春休みにもっと読みたい課題図書

ご縁があり、会計人コースの「春休みに読みたい課題図書」というコラムを執筆したのですが、紙面の都合上、同コラムでの紹介ができなかった書籍がいくつかあり、Noteで取り上げたいと思います。

https://kaikeijin-course.jp/2024/03/19/62244/

オススメ①『青い蜃気楼 小説エンロン』(角川文庫)

コラムのおすすめ①は特定の不正会計を掘り下げた書籍として「粉飾の論理」を取り上げたのですが、不正会計の代表例として世界中で取り上げられるのはやはりエンロンです。
読んだのがかなり前で内容をあまり思い出せないため、コラムでは取り上げなかったのですが、小説としても引き込まれた記憶がありますし、会社名だけは聞いたことがあっても結局どんな不正だったのかいまいちご存じでない方におかれましては、気分転換も兼ねて読むことをお勧めします(私ももう一度読もうかな)。

オススメ②『企業不正の調査報告書を読む ESGの時代に生き残るガバナンスとリスクマネジメント』(日経BP)

コラムは会計士受験生や若手会計士向けにしていたので、オススメ②は不正会計の実例集として「業種別・不正パターンと実務対応」を取り上げました。また、(こちらは全く若手向けではないのですが)末尾では「第三者委員会ドットコム」を取り上げました。
一方、前者は基本的な内容に終始しており、後者はボリュームもさることながら内容も専門的かつ委員によって質のバラつきがあります。本書は2019年の調査報告書の一部をわかりやすく解説しているという意味で、その間を埋める書籍としておすすめです。

オススメ③『不正調査の「法律」「会計」「デジタル・フォレンジック」の実務』(中央経済社)

不正調査の実務は読者がかなり限定されるので、コラムでは「実践 不正リスク対応ハンドブック」を取り上げたのですが、運悪くお勤め先の企業もしくは監査クライアントで不正が発生すること、もしくは調査委員会側の仕事が発生することがあるかもしれません。
もう少し踏み込んだ良質な書籍も他にあるのですが、不正調査実務の基礎的な全体感の把握という意味では、この本が良いと思っています。

その他

今回は不正に関する書籍の紹介という、普段あまり見かけない切り口でコラムとNoteを書いたのですが、もう少し幅を広げて「内部統制」という観点だとおすすめの書籍はまだ沢山あるので、別の機会に紹介したいと思います。

その他、「不正会計とグループガバナンス」というNoteを以前に書いたので、合わせてご笑覧下さい。

まとめとお知らせ

良くも悪くも、これまで不正会計にはあまり縁がなかったのですが、最近になって立て続けに巻き込まれており、私自身も急ピッチでインプットをしています。
その意味では、まだ駆け出しの人間からの書籍の紹介ではありますが、ご参考になれば幸いです。

また、繁忙期と資格試験の対応のため、しばらくNoteの更新ペースを大きく落とす予定です(毎週⇒毎月、という感じでしょうか)。
有料マガジン等ではないので誰の迷惑にもなっていないとは思いますが、念のためお知らせします。