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「泥臭さ」で意気投合したコニカミノルタとJDSCが、「1to1紙マーケティング」でコミュニケーションを変革する!

今年創業150年を迎えた精密機器メーカーのコニカミノルタ株式会社は、チラシやダイレクトメール(DM)などの紙媒体のマーケティング施策における企画から施策実行、効果測定まで一気通貫で伴走支援する共創プラットフォームが提供する「AccurioDX(アキュリオディーエックス)」を推進しています。「1to1紙マーケティング」という新たな顧客接点を創出するこのAccurioDXに2023年3月、AIやデータサイエンスを用いて産業全体の課題解決を目指すJDSCが参画しました。
 
両社の共創によって紙媒体のマーケティングはどのように進化していくのでしょうか。コニカミノルタAccurioDX BizDevリーダーの藤原 崇史氏とJDSCの宮川匠、梅原千佳による座談会の様子をお届けします。

-本日はコニカミノルタとJDSCがAccurioDXで共に創る「コミュニケーション変革」というテーマでお話を伺えればと思います。宜しくお願いいたします。はじめに、AccurioDXの特長や、組成理由を教えていただけますでしょうか。

藤原)AccurioDXは一言で言うと、紙という媒体を通じて、事業者やブランド側と消費者側とのコミュニケーション変革を起こすマーケティング施策です。定まったサービスやソリューションが存在しているわけではなく、このコンセプトに賛同いただける事業者やブランドと一緒に共につくっていく共創プラットフォームでもあります。

-立ち上げた理由を教えてください。

藤原)昨今、1to1のコミュニケーションの重要性が高まっていることは皆さんご存じだと思いますが、その中で親和性が高いものとして浮かぶのは、SNSやメールマガジンといったデジタルマーケティングだと思います。しかしながら、デジタルマーケティングだけでは訴求できないものがあり、私はそれを「顧客のリアル体験」であり「紙」だと思っています。

紙は物理的なものであり、五感で味わえるもので「温かみ」があるものです。もらった方も、自分のためだけに作ってくれた紙での情報提供というものは、温かい気持ちになってくださると信じています。

紙という媒体が持つ可能性を最大限生かしつつ1to1要素を取り入れることで、一人ひとりに最適なコミュニケーションを当たり前にできる世界を作り上げるべきという思いで立ち上げました。紙による個別適正な1to1施策を打つことは一般的にも可能ですが、双方向のコミュニケーションが取れている状態とは言えないです。消費者へ届ける印刷物にユニークQRなどを付与し、消費者のリアクションを計測することで初めて双方向でのコミュニケーションが成立すると考えます。また、企業対消費者ではなく人(営業担当者など)対消費者の1to1の施策が双方向でのコミュニケーションの入り口になると考えます。この双方向コミュニケーションを継続かつPDCAを回すことで、顧客ロイヤリティ向上による事業成長に繋がると考えています。

コニカミノルタは「パーソナライズ化」を可能とするデジタル印刷という技術を持っています。版を作って大量に同じ物を刷るオフセット印刷とは違って、1枚1枚違うものを刷ることができます。これこそが、先ほどご説明したブランドのマーケティング施策において1to1印刷物による双方向コミュニケーション活性化と親和性が高く、この世界観を当たり前にすることでデジタル印刷市場が拡大し弊社の事業貢献に繋がると考えています

-共創というお話がありましたが、共創を推進する理由を教えてください。

藤原)ブランドオーナーに1to1紙マーケティングの効果をまずは実感頂きたいと考え共創活動を推進しています。その中で顧客のインサイト発掘やビジネスモデル開発の部分でも私たちの知見を活かして伴走することを心掛けています。また、JDSC様のようなソリューションベンダーとの共創も必要不可欠だと考えています。当社だけの技術やアセットだけを使ってイノベーションを起こそうと思っても、どこかに限界があると思っています。いろんな企業さまと一緒にイノベーションを起こしたいという思いから共創を始めています。共創することで幅を広げることができるものと考えています。

コニカミノルタAccurioDX BizDevリーダーの藤原 崇史氏

-JDSCとして、この共創に期待することは何でしょうか?

