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バスの中の小さな虹

 今朝、バスの最後尾の席で本を読んでいた時のことです。

 気づくと読んでいたページの中程にプリズムの4色の光の線が横切っていました。

 最近のバスは後ろの窓の一部がレンズみたいになっていて、そこから反射した光が本の上に虹を作ってくれたようです。

 写真に撮りたいと思いスマホを取り出すも、スマホを構えるとその影が光を消してしまったり、影が被らないように構えると今度はそこにある光をスマホでは捉えられない。

 まるで「写真には撮られたくない」と言っているような、あるいは「ここまでおいで!」とちょっと遊ばれているようでもありました。

 読んでいた本は佐々木まなびさんの「空を、読む」。まだ読み始めたばかりの「うつくしの空」の風のページでした。

 虹のことを書いたページは後ろの方にあったのですが、読んでみると空にかかる大きな虹のことを表す言葉が並んでいて、今ここにあるような小さな虹はかえって風のページの方が似合っているような気がしました。

 光の線はバスが進むにつれて角度を変えたりしながら、終点直前には本の広げたページの間の窪みに添って、両側から上に向かって、まるで富士山のシルエットのような形を見せてくれました。

 一日幸せな気持ちにさせてくれた虹に感謝を込めて。どうもありがとう❣️

※写真は本ではありませんがこんなふうに手の中にあるプリズムの光がいいなあと思ったyasuhiromurajiさんの写真を使わせていただきました。ありがとうございます。

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