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FRIENDS (40首)

 新作40首です。同時公開したもう一つの連作「GHOSTS」もぜひご覧ください。

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 FRIENDS   丸田洋渡

地球似の惑星はありませんように。 すかさず入るニュース速報

開花宣言 それでは話し始めます、まずは言い尽くしたところから

  ○

食べながらでいいからちょっと聞いてくれ 教師も声もカレーの匂い

えーっとね から始まった先生が喪主を務めた二十二のころ

いつか何も喋れなくなる日々のこと 泣きながらリコーダーの練習

書ける速さに想像を遅らせてダンサーのシーンを書き終える

結婚がどういうことか分かってる? 空でおはじきする鰯雲

飛行機につづく飛行機 子どもとも大人ともまだ言えない季節

空を飛ぶにしてもすべては学びから ラムネのてっぺんにあるビー玉

光るなら夜に おとなしい友だちが蛍のように椅子に座った

  ○

水晶的な夜だった けど誰の夢? でもそれは本当にそうだった。

夢みたいな映画みたいな夢みたいなテレビみたいな殺人シーン

ぐうぜん白いルーを入れるとシチューになり驚くマーメイドとマーマン

Abandoned city 夜までやっている病院の魅力的なお祭

藤が人語を初めて話すときそれは垂れるように不完全だった

星の子が踊り狂っているところ あるいは古典落語の味わい

アルミニウムの胸をかかえてぴかぴかの官吏とのぎりぎりの駆け引き

ふだんから本読みそうな雰囲気の友だちは存在しなかった

  ○

友だちといって最初に思いだす友だち 吉野家で雨宿り

殺人犯も音楽を聴く それぞれの愛しい解釈をともなって

太陽とフライドポテトのにおいでもうぐちゃぐちゃの車内ぐちゃぐちゃの車外

愛すには時間がかかる 友だちと三日連続のマクドナルド

イメージのロボット像がもう古い 動機があってはじめて殺す

誘う死と誘われる死とあるよねえ そのときの雨の細部を描いた

生存は難しいかもしれないな バルーンアート バルーンアート

一晩かけて積もった雪をすきまなく子どもたちの足跡で埋めたい

斑鳩の名で呼ばれることの多い子どもは屋根の上が大好き

テーブルの果実をかこみ迅速に僕たちは僕たちの推理を

名探偵ばかりの部屋でじっくりと私は勝利を確信した

一方で あなたはゲームの終盤にさしかかり興奮をしていた

ヒヨコの横にピラミッドの置きもの 彼女は春よりも夏が好き

一角獣の非言語を身に浴びている泉ある洋館に暮らせば

人生に光を当てた一時間番組 二十五分番組

友だちは友だちだから友だちで柚子と思ってかぼすをかける

海を見ている 火を裏返すと風のおかしなボードゲームのあとで

友だちの声だけが聞こえたままで 夢とは幽霊の一形態

言い尽くすべきこと思いだし走る 斑鳩 友だちたち 真犯人

永遠の周回に今入ったよ 友だちの友だちと挨拶

  ○

新しい場所で新しい歴史書を 名だけ素敵なたんぽぽ計画

宇宙とは思ったよりもつぶつぶで ノック! 四〇〇一二号室

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