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ガルンガンは戦い?

ガルンガンには戦いという意味だそうです。

ガルンガンの元ネタになっているのがマヤデナワの神話。神を信じない怪物の王マヤデナワは悪の象徴であり、それを征伐したのが神々の王であるインドラ神です。ガルンガンはアダルマ悪に対するダルマ善の勝利といわれます。

しかしマヤデナワの神話、ある研究者のブログで、ワトゥレンゴン王がウィシュヌ派を陥れるための作った話だと読んだことがあります。マヤデナワと言う名前が刻まれているプラサスティ碑文もないそうです。マヤデナワは湖の女神デウィ・ダヌの息子であるとも言われますが、単なる作り話なのでしょうか?

一説によると、ブサキを中心とするシヴァ派と、バトゥール湖を中心としていたウィシュヌ派の戦いがあったのではないかと推測する人もいます。マヤデナワは、自由の姿を変えることが出来たが、これはウィシュヌ神がアワタラとして、様々な姿に化身した事を思い出させます

インドの祭礼と比較した場合、ガルンガンの祭礼はドゥルガー・プージャに近いと言われます。インドのドゥルガー・プージャは10日間続くそうです。ラーマ王子がラーヴァナに打ち勝った日、ドゥルガー女神が羅刹に勝った日、クリシュナがナラカスーラに勝った日を記念しているそうで、全て悪に対する神の勝利を記念しています。

また、バリでスリ・ジャヤクスヌが王に即位した時、ガルンガンの祭礼は廃れて行われておらず、先代の王は短命で、国は荒れ果てていた。心痛めたジャヤクスヌ王は、ガンダマユでドゥルガー女神に祈るとドゥルガー女神が降臨し、今まで行われていなかったガルンガンの祭礼を行い、ペンジョールを立てるように啓示を与えました。それ以降、ガルンガンの祭礼が復活したそうです。

ペンジョール

戦いとは、武器を使い殺し合う戦争という意味だけではないはずです。 叙事詩マハーバーラタでも大戦争が舞台であり、そこでクリシュナはバガヴァッド・ギーターを語ります。精神的な葛藤も戦いと言えるのではないでしょうか?


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