洋渡

丸田洋渡、本名。よっと、と読みます。俳句/短歌、たまに詩/小説。山梨学生短歌会所属。https://mobile.twitter.com/qualia_of_sky

読書 | 歌集⑧

⑦と同様に、ここ数ヶ月で読んだ歌集にそれぞれさらさらと短い感想・一番好きな一首と評・その他好きな歌を書いていく。

 ⑦はこちら( https://note.mu/jellyfish1118/n/n57b3a8d4ddf8 )。

(目次)

千種創一『砂丘律』
𠮷田恭大『光と私語』
藪内亮輔『海蛇と珊瑚』
服部真里子『遠くの敵や硝子を』
堂園昌彦『やがて秋茄子へと到る』
田口綾子『かざぐるま』

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読書 | 歌集⑦

ここ数ヶ月で読んだ歌集にそれぞれさらさらと短い感想・一番好きな一首と評・その他好きな歌を書いていく。

 続き、⑧はこちら( https://note.mu/jellyfish1118/n/ne56d47d9f35f

(目次)

宇都宮敦『ピクニック』
石井僚一『死ぬほど好きだから死なねーよ』
永井祐『日本の中でたのしく暮らす』
斉藤斎藤『渡辺のわたし』
山本夏子『空を鳴らして』
飯田彩乃『

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文の訪れ

文の訪れ

  丸田洋渡

雛菊や書き記すとき前かがみ

鳥交る篆刻に立ちあがる名前

早春の降りやむまでは雨の部屋

かたくりの花や折り鶴飛びすぎる

文字から墨へ墨から文字へ雪柳

日永よくうなずいて鳥の大きさ

橋はとろとろ仲春の鳥の過渡

たんぽぽをめぐらせる高原となる

風車風より風のまわり方

薺の花を楽器にしていた日は

一行のかろやか花の半音階

書きぐせが本重くして桜貝

春のた

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花の還るところ

近作40句です。
仮名遣、文語/口語等、意図があってしています。

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 花の還るところ

          丸田洋渡

白色の鷲がここから居なくなる

蝶にあるたましいと同じ構造

花薺まはりあやふき喩の平衡

子どもと大人にぶつかられる日

如月菜あやまるときの手は横に

遡ること多くなりねこやなぎ

妹がいる表側春の陸

片栗の花やおんぶに足動かす

記憶と

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読書︰柚木紀子『岸の黄』

色々な友だちと会話をしながら生活をして、ここ数ヶ月、僕は何にもなれないし、どこにも行けないのだということに漠然とした不安を抱いていた。ただ、どこかで、それは「ここ」を愛すことができる条件なのだろう、という期待もあって、浮き沈みを繰りかえし生きていた。

 その中で、結局、自分は短詩をやっていくうえで、何を良いものとして感受しているのかをやや見失っていた。これは良い、と思うことはあっても、何を以て、

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