見出し画像

恋愛における人生の皮肉

2023年ほど「人生は皮肉なものだ」と感じた年はない。

それは突然やってきた。人を好きになる感情ってどんなだったっけ?という感じでずっと生きてきたけど、唐突で激しい感情が襲ってきた。
 
人生半世紀を迎えようとした昨年、その人は職場にいた。
 
今まで仕事が中心の生活。資格の勉強もはかどっていて、友達と食事や旅行を楽しんだりと、それなりに満足もしていた。
 
20年前に辛い恋愛をしてから、もう自分しか人生は変えられない、これからも人を好きになることはない、とずっと思っていた。
 
何年も働いている職場で初めて見る顔。彼は間違いなく、もてるタイプ。(主観が入るが)スタイル、ルックスもよく、少しコワモテ。ただ、私の好みではない。
 
私より5歳以上も年下で、共通の話題もなさそうだ。生き方も違うし、過去の恋愛で好きになった『豪快で上昇志向の強い男性』というわけでもなかった。
 
クールで、どこか品があって、私の話を聞いて笑ってくれるときのキラースマイルが焼き付いて、寝ても覚めても彼のことばかり考える。勉強すら手につかなくなった。まさに熱病。
 
全く違う世界観を持った人。話をすると全てが新鮮だった。一方で、仕事に対しては、共感できるところがあった。
 
あと数ヶ月でいいから、こうして(共に)時を過ごせるのであれば、今までの小さな幸運すべてと取り換えても良いとすら思った。
 
向こうが(私の事を)どう思っていたか、まったくわからない。食事に何度か行き、週末1度だけ街を散策したので、嫌われていたわけではないと思うけど。少し年の離れたお姉さんという存在?
結論をいうと、(その後、)メールを送ってもなしのつぶて、対応も冷たい。
 
日本語だと恥ずかしいので、英語で呟こうと思う。
 
I’ve got my pride so I’m trying to put on a brave face in the office.
Inside, I'm crying without knowing how to stop.
I feel like screaming, “I just wanted us to end on good terms so I can keep a fond memory with you.” 
 
彼にとっては始まりもないと思うので、おそらく終わったという感覚でもないのかもしれない。
 
やはり、終わり方って重要。自分が否定されたような惨めな気分。

これまでどうでもよかった恋愛だったけれど、この年でこんな気持ちになり、若いころと同じ位、いや、それ以上の痛みを感じなければならないなんて。しかも、今までと真逆の年下に惹かれるとは。
 
こんな苦痛をもたらすものであれば、最初から一時(いっとき)のワクワク感なんて必要なかった。人生においても、しかもこの年になって求めていたものではなかったし。

皮肉以外の何物でもない。
 
何かのKarma(カルマ)かな、と神様に問いかける自分。今まで何か悪いことをしていないか、人を傷つけていないか、誰かに恨まれていないか、と考えてみる。
 
Everything happens for a reason. (すべてのことに意味がある)と人は言うけれど、まだ意味を見いだせずにいる。瞬間的な幸せは間違いなくそこにあった。でも、現実をかえりみなくてはならない切なさを考えると、正直出会いたくなかった。
 
早く時が過ぎてほしい、過ごした日々の記憶がなくなるまで冬眠していたい、と想う今日この頃。
 
ずっと聴いているTaylor SwiftのCruel Summer.
 
He looks up, grinning like a devil.(彼は顔をあげ、悪魔のように微笑んだ)
 
そう、今は彼がdevilにしかみえない。

https://twitter.com/ATF_TOKYO

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?