宮川)これまでもダイレクトメールを扱う企業さまとさまざまなお話しをさせていただく中で、DMや封入するチラシを1to1のものに変えていかなければならないという意識をもたれていらっしゃるところが多いです。

文面作成や宛先設定、封入物の設定、印刷など1to1ダイレクトマーケティングを実施する様々な工程は個別の事業だけでは対応できないところがあります。印刷物の先のビジョンを示し、各プロフェッショナルがチームを組んで実現していく必要があると考えています。コニカミノルタ様と共創して、チームになって進めていければ、私どもがミッションに掲げる「産業のアップグレード」につながるものと思っています。

-JDSCの持つAIやデータサイエンスに期待することはありますか?

藤原)JDSC様は先進の技術を持っている企業ですので、新たな取り組みができるものと非常に期待しています。

また、私たちは「DoroXsai(どろくさい)価値共創」と呼んでいるのですが、DXを推進するには、泥臭い作業が根底には必要と考えています。

マーケットインのイメージをしていただけると分かるかと思いますが、よく技術やツール、ソリューションを持ってきただけでDXしたと思われている方も多いのです。しかし、DXやイノベーションは、困りごとの場所に行って、一緒にお互いが自分事化して、対話をしながら、顧客のインサイトをしっかり見つけて、そこで初めて、そのインサイトにフィットした価値提案として成立するものだと思っています。これまでJDSCさんと対話させていただく中で、同じ泥臭さを持っていると感じました(笑)

-JDSCの営業スタイルと合いますよね

梅原)そうですね。当社は決まったソリューションを売るのではなく、お客さまの課題を1から聞いて、「だったら、こういうデータを取りましょう」という段階から始めているので、マッチしていると思います。

営業担当の私自身、地方都市も含め展示会に足を運び、フットワーク軽く、そして泥臭く働いています。藤原さんとお会いしたのも、大阪の展示会でしたよね。

藤原)そうですよね!初めてお会いしたのは大阪の展示会でしたね。最初から泥臭いDX推進のお話に共感して、意気投合したんですよね!

展示会でお会いすると、お互いのサービス紹介で終わってしまうような表面的なことも多いのですが、梅原さんとは「どう働く」とか「どうお客さまに対して価値を届けるか」など共感させていただきました。

梅原さんから、お客さまに入り込んで開発した事例としてゆこゆこさんのお話しを伺い、非常に惹かれました。同じ思想を持っている。一緒にやっていけると思ったんです。

JDSC 梅原 千佳

 -両者の共通の思想は「泥臭さ」ですね

藤原)はい。そして、私たちの「DoroXsai」を行う上での指針の中に「DIY」と呼んでいるものがあります。これは「出ろ、行け、やれ」の略なんです(笑)

何事も一歩出よう。自分の既成概念や組織のしがらみを吹っ飛ばして、一回外に出よう。そして、客先で対話しながら、親身になって自分事化しよう。課題をどう解決できるか、しっかり入り込んでやろう。最後の「やれ」は持ち帰ったら何でもいいから、やろうぜという話です。

世の中の企業だと、このような精神が廃れている会社があったり、自社だけでやろうとしたり狭い視野だけで考えてしまうところがあります。そうするとDXやイノベーションが起きなくなってしまう。そうはならないようにする精神が必要かなと常々思っています。

-プロダクトの観点ではどうですか?

宮川)コニカミノルタさんとは、目的としているところが一緒だと感じます。企業は、自社プロダクトをつくって売ることだけがゴールになってしまうところがあります。ですが、それをどう社会実装していくのか、変革するまでのゴールを考えると、プロダクトの外側が必要になります。「DoroXsai」も当社のミッションである「UPGRADE JAPAN」も一緒。ここが似たところだと思います。

藤原)プロダクトアウトが悪いわけではありませんが、作って終わりではなく、社会実装してからが大事です。実はそこからがスタートですので、社会実装して、ブラッシュアップしていくのが重要ですので、この点、当社とJDSCさんは似ていると思いますし、嬉しく感じます。一緒にコミュニケーション変革ができると思いました。

-みなさんが考える「コミュニケーション変革」はどのようなものでしょうか?

