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バリ創世神話 (続き)

バリに降り立つように命じられた三人の神は、パスパティ神によって霊化され、
椰子の実の中に入れられてバリに向けて送り出されました。そして、バリに到着すると、それぞれ違った山に居を構えました。

グニジャヤ神はレンプヤン山のレンプヤン寺院に、
マハデワ神はアグン山のブサキ寺院に、
デウィ・ダヌ女神は、バトゥール湖のあるバトゥール山のバトゥール寺院に、
それぞれ降り立ち、そこに住まうようになり、ようやくバリは安定したのです。

その後、パスパティ神の子供である四人の神(チャトール・バタラ)が、パスパティ神の命令を受けて、バリに到着しました。

トゥムウー神はバトゥカル山に、
マニック・グマワン神はブラタン山に、マニック·ガラン神はペジェンに、
トゥー神はアンダカサ山に居をかまえました。

こうして、バリに暮らすパスパティ神の子供たちは、全部で七人になりました。

そして、サカ暦118年、マハデワ神とグニジャヤ神が業をつんでいると、アグン山は再び噴火しました。グニジャヤ神の高い霊力のおかげで、そこから三人の子供が誕生しました。長男はウィタダルマ、次男はシディ・マントラ、三男はサン・クルプティといいました。

ウィタダルマは業を積み重ねて、その霊力からバジュラサトワとドゥイジェンドラ(別名 ラジャクレタ)という二人の息子が生まれました。

ドゥイジェンドラは業を積み重ね、ガガッアキンとブラーマウィセサという二人の息子が生まれました。ブラーマウィセサは業をつみ、その力からサグナとガンドリンが誕生しました。兄のサグナの子孫は、鍛冶屋の家系であるパンデ一族になりました。

また、ウィラダルマは業をつみ、エンプータヌワンが生まれ、エンプータヌワンはその霊力から、五人の息子を授かりました。その五人は、グニジャヤ、スメル、ガナ、クトゥラン、バラダーです。この五人は、パンチャ・パンディタ、又の名をバンチャ・ティルタと呼ばれる偉い僧侶になりました。

五人の僧がスメル山で修行を積み重ねていると、祖先にあたるパスパティ神からの啓示を授かりました。「私の子孫たちよ、僧としての使命、崇高な神の教えを決して忘れてはならない。すべての英知はマヌ経典に基ずき、生きるためにはトリ・カヤ・パリスダの教えを守りなさい。この教えを代々子孫に伝えてくのが使命です。僧としての義務を行使し、尊敬される僧として、神の教えを人々に伝えなさい。碑文に書かれている教えに背いた者は、僧の階級から下に下がるであろう。」と命を下しました。

五人の僧は、パスパティ神の啓示のとおり、神の教えを守り偉い僧になりました。五人のうちのバラダーを除く四人がジャワからバリに渡り、沢山の功績を残しました。エンプースメルは、サプタ・ルシと呼ばれる七人の息子を残し、その子孫は現在のパセック一族となっています。

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