先における余計な不安要素を一つ減らすことはできたと思います。

なお、勉強方法と時間はざっくり以下の通りです。
・REG(税法・ビジネス法)以外:以下のような英語の書籍を購入し、テキスト部分は全く読まず(量が多すぎるのと、日本の公認会計士の知識でほとんど対応可能なので)、問題を3回(正答は除く)繰り返しました。
(このテキスト、私が受けた当時よりずいぶん値上がりしていますね・・)

・REG:こちらは流石に独学は無理だと思ったので、上記書籍に取り組む前にTACの単科講座を申し込みました(今もあるのかはわかりません)。

勉強時間は合計で500時間ぐらいだったと思います。うち半分弱をREG1科目に費やしました。
最近はCPA会計学院等もUSCPA講座を出しているようなので、ご自身にあったものをお選び下さい。

③TOEIC

試験内容や勉強方法は説明不要だと思いますが、以下のNoteにも書いた通り、初期的な英語の勉強目的もさることながら、高得点を取ることによる社内へのアピールを狙って勉強していました。結果として、海外研修やグローバル業務等を優先して回してもらうことができました。

以下に触れる英検1級や、TOEFL、IELTSの方がレベルが高いのはその通りなのですが、まずはTOEICで基礎を積み上げつつ、社内で優位な機会を得るための手段としたうえで、次のステップとして上記のより難関な英語関連の資格・検定を目指す方が、個人的にはメリットが大きいと思います。

④英検1級

こちらも試験内容の詳細は割愛しますが、元々海外で働くことを目的に英語を勉強していたので、仕事で使わない分野の単語や文書の知識に大きく欠けていたことと、海外赴任終了後にまともに英語の「勉強」をしていなかったので、XのFFさんの勧めもあり受検しました。
検定料も1万円強とTOEFLやIELTSに比べて安価なことや、TOEICと異なり英語4技能をバランス良く問われ、良い勉強になったと思います。

英検1級の試験内容やそれに特化した勉強方法等は、そこそこのボリュームになるので割愛しますが、単語力、文章の書き方、二次試験への慣れ、辺りがポイントでした。
もしかしたら今後別の記事にするかもしれません。

⑤応用情報技術者

特に業務上の必要性はなかったのですが、XのFFさんの何人かが受けていたのと、当時IT企業に勤めていたのもあり、もう少しITリテラシーを高めたいと思っていたので受けることにしました。
ただ、受けた前後でITリテラシーに大きな変化はなかったので、意味があったのかは未だにわかりません。IT用語に少し親しみが持てるようになったくらいです()。

長くなってきたので勉強方法は以下で簡単に述べます。100時間以上は勉強したと思います。
・午前試験:過去問道場をできるまで繰り返す(過去5年分とか)

・午後試験:以下のような市販の問題集や過去問に広く当たる

ちなみに、公認会計士を含む多くの文系の方にとって、基本情報技術者試験よりも応用情報技術者試験の方が合格は簡単だと思います。
理由は一般的に言われている通り、応用情報技術者試験では文系の方にとってとっつきにくいアルゴリズム等の学習を回避できるからです。

(番外編)システム監査技術者

なぜ(番外編)としたのかといえば、落ちたからです笑
100時間以上は勉強したと思いますが、やはりIPAの高度試験というのもあり、システム監査未経験で受かるのは無謀でした。
負け惜しみですが、午後の論述B判定だったので合格まであと少しだったとは思います。ただ、論述試験が苦行だったのと、実務に携わる見込みもなかったので、今も再チャレンジはしておらず、その計画もありません。

まとめ

以上の通り、様々な資格や検定試験を受けてきたのですが、別に資格マニアなわけではありません。
それなのに受けている理由は、業務実施に当たり最低限必要な知識を確保することで、座学からのインプットに対するケジメをつけるためです。
もちろん、資格・検定だけで即戦力になるわけではなく、実務経験や更なる座学も必要ではあるのですが、少なくとも資格・検定を受けておくことで、インプット不足を言い訳に後ろ向きに仕事をするのではなく、後は走りながら学べばよいと吹っ切れることで前向きに仕事に取り組むことができます。また、最低限の知識だけでも事前に仕入れることによって、実務の中で考える基礎ができることを通し、ラーニングカーブを少しでも上向きに持っていくことができるという算段で、実務を開始する前に関連する資格や検定があれば、なるべく受検するようにしています。

上記の趣旨と今後の仕事の関連で、今年はサステナ関連(FSA Credential)や国連英検(まずはA級から)に目を付けています。
こちらは受検したらまたNoteに書きたいと思います。