藤原)いまのコミュニケーションは一方向だと思います。私たちが考える変革とは、双方向でインタラクティブなコミュニケーションをつくりあげて、お互いに思いや意見をフィードバックしながら成長していく変革です。「1to1」をやりながら、リアルな体験ができる紙を使っていくことで変えていきたいと強く思っています。

そして、これまでのように一方的に紙をばらまくというのは、言わば「たくさん刷って、使われなければ捨てる」でしたが、SDGsや環境問題の観点でも、もう時代遅れです。SDGsや環境につながるような1to1をAccurioDXで実現したいと思っています。

-コミュニケーション変革に対して、JDSCとして貢献できる点はありますか?

宮川)2つあると思います。まず1点目は、情報を届けられて嬉しい人を見つけるAI技術ですね。もらって嬉しい情報を、もらって嬉しい人に紙で届けることに貢献できると思います。これには自信を持っていますのでお役に立てると確信しています。

2点目は、紙でのマーケティングを双方向型のコミュニケーションにしていくところです。お届けした後の反応をユニークQR等で検知し、それぞれの反応からお客様に適切なDMデザインや文言・キャンペーン内容をAIで生成します。これにより顧客反応と対話的にユーザー体験を向上させることが可能と考えています。ABテストの実験設計も含め、どのようにマーケティングにつながるか、の部分でもお役に立てると思います。

藤原)当社にもグループ会社にキンコーズという会社があるのですが、ABテストを低コストで実施できる仕組みをつくったんです。こういうものも活用して、低コストで簡単に、そして泥臭くやっていければと考えています。

JDSC 宮川 匠

 -先ほども少し触れましたが、紙資源の保全やSDGsについて、どのくらい改善できるものでしょうか?

藤原)定量での説明は難しいのですが、送るべき人をターゲティングすることがRoIの観点で一番重要だと考えます。例えば、1万枚印刷して大量にばらまいてコンバージョン率が5%だったものが、500枚刷って10%に上昇するような、JDSCさんの技術を使って適切な枚数にしていくこと、いかに賢くやっていけるかが私たちのミッションです。ここを作り上げていきたいです。

-今後の未来展望をお聞かせください。

藤原)AIや機械学習の技術はより発展していると思います。そうすると、お客さんのニーズも精密に取れる世界になっていると思います。また、ARやVRといった技術も普及するはずですので、お客さまと顧客企業のインタラクションが大きく変化すると思います。

ただ、進化する中で、ずっと普遍的なものがあると思っています。それは最初に申し上げましたが、「五感で味わうリアルな体験」です。これは信じています。

顧客のニーズをいかに精密にするかという技術革新と、紙を使って一人一人に最適化した思いが届くのが当たり前の世界になると思います。その実現に向けては、RoIの観点でもリターンが大きく、投資が低くできるような世界にしていかなくてはならないと思っています。JDSCさんのAI技術を掛け合わせて、良い世界をつくっていきたいと考えています。

梅原)ポストをゴミ箱にしないで、ちゃんとお手紙が届く箱に変えたいですね。小さい頃、通信教育のダイレクトメールが届くのが嬉しかったのですが、最近届いたダイレクトメールでワクワクしたものはないですよね。

1to1のお手紙は、すぐに契約に至らなかったとしても記憶に残るものですし、両社の力をかけあわせて、ワクワクを届けられる施策ができたら嬉しいと思います。

藤原)ワクワクするものをお届けしたいですよね!よく紙やアナログは、高齢に効くと言われますが、実はZ世代にとって紙は珍しい存在で、「新しい体験」として刺さるようです。この点もうまくマーケティングに使えたらと思います。

宮川)2030年くらいを展望すると、双方向コミュニケーションが成り立っている世界になっていると思います。新しい顧客体験として、その人専用のコンテンツを生成して届けるなど、研究的な取り組みも一緒に推進していきたいと思います。

-最後に一言ずつお願いします。

宮川)共創に関してですが、新しい取り組みは誰かが言い出さないと始まれません。「過去に、大量の印刷物を大量にばらまく時代があった」と語られる、そんな世界をつくりたいです。

梅原)「DoroXsai」に共感しており、まずは一緒に双方の顧客のアップグレード、そして、日本のアップグレードを進めていけたら嬉しいです。

藤原)両社の出合いはある意味、運命だと思っています。「DoroXsai」という共通の思想があり、DIYを意識しながら、顧客に寄り添って一緒に新しい価値を想像していけると嬉しいです。両社で新しい社会を作っていきたいです。ご期待ください。


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